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☆デート?!★


 ずっと走り続けていたので体力が持たず、立ち止まる大悟。

下を向いて息を整えようとするが、なかなか収まらない。


『何してるんだ。おまえ。』

聞き覚えのある声がする。

その声の方向を見るとイチゴがいた。


『イチゴこそ、こんなところで何してるの?』

呼吸を調えながら言う大悟。


『オレ様は散歩をしているだけだ。』

『イチゴ……。鏡太が倒れた……。』

あたかも自分の目の前で倒れたかのように言う大悟。

しかし、イチゴは心配そうにする事なく、大悟を背にして歩き始めた。


『オイ、イチゴ。鏡太が倒れたんだよ。』

イチゴを追いかけて必死に説明をする。

だが、イチゴは聞く耳をもたなかった。


『イチゴ。聞いてるの?』

大悟がしつこく言う。


『あ〜。うるさい。心配いらないだろう。アイツわ。』

イチゴが怒鳴った。

キョトンとする大悟。


『どう言うこと?』

『おまえはバカでノロマでアホで単純だから知らないだろうが、アイツの周りには常にSP(エス・ピー)がいるんだよ。家から一歩出ると必ず怪しまれないように一般市民に紛れて5、6人いる。だから、おまえが心配しなくても何かあったらそいつらが病院にでも運ぶはずだ。』

大悟のあまりのしつこさに頭にきていた。


『エス、ピー??』

イチゴの言葉に混乱している大悟。


『バカだな。さっさと家に帰れ。オレはもう少しブラブラする。じゃぁな。』

と、どこかに行ってしまった。

大悟の頭の中では自分が全く知らなかった事を整理するのに時間がかかっていた。




 そして、未だに混乱したまま自宅に着いた大悟。

その時、家の前に黒塗りの怪しげな車が止まった。車のドアが開くと降りてきたのは美穂だった。


『あ、松田さん。』

『林クン。鏡太を連れてきたの。』

その言葉を聞いて大悟は車に駆け寄った。


『よう。』

美穂に続いて鏡太が降りて、普段と変わらない元気な表情で言う。


『心配したんだよ。』

と、鏡太に飛びつく大悟。


『え?どうした?』

状況を把握できていない鏡太。


『鏡太。浮気は許さないないわよ。』

大悟が飛びついた事で、いつものように勘違いしている美穂。

鏡太は慌てて大悟を引き離した。


『大悟。落ち着け。よく分からないけど話しは家で聞くから、な。』

苦笑いしながら言う。

そして、外が騒がしいので家から優子と幸子が出てくる。


『騒がしいと思ったら帰って来ていたのね。』

と、優子。


『美穂ちゃんありがとうね。わざわざ家にまで送ってもらって。』

幸子が美穂にお礼を言う。


『構いませんの。おば様も心配していると思いすぐに連れてきました。』

美穂が言う。


『最初聞いた時は心配したけど、美穂ちゃんが一緒って聞いてからは何にも心配してないわよ。むしろ帰りにデートしてくるかと思っていたくらいよ。』

満面の笑で言う幸子だった。

その言葉が耳に入ってきた鏡太は大悟の手を引っ張り、物凄い勢いで大悟の部屋へと向かうのだった。


『デートはまた今度にしますわ。今日はこの辺で失礼します。栄養のあるものを作ってあげてください。』

美穂は車に乗ると帰って行った。



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