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☆幼い時の思い出★


 昼休み。

大悟と鏡太は前日、地震のために見られなかった大悟の絵を見に来ていた。

大悟の絵を見た鏡太の反応は。


『上手いけど、何か足りない。』

と、即答で言った。


『だよね……オレも自分で思うんだ。何か足りないって。』

大悟の絵は、自分の住んでいる街を描いたものだ。小さい時、鏡太と二人でよく行っていた家の近くにある少し高い丘から見た風景。夜景は絶品で、隠れデートスポットになっている場所。大悟はその風景をほぼ、写真で撮影されたかのように見えるほど上手く描いていた。

が、何かパッとしないことに不満があった。


『まぁ、オレは何が原因か分かっているけどね。』

ニコッと言う鏡太。


『え!?ホントに?』

驚く大悟。


『でも、教えないけどね。それに、教えて欲しくないんだろう?』

大悟の気持ちを理解しているかのような発言。


『うん。でも、悔しいなぁ。そんなすぐに言われるとへこむよ……。』

大悟の気持ちを理解していた鏡太。

そして、落ち込む大悟だった。


『ヒント。もう一度、今日、帰る時にその場所に行ってみたらいいよ。そして、座って眺めておいで。オレは実の家によって帰らないといけないからさ。』

さり気なくアドバイスを送る鏡太だった。





 放課後。

大悟は鏡太に言われた通り、家の近くにある丘に来ていた。夕日がとてもキレイで言葉にならない風景だった。


『小さい時はよく鏡太とこの風景見てたな。街並みは今も昔もほとんど変わらないし。確か、実と初めて出会った場所もこの場所だったかな。』

と、小さい頃の思い出にひたっている。

鬼ごっこをしたり、隠れんぼ。少し成長していくと、キャッチボールよ、サッカーと、いろいろな遊びをこの場所でしていた。

実とは小学生の時にクラスの友達と遊んでいた時にたまたま通りかかった実が話しかけてきて友達となり、気が付けば大悟、鏡太、実の三人でよく遊ぶようになっていた。

そのようなこの場所での出来事を思い出していると、自然と顔が笑顔になっていた。

そして、自分の描いた作品に何が足りないのかに気づいた。


『なに笑ってるんだ。気持ち悪い。』

口の悪い聞き覚えのある声が聞こえた。

大悟が辺りを見渡すとイチゴがいた。


『なにしてるの?』

大悟は少し驚いた。


『何って………散歩に決まっているだろうが。お前はホントにバカだな。』

いつものようにからかうイチゴだった。





 その頃、鏡太と実はパズルを完成させようと実の家にいた。


『実。ほとんど最初からのスタートになってるけど………。』

鏡太が呆れながら言うと。


『そうなんだよ。でも、急がないと時間ないし……。』

素早くパズルを組み立てようと分かりやすい場所を組み合わせる。


『時間って?』

『もうすぐ、アイツの誕生日だろう。だから、このパズルをプレゼントしようと思って。』

『あ〜なるほどね………ん?』

鏡太はあることに疑問を抱いた。



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