☆言葉の理解2★
鏡太は窓を開け大悟と同じように星空を見ていた。
『今日はやけに星が見えてキレイだな。』
何気ない鏡太の一言。
『何、あのバカみたいな事言ってんだぁ。』
イチゴがご飯を食べ終え大悟の部屋に来た。
『確かに。大悟、自然好きだもんな。』
窓を閉めイチゴの方を見る。
『まぁ、あのバカの事なんか知らねぇけどな。』
自分のベッドに向かうイチゴ。
『まぁまぁ。大悟を守ってやれるのはイチゴだけなんだから守ってやってくれよ。』
爽やかな笑顔で言う鏡太。
『なんで俺様が……。もぉ、話しかけるな。寝る。』
意味深な感じで答えたイチゴ。その言葉のトーンに微笑む鏡太だった。
大悟が風呂から出て自分の部屋に行く。そして、ドアを開けると大悟の想像通りの結果が待っていた。
鏡太は部屋の中にある小さなソファーで寝ていた。
『鏡太、起きてよ。』
身体を揺すり起こす大悟。
しかし、なかなか起きない。
『う…う……うるさいな……。』
大悟が必死に続けてようやく起きた。
『ちゃんと寝ないでって言ったのに……。』
少しムッとしている大悟。
『あ〜起きてた起きてた。』
ムッとした大悟の顔を見てなだめようとしているのかからかっているのか分からないがウソを答えた。
『何でそんなウソつけるの?』
冷たい視線を送る大悟。
『で、話しってなに?』
鏡太自信が予想していた以上冷たい反応に話題を本題に変える。
『あ………実は、イチゴの話している言葉の意味を理解できるのはなぜなんだろうっと、思って。』
話しを変えられたこともツッコミたかったがこれ以上話しが逸れるのもイヤだったので自分が質問したかったことを話しだした。
『なんでその質問をオレに?』
疑問を持つ鏡太。しかし、心の中ではこの類の質問をされる事は理解していた。
『なんでって………やっぱり、オレと同じようにイチゴの言葉理解しているのは鏡太だけだし、こんなこと他の人には相談できないことだから………。』
疑問解決に一歩を踏み出したい切実な意見を言う大悟。
『なるほどね。確かに他の人じゃぁバカにされて相手にもしてくれないだろうね。でも、その質問にオレは答えられないね。オレ自信が分かってないから。』
普段と違い真面目に答える鏡太。
『だよね……。』
落ち込む大悟。
『でも、お前は嬉しくないのか?イチゴの言葉が理解できて。』
『嬉しいけど、いつまで理解していられるのかなって思って……。』
『会った時から理解していたんだろう?』
大悟の言葉に疑問を持った鏡太。
『違うよ。去年の秋ぐらいかな。』
『去年の秋………。』
何か感じた鏡太だった。