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☆地獄の日々・三日目の朝★


 翌日。


『ギャァーー。』

全身の毛を逆立てて飛び上がり、目覚めるイチゴ。

大悟・鏡太にしか聞こえない悲鳴。普通の人は『ニャァー』です。


さすがに三日続けての悲鳴に大悟は寝返りをし、布団を被っただけだった。

イチゴは、大悟のベットに上り、布団に入り込んだ。そして、大悟の背中をおもいっきり引っかいた。


『いったー。』

大悟が悲鳴をあげる。


『オレ様を無視した罰だ。』

布団の上で毛づくろいをしながら言うイチゴ。


『そこまでしなくてもイイじゃないか。で、なに?またノラがベットにいただけだろう。』

背中の痛みで目に涙を浮かべる大悟。


『そうだ。だから、早く退けろ。』

大悟は言われるがまま、ノラのところに行き、ノラを抱えあげた。


『ノラ、オレの布団で、寝てくれる?それがイヤなら鏡太の布団でも構わないから。お願いね。』

大悟が言うと。


『にゃーオ。』

大きなアクビをするノラ。大悟には返事をしているのか、ただたんにアクビをしたにか区別がついかない。

しかし、イチゴは同じネコなのでノラがアクビをしながら返事をしたことが分かった。


『これでゆっくり寝られる。』

イチゴは自分のベットに戻り、寝始めた。

一方、ノラ、大悟の腕の中から飛び降りると、そのまま部屋を出て行った。

大悟も安心して自分のベットに戻り横になる。

しかし、世の中こんなにうまくいくこともなく、目を閉じて眠りにつこうとすると目覚ましがなった。


『最悪……。』

大悟の心の叫び。まだ眠かったが、学校はあるので、起きる大悟。目覚ましを止め、鏡太を起こす。


『アト、10分……。』

粘る鏡太。


『早く起きないと、転校早々遅刻になるよ。』

と、言っていると、ふと、鏡太のケータイが光っているのに気づく。


『ケータイ、光ってるよ。』

大悟がいう。


『無視無視……。』

と、鏡太が言うと。

ブーン、ブーンっと、音がし始める。

大悟がケータイを取り、鏡太に渡そうとするが、布団を被っている鏡太は受け取ろうとしない。


『あ、松田さんからだ。』

『もしもし。』

ケータイの着信名を見た大悟が言うと、慌てて鏡太は電話に出た。

鏡太が電話で話している間、大悟は布団を片付けていた。

電話を切った鏡太の顔色が悪い。


『オレ、学校休むわ。』

『何で?昨日はあんなに楽しみにしてたじゃん。』

『美穂が放課後、デートしろって……』

今にも死にそうな顔をしている鏡太。


『行ってくれ……』

『お前はオレの命がなくなってもいいのか?絶対に手料理を食わされる……。食べなくてイイ方法は学校を休むことだ。』

大悟の言葉を途中でさえぎる鏡太。


『さ、文句を言わずに学校に行くよ。』

鏡太のくだらない発言に毎度のことなので、あきれている大悟。そして、強引にリビングに連れて行く。

朝食を済ませて、学校に行く支度を始めるが、鏡太は元気がなく、支度は無事に終わる。

玄関を出て出発するも、鏡太は今にも死にそうな顔をしていた。


ちなみに、朝食後、美穂からメールが届き、

『学校を休めば殺す』

と、書かれてあった。


こうして、波乱の朝は終了した。




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