☆事件解決★
『やっぱり中学校で、間違いない。市立北中学校って、書いてあるぞ。』
鏡太が言うと。
『え、今、なんて言った?』
大悟の頭の中で、イヤな予感がした。
『だから、市立北中学校。1回で聞き取れよ。』
鏡太があきれながら言うと。
『北中って、隣町の学校なんだけど……なんで、そんなところにいるの?』
大悟が聞くと。
『家に帰ろうと歩いて………悪いけど、タクシー呼んでくれる?それに乗って帰るから。』
『分かったよ。そのまま動かないでね。目的地も伝えておくから。』
『サンキュー。』
二人は電話を切った。大悟はタクシー会社に電話をして、家路に着いた。
『ただいま……。』
大悟が疲れはてて家に帰ってきた。
『大ちゃん、どこに行ってたの?』
優子が聞く。
『学校まで。』
大悟はそのまま自分の部屋へと向かった。
自分の部屋に着いたときに、家の前に車が止まる音がした。
窓から覗くと、タクシーから、鏡太が降りていた。
『ただいま。』
鏡太も、元気なく帰ってきた。
『お帰りなさい。遅かったのね。』
優子が聞く。
『道に迷って……。』
鏡太が苦笑いしながら言う。
『もうすぐご飯できるから大ちゃん呼んできてくれる。』
鏡太が迷子になっていたことを気にすることなく、夕ご飯を作る優子。
『分かった。大悟、2階?』
鏡太の言葉に優子は頷いた。
鏡太は大悟のところへ向かった。
『ダ・イ・ゴ。さっきはありがとな。』
鏡太が話かける。
『イイよ。気にしなくて。それより、誘拐犯はどうしたの?』
大悟が聞く。
『誘拐犯?』
何のことか分からない鏡太。
『そーだよ。ノラが鏡太が男に連れ去られる現場を見ていて……。』
大悟が言うと、鏡太は笑いはじめて、今日の出来事を説明した。
鏡太の一日の出来事を聞いて、あきれる大悟。
『心配してくれてありがと。イチゴもノラも世話になったみたいだからお礼をしないとね。』
鏡太の言葉にイチゴは嬉しそうに。
『鯛な。』
イチゴのこの言葉に大悟は。
『ダメ。昨日もあんなに買ってもらったんだから。それより、鏡太が無事でよかった。』
安心する大悟。
その時、1階から、優子が二人を呼んだ。
『あ、忘れてた。もうすぐご飯できるって言われてたんだ。』
大悟と鏡太は1階へと降りて行った。
こうして、誘拐事件は幕を閉じた。