☆地獄の日々・二日目の夜(前編)★
ピンポーン!!
インターホンがなる。
『……………。』
誰もいないかのような沈黙が続く。
ピンポーン!!
さらに鳴る。
『………ん!』
目を覚ます鏡太。
ピンポーン!
ピンポーン!!
『ダイゴ~。』
叫ぶ鏡太。
『…………………。』
誰もいないようだ。
『ったく、しょーがないなぁ~』
鏡太が玄関に向かう。
その後ろをノラがついて行く。
『すみません。』
ドアの向こうからの声に。
『はい。どちらさまですか?』
眠そうに言う鏡太。
『あ!!すみません。魚屋ですけどお金をいただきに来ました。』
どうやら魚屋さんのようだ。
『あ!!はい。』
玄関のドアを開けようとする鏡太。
『いくらですか??』
と、言いながらドアを開ける。
『イチゴのヤツ、うまく盗んだみたいだなぁ。後で大悟に高額にして、請求してみよう。』
大悟をからかう気満々の鏡太。
『え~とっ』
と、言いながら鏡太の顔にスプレーを向ける魚屋。
『あなたです。』
そしてスプレーから霧が発射される。
『うわぁ………』
そのまま倒れる鏡太。
ケータイ電話を取り出す魚屋。
『確保しました。』
電話を片づけ、鏡太をお姫様抱っこして、表に停めてある車に乗せる。
車は、ドラマなどで、犯罪の時にいかにも使われているようなヤツだ。
『出してくれ。お嬢様には連絡した。』
魚屋が黒いスーツに身をまとった男に言う。
『了解。』
車は走り出した。