☆密会★
サワサワサワ……。風が吹き渡る。その風でイチゴが和んでいた。
家の近くにある公園のベンチに座って。
『なにしてるの。』
鏡太がイチゴにたずねる。
『何かようか。』
鏡太の方を向いた。
『一緒に涼んでいいかな?』
ニコっとする鏡太。
『勝手にしな。』
イチゴの返答で、鏡太はイチゴの横に座った。
サワサワサワ……。一人と一匹は涼んだ。
ザワザワザワ……。辺りが騒がし。
『賑やかだね。』
鏡太は夜空を見上げて言う。
『お前、聞き取れているのか?』
鏡太が何かを聞き取れていることにビックリしたのか、驚きながら聞く。
『どうだろ。聞き取れてたらどうする?』
意味深な発言。
『さぁな。』
全て分かったかのようにイチゴはベンチから飛び降りた。
ザワザワ………。
『アレが来るょ。』
ザワザワ………。
『早く逃げないと。』
ザワザワ………。
『でも今回ゎそんなに強くないみたいだよ。』
辺りがより一層騒がしい。誰が言っているのか分からないが鏡太にははっきりと無数の声が聞こえていた。
『もうすぐ来るぞ。』
イチゴ。
『でも、今回は強くないんだろう。』
ニコっと鏡太。
『まぁ、慌てる必要はないな。』
背伸びをするイチゴ。
かなり意味深な話をしている一人と一匹がいる一方、大悟は。
『鏡太の寝る布団はここでイイかな。それにしても鏡太も引っ越してくるなら一言、言ってくれればイイのに。』
と、言った瞬間…………。