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いかれた世界に対する日記  作者: 四月一日
2/2

ままある日記

受業は学生のうちでは苦痛である

社会に出ればこの大切さもわかるだろうが、つかわない職であれば一生わからないだろう。しかし私にとっては社会にでようがでまいが面白い。不骸人が死なない故の憲法があり、それがどのように生まれ、どのような効果があるのか。前世の憲法と照らし合わせて考えると、これがまた面白い。

しかしこの世界の学生にはつまらないものであることは確かで、この受業を真面目に聞いているのはクラスでも少数だ。

「じゃあこの憲法ができた理由を、あー、今日は27日だから...柏木!」

指名された。まあ整理のためにもちょうどいいか

少女説明中...

この世界は肉体よりも精神を大事に考えるようで、法もそれにそったものができている

たとえば有罪判決を下されたもので新しいのがブラック企業の労働環境だ。

死んでもデメリットがないため、飲まず食わずで働かせ社員を10回以上も殺害した社長がいた。

あたりまえに有罪になったわけだが、下される刑がまたこの世界独自だと思える

刑は終身刑、しかし不骸人は死なない。一生牢屋の中だ

不骸人にとっては一番つらいものだ。楽しみもなければ悲しみもない、無間地獄のようなもので。

ちなみに死刑はない。まあ、あっても死なないから意味はないけど。

逆に人を殺したりなんていうのは捕まりはしない。なんなら法に触れることもない。せいぜい周囲から冷たい目で見られるだけ

モラルがなってない人間として見られる。学生のうちなら悪ふざけだ。


受業も順調に進み、いいかんじに眠気が襲ってくるであろう時間に、前列からクスクスと笑い声が聞こえる。

気になって前を覗こうにも、前の席の男のガタイが大きく、覗けない。ほかの列後方の奴も気になったのかちらちら見て、少し固まったあとに顔を歪め、距離をとりたそうにしている。

いったい何があるというのか。

体を大きくそらせ、ムリにでも覗こうとし、吹っ飛ばされた


一瞬意識を失っていたのか、後ろの壁に体をもたらせている。おぼつかない目で前を見れば、円形に机が散乱し、中心にはぐちゃぐちゃになった肉塊が並び、ぴくぴくうごめいている。

なるほど、つまりどういうことだ

耳がいかれているのか、何も聞こえないが、廊下から扉を開け大勢の教師があわてて入ってくる。ちらりとこちらを向き、近づく。

そこで意識はまた途切れてしまった


目が覚めて、気づけば保健室にいた。体の節々がきしむが、なんとか動けそうだ。

のちに聞いた話ではあるが、前列の馬鹿な生徒が、中途半端な知識で作った爆薬を持ってきていたそうだ。仲間内に見せたくて持ってきたらしいが、下手な作りで、不安定な反応で、他の生徒が触れた途端爆発したという。運が悪く、奇跡的に大きく反応し、鮮烈な爆発が起き、前列は死亡、先生の死亡、更には机やイスの大きく破損し教室一面が燃えて、あわや大火事寸前だったそう。他の教師に迅速で的確な判断により教室は黒こげになるだけで済んだという

作る方は論外だが、触る方もどうかしている。アトラクションじゃないんだぞ馬鹿が。

しかし彼らは受業妨害で厳重注意、反省文を書かされただけで済んだらしい

やはりこの世界はいかれている

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