表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ヲタッキーズ100 アキハバラD.A.

作者: ヘンリィ

ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!

異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!


秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。

ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。


ヲトナのジュブナイル第100話"アキハバラD.A."。さて、今回は秋葉原特別区市長選候補の殺人事件が発生w


捜査線上に対立候補や恨みを持つホテル王が浮かぶ中、同性婚に不倫まで絡む複雑な愛憎関係が浮上して…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 ラッピングガール


アキバ電気街のド真ん中。

タワーホテルのスイート。


そのスーパーヒロインの死体は、絨毯に巻かれている。

フロアに投げられても光の失せた瞳は文句を言わない。


その額には音波銃の銃痕w


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


同じ時刻の"潜り酒場(スピークイージー)"。


御屋敷のバックヤードをスチームパンク風に改装したら、ヤタラ居心地が良くなって常連が沈殿、実は少し困っているw


「パーコレーターで淹れて、さらに3時間煮詰めた最悪のコーヒーだ。こんなのよく出せるな」

「…確か、今日はテリィ様の新作SFの発売日でしたょね?」

「だから、何だょミユリさん」


げ。バレてたかw


「大事な日にワザワザ御帰宅、しかも、パーコレーターで煮詰めたスペシャルコーヒーの悪口ばかり。サイン会とか店頭イベ(ント)とかやらなくて、ホントに良かったのですか?」

「僕は、この御屋敷が好きナンだ」

「あ。怖いのね?逃げてる?隠れてルンだわ」


何処か楽しげなミユリさん。実にケシカランw


「あーあ。東秋葉原のガード下に出来た巨乳メイドカフェにでも逝こうかな。夕方までの割引クーポンがあるンだ」

「意外に気になさるタイプなんですね」

「しないょほとんど」


うそぶいた瞬間にミユリさんのスマホが鳴動。


「ヲタッキーズです…わかりました。直ぐ逝きます」

「事件?一緒に逝こう!」

「東秋葉原で"スーパーヒロイン殺し"です」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ムーンライトセレナーダーは、僕の推しミユリさんがスーパーヒロインに変身した姿だ。上はメイド服で、下はバニー。


作者の妄想満載のコスプレ←


「あ、ムーンライトセレナーダー…え。テリィたんまで?いつ秋葉原に戻ったの?」

「ラギィ警部。昨夜、神田リバーに降りたばかりだ」

「聞いたわょ。新作SF、ムーンライトセレナーダーがモデルなんだって?」


ラギィ警部は、万世橋警察署の敏腕警部だ。彼女とは、彼女が前の職場で"新橋鮫"と呼ばれてた頃からのお付き合い。


「物語には女神が必要だからね」

「テリィ様。今度、私を女神と呼んだら"雷キネシス"で真っ黒焦げです」

「…(何?痴話喧嘩w)通報者によれば、絨毯はリサイクルセンターから持ち帰ったモノだって」


リサイクルセンターには、割と高級な調度品が持ち込まれ、誰もが自由に持ち帰れる。意外に多くの人が利用している。


「で、お洒落なチェックの絨毯を持ち帰ってリビングで広げたら、中からスーパーヒロインの死体がゴロリ?」

「とゆーワケで、本件はウチとヲタッキーズの合同捜査になったわ。よろしくね。テリィたん的には、どストライクな事件でしょ?」

「…音波銃で鼻先から撃たれてる。顔見知りの犯行だな」


ヲタッキーズは、ムーンライトセレナーダー率いるスーパーヒロイン集団。万世橋(アキバポリス)との合同捜査には豊富な経験がアル。


「何かI.D.は?」

「ナイわ。ポケットはカラだった。強盗かしら」

「絶対に違うな(わ)」


僕とムーンライトセレナーダーが異口同音。


「絨毯から"サイキック抑制蒸気"の反応が出てる。被害者は、絨毯に巻かれ、パワーを失ったトコロを音波銃で撃たれた。その後、絨毯は近くのリサイクルセンター…えっと、何処のセンターだったかしら」

「東秋葉原の3番街です、警部」

「OK。絨毯は、鑑識に回して分析を頼んで。それから発見場所の捜索をしましょう。先ず身元調べからょ」


制服警官が一斉に動き出す…のを止める僕←


「必要ない。このスーパーヒロイン、知ってるょ」


第2章 アキバD.A.市長選


「テリィたん、被害者は誰?」

「アキバ特別区の議員ジェリ・フォピ。"走ルンです(小型巡回バス)"のハデなラッピング広告が話題になってる。議員を辞して特別区の市長選に立候補」

「やれやれ。御遺族がマスコミ報道で知る前に事件を伝えなくちゃ。ムーンライトセレナーダー、お願い出来る?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ムーンライトセレナーダーの変身を解いたミユリさんとジェリ宅のあるタワマンを訪問し"奥さん"から事情聴取スル。


「御主人から、最後の連絡があったのはいつですか?」

「昨夜11時頃に電話をしたら、資金集めのパーティーから帰る途中だと言われました」

「パーティがハネるにしては、随分と遅い時間ですね」


因みに、殺されたスーパーヒロインの"妻"も"夫"と同じテレパスだ。スーパーヒロイン同士の"同性婚"も珍しい。


「YES。"夫"は、ソレが特別区の市長を目指す者の務めだと頑なに信じていました。政治家としての信条でもあると」

「しかし、その後も御主人は戻らなかったのですね?」

「てっきり、いつものように、遅くなって事務所のソファで寝たのかと思ってました。選挙前は良くアルので」


"妻"は溜め息をつく。


「でも。電話があって…」

「誰から?」

「フラン・ネスピ。選挙事務所長からです」


議員とは長い付き合いの腹心らしい。因みにコチラも女性w


「昨夜の御主人の様子は?」

「と言うと?」

「何か、特に変わった様子はありませんでしたか?」


しばし思案をめぐらした"妻"は、突然、ワッと泣き出すw


「あんまりだわ!善良な人だった。ロクに休みも取らず、毎日秋葉原のために尽くしてきた。ソレなのに殺されるなんて。"娘"に何と言えば良いの?」


ふーん"娘"までいるのかw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ケッテンクラートは、前輪がタイヤ、後輪が2本のキャタピラになった半装軌式オートバイ。いつもミユリさんの運転。


「ミユリさん、大丈夫?」

「え。何か?」

「いや。御遺族にお悔やみナンて、大変な役目だったからさ」


後席から肩越しに話しかけた僕に、ミユリさんはうなずく。


「テリィ様が(いつもと違って珍しくw)茶化さないので助かりました」

「おいおい。僕はイケスカナイ奴だけど、嫌な奴じゃナイ」

「知らなかったわ」←


アクセルを踏み込み、昭和通りを南下するミユリさん。


「さて、ラギィ警部殿は次はどう出るかな?最後の目撃者に話を聞くか?時系列に整理を始めるか」

「…テリィ様。今回のSFの主人公、ホントに私がモデルなのですか?」

「うん。でも、少しフシダラなんだ」←


ミユリさんは、少しスピードを落とし、警戒気味の声w


「まさか頭軽い系とか…」

「冗談さ。何も心配いらない。聡明で、洞察力があって、謎めいた美女。ただ尻軽なだけ。実は、娼婦…おっと!」

「(何ょメッチャ頭悪そうw)急に信号が変わってwあら?スピアから電話です。テリィ様?今、御一緒ょ。ちょっち待って」


急停車で転げ落ちそうになった僕にスマホを突きつけるw


「何だょスピア」

「テリィたん…新刊が1冊も売れてないわ!」

「え。僕の新刊が?」


スピアは、ストリート育ちでスク水大好きな凄腕ハッカー。


「今、ヨドパシAkibaの無隣堂にいるけど、平積みになってるテリィたんの新刊SF、誰も買わないの!」

「え。ってかスピアは何のためにヨドパシの本屋に?」

「だって、心配じゃない。私は、一応テリィたんの"元カノ会"会長だょ?そしたら、テリィたんの本が山積みのママなワケ。等身大のテリィたんのポップが寂しそうにニカって笑ってる」


え。等身大のPOPがアルのか?地下アイドルじゃナイぞw


「あのさ。2時間前に発売だぜ?トイレットペーパーの特売じゃあるまいし、行列は出来ないさ(未だw)」

「パリー・ホッターの時は出来てたわ」

「ジャンルが違うょ」←


と答えながら、ヤハリ気になる僕w


「ねぇホントに誰も買わない?ってか1冊も売れてないの?」

「全く売れてない!…あ、あら?ちょっと待って!」

「え。」


恐らく誰かが本を手に取っているのだろう。そして…


「ダメだった。やっぱりゼロ」←


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


"萌えるゴミ"ステーションNo.3でゴミ漁り中のメイドはヲタッキーズの妖精担当エアリとロケットガールのマリレ。


「私だったら、リサイクルセンターの絨毯ナンか、死んでも拾わないわ。マリレはどう?」

「ホラ、私は陥落寸前のベルリンから着の身着のママ、タイムマシンで脱出して来た口でしょ?だから、リサイクルってアリだと思う。みんなやってるし」

「ええっ?だって、あの派手なシミはもしかして…とか思わないの?あぁ私は無理。やっぱりダメ」


忙しなく手は動かしながら、諭すように語るマリレ。


「誰かの不用品を誰かが拾う。芸術家、貧乏学生、元金融マン。そーやって回る経済もアルのょ」

「もしかして、マリレがメイド長をやってるノイズバーの真っ赤なソファーとかも…最低!2度とあのソファでゲームはしないから!」

「エアリ…」


わめくエアリの目の前に女物の財布を差し示す。


「I.D.が入ってる。ジェリ・フォピ…被害者のお財布だわ」

「何ょ!マリレ、もう見つけたの?少し早くナイ?」

「あ。ミユリ姉様?お財布、見つけました!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ジェリの選挙事務所は和泉橋北詰で昭和通りをケッテンクラートで全速南下中の僕達は間もなく到着。マリレから電話。


「…テリィ様、東秋葉原の"萌えるゴミ"から、被害者のカラの財布が見つかりました」

「近隣の証言は?」

「特に収穫ナシです。夜中にパトカーのサイレン。音波銃特有のカン高い銃声は、誰も聞いてナイようです」


事務所の前にケッテンクラートを停めて、事務所に入る。


「強盗ってホントに殺害現場に財布を捨てルンだなw」

「セオリーどおりに見せかけてるだけ。コレは隠蔽だわ。つまり、計画的犯行かと…こんにちは。ヲタッキーズですけど、所長のフランさんとお約束しています」

「ねぇ君…あれ?泣いてるの?」


器用な受付嬢はスマホで話し僕達に奥を指差し…泣いてるw


「選挙事務所長のフランです。実は、スタッフのためにカウンセラーを雇いました。全員にセラピーを受けさせる予定です。ソレほど、ジェリは全員にとって大きな存在でした」

「いわば同志…ですか?」

「YES。共に秋葉原を変える同志だった…しかし、ヲタッキーズって、ホントに普段はメイド服なのね?」


フランは、黒のパンツスーツ。


「候補とは、昨夜も御一緒でしたか?」

「はい。11時頃に私はタクシーで、彼女は歩いて帰りました。何か考えたいコトがアルとかで」

「パーティ会場は?」


ミユリさんの後ろから僕も職質に参加←


「東秋葉原83丁目のマルコーニです」

「少し遠いな」

「遺体は、駅近の高層ビルで発見されたんです。彼女に敵はいましたか?誰かに恨まれてたとか?対立候補は?」

「ボリン・ジャアは、殺人などしません。最近の世論調査でも、かなりリードしてましたから」


残念そうに首を振るフラン。選挙参謀の顔を垣間見せるw


「誰かから脅迫とか受けていませんでしたか?」

「ソレは政治家ですから…強いて言えば、グリソの嫌がらせ位でしょうか?」

「ハデな帽子のホテル女王?"アッパ"ホテルチェーンのオーナーだ。コロナのホテル療養で大儲けしてるけど、確かアキバでは苦戦してたょね。彼女のホテルでは、僕も武勇伝が…」


僕の話をピシャリと遮るミユリさん。


「フラン候補は、女王グリソの恨みを買っていた?」

「YES。彼女は、秋葉原での劣勢を挽回するべく、地面師を総動員して神田リバー沿いの倉庫群を買収、アッパホテルを中心としたエンターテイメント施設への改装を計画しましたが…その再開発許可をフランが差し止めたのです」

「おかげで、女王は億円単位の大損か。"ワラッタ・ワールドワイド・メディア"のビジネスニュースでやってたな」


僕の相槌コメント。ところが、フランは首を振ってみせる。


「でも、だからと言って犯人だとは言えません」

「無実とも逝えないけどね」

「とりあえず、女王様に謁見を申し出ましょう。噂の帽子もリアルで見てみたいし」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「私が女王です!」


帽子コレクション200コの平均単価は10万円w

今日は真っ赤な麦藁帽子の上に盆栽の松の木←


「ジェリ・フォピ大先生が死んだと聞いて、自分の強運にシャンパンで乾杯したの!"神田リバーサイドホテルプロジェクト"は再起動ょ!」

「ソレは…塩ですね。少し冷淡過ぎるのでは?グリソ社長」

「塩対応ドコロじゃナイわ。喜んでるの!だって、当然でしょ?コレで秋葉原が潤う。全くリバーサイドホテルの建設ごときで大騒ぎしてくれちゃって。秋葉原経済への波及効果を考えたらどーなの?むしろ援助すべきょ!」


一気にまくしたてる帽子、じゃなかった、社長。


「つまり、貴女には動機がアル」

「あら?何者?」

「ミユリさん。彼女を逮捕しよう。帽子ごと」


興奮スルと女社長の頭の上で松の木が揺れるw


「待って。証拠は何処?プロジェクトの邪魔者をいちいち殺してたら、今頃神田リバーは死体で堰き止めょ。そんな面倒は御免だわ。私は、相手は殺さない。潰すだけ」←

「社長、昨夜はどちらに?」

「SOHOの帽子屋さん」


とりあえず、最後まで悪い警官役を貫徹←


「証人は?」

「山ほどいるわ。秋用の帽子を1ダース買ったから」

「…お邪魔しました、グリソ社長。今日は、コレで失礼します」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


再びケッテンクラートの前席と後席の会話。


「ミユリさん、アッサリ引いたね。で、次は?」

「アリバイの確認、でしょうか」

「え。ソレは無駄だょ…あ、あれ?」


僕にメール着信w


「どなたから?テリィ様」

「ミユリさん、僕を嫌いになるなょ」

「…なりかけてます」←


ミユリさんの肩が小刻みに揺れて…笑ってるのかw


「実は…今朝、事件現場で写真を撮ったんだ」

「事件現場で写メ?そんな子供じみた悪戯しちゃダメでしょ」

「そして、写メを"ヲタ友"にメールした」


振り返って僕を睨むミユリさん…前!前を見て!


「"ヲタ友"って…ラギィは知ってるの?」

「うーん会社が雇ってるインテリアデザイナーなんだ。でも"寝た"から何と呼べば良いのか…"ヲタ友"と呼ぶには少し微妙過ぎる」

「テリィ様!」


ミユリさん、前!前!


「だょね。ヤッちゃうと話が複雑にナル。彼女の呼び方1つとっても複雑だ。ミユリさん、お互い気をつけようね」←

「はい。で、遺体の写メの話プリーズです」

「ソレが送ったのは遺体の写メじゃない。絨毯の写メさ。誰か出所を知らないかと思ってさ。で、彼女は知っていた」


ミユリさんの背中が出所を早く言えと急かすw


「さっきの社長室の絨毯を覚えてる?」

「え。まさか…でも、社長室の絨毯はヤタラ使い込んでありましたけど」

「アッパホテルは、ホテル毎に微妙に柄が違うンだって。そして、あの絨毯の柄は"アッパ秋葉原第2"のスイートのモノらしい」


昭和通りのド真ん中でケッテンクラートが急停車!


「Uターンだ!グリソ社長をしょっぴけ!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ようやく万世橋(アキバポリス)に捜査本部が立ち上がる。

取調室にグリソ社長を押し込み作戦会議←


「コレはマジックミラーで、向こうからコッチは見えないわ。しかし、ウチのコーヒーをホントに不味そうに飲むわね、あの帽子の女社長」

「パーコレーターに失礼だな」

「警部。容疑者の帽子店到着は正午(午前0時)過ぎでした。レジの時刻で確認」


僕は、ラギィ警部を振り向く。


「ソレで彼女、どーする?逮捕だょな?」

「まさか。今日は話を聞くだけょ」

「そっか…まぁ確かに彼女は無実だからな」


驚くラギィ。


「あら。なぜそう思うの?ミユリに早漏、じゃなかった、早計だと怒られたとか?」

「ソレもアル(早漏じゃナイぞw)。でも、余りに怪し過ぎルンだ」

「ずいぶんな理屈ね」


ラギィはミユリさんを見る。ミユリさんは肩をスボめる。


「彼女は囮だ」

「囮?」

「目を欺く者さ」


さすがにラギィが食い下がるw


「ソンなの、テリィたんのSF小説の中での話でしょ?現実では、怪し過ぎるからって釈放ナンかしないの。ソレに、確かテリィたんは、彼女を逮捕したがってたょね」

「ムカつくオバさんだからさ。しかし、捨てた絨毯を殺人、じゃなかった、殺スーパーヒロインに再利用されるとは哀れだな。ザマーミロ」

「…とにかく、ホテルの特注品だから有力な手がかりにナルわ。エアリ、マリレ。アキバの"アッパホテル"で絨毯が紛失していないか調べて。スイートルームを使った人物の素性もね」


エアリとマリレは、黙ってうなずき合うと現場へ出て逝く。


「いつもながら…ミユリさんは人を動かすのが上手いなw」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ラギィ警部による、ホテル女王からの事情聴取には、慌てて駆けつけた金髪の女弁護士が同伴スル。弁護士は帽子ナシw


「再開発の天敵の遺体が、御社の特製絨毯で巻かれていた。ソレって偶然なのかしら?」

「ラギィ警部。絨毯は全客室にアルのです。全てをオーナーが管理するのは不可能です」

「いいえ。全然ムリじゃ無い。地裁の裁判長もきっと同感でしょ」


弁護士が吠えるが、グレソ社長が制スル。


「私は忙しいの。アリバイがアルでしょ?」

「スーパーホストを両腕にぶら下げてクラブに登場したそうですね」

「帽子屋さんの後でね。あら?ホスト連れは、確か犯罪じゃ無かったわょね?」


ラギィは、涼しい顔で圧をかけるw


「ワザワザ他人の記憶に残るアリバイをありがとうございます。クラブ到着は午前1時でした。一方、殺害時刻は23時から0時の間。0時前、貴女はどちらに?」

「…寝てたわ」

「寝てただと?」


思わずマジックミラーのコチラ側で大声が出てしまい、取調室の面々は訝しげな顔だwラギィは困惑の表情を浮かべる。


「グリソ社長が夜遊びの充電で18時から0時に仮眠をとるのは有名な話です」

「その時間に寝ていたことを証明できる人は?」

「社長、答えなくて結構です」


またまた弁護士を制するグリソ社長。


「少し考えさせて…確かに証人はいないわ」

「証人は"いない"と」

「待って、警部。未だ話が終わってナイ。私には、動機がナイわ。ジェリ・フォピを殺す動機がナイの」


珍しく何ゴトか考えました風情でグリソ社長は語る。


「ナゼ動機がナイの?」

「ジェリは、消える運命だった。どうせ落選スルの。殺す必要ナンかナイわ」

「落選が確実だった?元首相の国葬に熱心過ぎたとか?」


女社長は、頭のチューリップごと首を横に振る。


「落選は間違いなかった。対立候補のボリンを調べて」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


対抗候補ボリン・ジャアの選挙事務所。活気がアルw


「ジェリ候補の訃報への声明は出来たの?」

「すみません、準備中」

「急がせて!ウェブ新聞が20分後に更新されるわ!…すみません。処理を誤ると命取りなので」


ボリン・ジャアは…巨乳だwボイン候補?


「ボインさん」

「その昭和なセクハラ親父の駄洒落が、この秋葉原で生き残ってるとは驚異だわ。ジャアで結構ょ」

「では、ジャア。グリソ社長は御存知?」


視線が谷間に落ちる僕を下げ事情聴取を始めるミユリさんw


「モチロン。有力な支援者の1人ですが何か?」

「貴女がジェリ候補に必ず勝つと逝う情報をお持ちだと伺ったモノですから」

「コチラへどうぞ」


ボリン候補は、僕達を事務所の奥の小さな応接に通す。


「実は、軍事探偵(スパイ)を雇って調べたのょ。あ、コレが合法な調査であるコトは弁護士に確認済みだから。ジェリの弱点を知りたかっただけ」

「で、何か見つかったの?」

「YES。でも、私がリードしている内は、公表する気はなかったわ」


ボリン候補は、テーブルの上に数枚の画像を示す。


「コ、コレがジェリ・フォピ?」


第3章 百合とBLの狭間で


百合かwいや、擬似BL?


「不本意ながら、彼女のカラダの柔軟性は認めざるを得ません。テリィ様、こんなポーズが出来ます?」

「うーん絶対的に無理。でも、ミユリさんも…しかし、カラダに負けズ、性癖の方も大混乱だな。同性婚の浮気相手が擬似BLとはw」

「メイド想いの御主人様に限って"浮気"スルのょね」


地下アイドル通りへと向かうケッテンクラートの前席と後席で今度は"危ない画像"が行き来スル。

コスプレしたアクロバティックな行為画像だが、ペニバン装着のセーラー冥王星が突きまくるのは…


セーラー海王星コスプレのジェリ候補だ←


「秋葉原には、皮肉な偽善者が多過ぎるね」

セーラー海王星(デリヘル嬢)も"妻"になりたかったのかしら?」

「女だってカラダ目当てのコスプレ買春してるって逝う好事例だな」


ミユリさんは、地下アイドル通りへハンドルを切り溜め息。


「この動画を撮った"軍事探偵(スパイ)"とやらに話を聞きましょう」


すると、ミユリさんのスマホが鳴動。


「はい。ミユリです」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


電話は、ヲタッキーズの妖精担当からだ。


「あ、ミユリ姉様?エアリです。今"アッパホテル秋葉原第2"ですけど…コッチは望み薄です」

「マリレです。客室係によれば、問題の絨毯ですが、いつも月末に半数が廃棄され、残りはリサイクルセンターに寄付スルみたい。連れ込み使用が多くて、部屋を汚す客が多いようです」

「…あ、お客様、ロビーはトイレではありません!」


最後は、ホテルのコンシェルジュで…恐らく立小便を注意w


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


スーパーヒロインが1人でやってる軍事探偵(スパイ)事務所だ。


「ホントに飲まないの?」

「結構ょ。勤務中」

「お堅いのね」


彼女はグラスを飲み干す。

ミユリさんは、溜め息だ。


「ブルゥ・リリア。貴女"リアルの裂け目"の向こう側では警官だったんでしょ?」

「その時、私の相棒は警官だった。二流のSF作家ナンかじゃなくてね」

「まぁ!ソコだけはうらやましいわ」←


スーパーヒロイン同士の聞くに堪えない会話←


「ちょっち待てょ誰が二流作家だって?」

「"冷えた空気を殺人音波が走る…"とても一流とは言えナイでしょ?文学になってナイ」

「ボリン陣営の仕事は何週間やったの?」


助け舟とも思えるミユリさんの遮断質問w


「2週間ほどだけど、楽しんだわ。"愛妻家"気取りの議員が残業だと"妻"に電話スル。そのわずか20分後にはデリヘル嬢と百合プレイだモノ。ソレもSMょ?」

「彼女、ホントにデリなの?プロ?」

「政治家おばさんに惚れる女王様ナンているハズないし」

「年食った分、バカテクなんだょ!」


力説スル僕をスーパーヒロイン達は無視←


「女王様の連絡先を教えて」

「知らないわ。"リアルの裂け目"のコチラ側では、売春婦は街角には立たないし」

「ウェブに立つからね。僕に任せろ」←


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


コレだ!"御主人様の秘めゴト"見つけたぞ!


「ビンゴ!スーパーヒロインのコールガール組織だってwすげぇコレぞ最高の"軽"犯罪だな!」

「テリィたん、ダークウェブの風俗HPに顔認証かけるナンて、どーゆー発想なの?」

「きっと高級娼婦とも経験がアルに違いナイわ」←


うっかりスラスラと答える僕wしまった誘導尋問w


「実は、ミユリさんの前の推しが高かった…待てょ今のだ!ストップ!彼女だ、ファニ?」

「見て!素晴らしい美人wこのコスプレのママ、デリバリーされて来るのかな?あぁお金さえあれば…」

「おい!2分でイッても最低料金は払わないといけないシステムらしいぞ!」


秒で約款を読み込んだ僕が鋭く指摘…SATO司令部は僕が開いたPCの周りにだけ"熱い"(男の)人だかりが出来てる。


「解散!みんなのお給料じゃ分単位でしか支払えないわょ。で、どんな感じ?テリィたん」

「ダークウェブの地下100階で衛星回線にスクランブルかけてる。怪しさMAXスーパーヒロイン限定の買春サイトを摘発、じゃなかった、発見」

「OK。あとはウチのサイバーチームにIPアドレスを調べさせるわ。thanks」


"熱い"人だかりを一声で雲散無消させた紫ウィッグ女子はSATOの沈着冷静なレイカ最高司令官だ。

SATOは、アキバに開いた"リアルの裂け目"から降臨スル脅威に対応スル首相官邸直属の防衛組織。


実はヲタッキーズはSATO傘下の民間軍事会社(PMC)だw


「そりゃ手間取るな。アクセス出来る頃には、スーパーヒロインがもう1ダース、絨毯に巻かれてる。何事も"最短距離を全速力"がモットーの僕(ウソですw)としては…あ、もしもし?」

「待って!テリィたん、何処に電話してるの?」

「…はい。"御主人様の秘めゴト"です」


この会話も衛星経由か?タイムラグがナイけどw


「僕の名前はへリィ。愛情深い御主人様だ。ファニとデートしたい。連絡を待ってる」

「ナンてコトを!ミユリは知ってるの?」

「コレから断るトコロだ。レイカ、途中で電話を代わってょ…あ、ココだょコッチ!」


ぎゃあぎゃあウルサいレイカ司令官の肩越しに、キャスターに大きな箱を載せて運ぶ宅配便ボーイを発見。声をかける。


「何なの?まさか箱の中からラッピングされたファニちゃんが出て来て、テリィたんのお誕生会が始まるとか?」

「あはは。レイカってホントに愉快だな」

「アンタ、国民的ヲタクのテリィたん?すげぇモノホンだ!ツーショットOK?動画は?」


動画にOKスルと宅配ボーイはヤタラ丁寧に箱を運び入れ、司令部横のギャレーで慎重に箱を下ろし、荷解きを始める。


「ちょっと。秋葉原の地下数1000mに秘密裡につくられたSATOの地下司令部に何で宅配便が届くワケ?」

「さぁ?ところで、我がヲタッキーズに、いつもお仕事を回してくれるSATOのみなさんに、いつも心から感謝している。その気持ちを伝えるためにコレを送るょ。ソフトクリームメーカーだ!どうかな?」

「あ、月面基地(ムーンベース)と電話会議の時間だわ。失礼」←


無粋に席を外すレイカw


「君!確か、設置工事も込みだったね?」

「任せてください」

「頼むょ」


宅配ボーイが胸を叩くと、再び"熱い"人だかりがw


「素晴らしい!」

「良いねぇ!」

「テリィたん、ありがとう!夏は過ぎたけど」←


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ルイナと相棒のスピアがソフトクリームをなめている。あ、ルイナは史上最年少で官邸のアドバイザーになった超天才。


彼女のラボは警備の都合でSATO司令部に併設してルンだ。


「どーゆーコト?帽子のグリソ社長が無実なら、なぜ被害者は彼女のホテルの絨毯に巻かれてるの…うーんソフトクリーム、むっちゃ美味しい。テリィたん、ありがとう。夏は過ぎたけど」←

「恐らく警察の目を欺くためだ。絨毯がなければタダの強盗事件だからな」

「逆に私達の目を引きたかったってコト?手がかりも与えてくれちゃうしペロペロ」


フト僕もソフトクリームを御試食してみたくなる。


「犯人は、プロの犯罪者じゃ無さそうだ」

「ところで、ミユリ姉様とは順調なの?新作SFのヒロイン、彼女がモデルなんでしょ?」

「うん。ミユリさんなら、もぅ徹底的にリサーチしてあるからね。履き慣れた靴は足にピッタリ…」


ココでスピアが素っ頓狂な声を上げるw


「聞いて!テリィたんの新刊が売れないワケがわかったわ。この書評ょ!"本作は、陳腐と平凡のオンパレード。目新しいコトがアルとすれば、ソレは著者であるテリィたんの才能の枯渇でアル"ヒド過ぎる…でも、胸に刺さる文句ね」←

「またまたダークウェブの地下100階からトンでもナイ書評を見つけてきたなw」

「心配しないで!天才ハッカーにしてテリィたんの"元カノ会"の会長である私がサイトをハッキングして潰すから。才能の枯渇って何ょ"地下鉄戦隊メトロん5"で毎週高視聴率キープした"executive story editor"をナメるな!」


まぁ"メトロん5"は、幼児向けだったからな…


「ソレに僕は"editor"より"writer"でいたいンだ…しかし、ソンな書評を良く見つけたなw」

「さすがの私も半日がかり」←

「スピアなりの愛情表現の1つなのね…で、私からのアドバイスは"謙虚であれ"」


僕は、大袈裟に驚いてフランス人風に肩をスボめてみせるw


「Que Sera Sera。ルイナ、僕は充分謙虚さ。スピア、後は任せた」


敬礼を返してスピアは、ジャージを脱ぎスク水に…本気だw


「テリィたん。SATO司令部の外線にコレクトコールだって。私のスマホで出て」


やっとソフトを食べ終えたルイナが車椅子を寄せスマホを出す。


「テリィたん?」

「誰かな?」

「ファニょ。電話をくれた?」


瞬間、僕の心は桃色に染まる。


「あぁ電話したとも。コールバックをもらえて感激だ。因みに、今どんなメイド服?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ラギィがデスクに戻るとメイド姿のミユリさん。


「あら珍しい。どーしたの?」

「スーパーヒロインは、死体より生きてる方が珍しい?」

「そもそも、人もヒロインも、夜は生身系とは余り会わないの。ココで何してるの?」


ミユリさんは、カチューシャを揺らし溜め息。


「いじめないで」

「なぜテリィたんと過ごさズ、私と飲みに行くワケ?」

「テリィ様は…時折無性に鬱陶しくて自己中心的に見える時がアル。おまけに…」


長い愚痴が始まる前に先手を打つラギィ。


「でも楽しい?だったら、もっと楽しめば?ミユリだって、大好きナンでしょ?」


ココでミユリさんのスマホが鳴って…あぁスミマセン、その電話は僕ナンだけど、うーん最悪のタイミングだw認める←


「ミユリです」

「ミユリさん!僕、誰とデートすると思う?」

ガチャリ(電話を叩き切る音w)


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


"マチガイダ・サンドウィッチズ"のVIP席でチリドッグをパクついてたら"白い水着"風コスプレのヒロインが登場w


「へリィね?私は"ファニ・ザ・サンダーボルト"」

「はじめまして。"ファニ・ザ・サンダーボルト"。君に会えて、ホントにウレしいょ」

「あら。(ヲタクなのに)紳士なのね?」


立ち上がってイスを引く僕に彼女は感激(するフリw)。


「自分で逝うのもナンだけど…僕みたいなヲタクは絶滅寸前ナンだ」

「じゃあ今日は思いっ切り保護してあげなきゃね」

「僕の方こそ。ところで、コチラは…」


物陰からスッと現れたのは、変身済みのミユリさんw


「ヲタッキーズのムーンライトセレナーダーです。ジェリ議員のコトで質問が…おっと逃げても無駄ょサンダーボルト。私の方が"電圧"高いから」


僕を睨み付ける"ファニ・ザ・サンダーボルト"。

せっかくのスーパーヒロインデートが台無しだw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「確かに太客だったけど、私は殺してナイ」

「SMデートの頻度は?」

「週1〜2回ね。最初はギャラ(めし)希望だった」


ホットドッグ屋でスーパーヒロイン同士がガールズトーク。


「ダメダメ。ギャラ飯だけで済む額じゃナイでしょ?貴女はスーパーヒロインの娼婦…ん?娼婦のスーパーヒロイン?どっち?」

「ムーンライトセレナーダー。大半のヲタクは、話し相手がいなくて寂しいの。寂しさからコスプレ風俗に走るのょ。そして、スーパーヒロイン風俗は、コスプレ風俗の最高峰なの!…SMは、絆を感じるための手段に過ぎない」

「威張らないでwじゃ最後に議員と絆を感じたのはいつかしら?」


レトロに手帳を取り出して確認するサンダーボルトw


「3週間前。スゴく取り乱していて、もう私とは会えないと言っていた」

「奥さんにバレたンだ」

「いいえ。強請られてると言ってたわ…盗撮されたとか」


盗撮?僕も話に割り込む。


「誰に?」

「議員も知らなかった。最初は、私を疑ってた。ヒドい狼狽え方で、私が友達に話したと決めつけてた」

「話したの?」


ゆっくり首を横に振るサンダーボルト。


「ムーンライトセレナーダー。私にだって"夢"がある。そのためにSMで稼いでるの。議員との関係が公になれば、困るのは私も同じ」

「議員は、取り乱してたのね?」

「犯人を探そうと必死だった。ってか、脅迫相手と取引したがってたわ。このママ口止め料を払い続ければ、いずれ選挙事務所にバレるって」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


再び中央通りを移動するケッテンクラートの後席と前席。


「政治に、スーパーヒロインに、売春に、脅迫か。ミユリさん、だんだん面白くなって来たね」

「テリィ様。もし議員が脅迫犯に遭ったら、どーなるでしょうか?捨て身の議員に脅迫犯が逆ギレ?」

「そして、中途半端な隠蔽を試みる、か。僕の、犯人は(殺人はw)アマチュア説とも合致スルね」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


再び対立候補ボリン・ジャアの選挙事務所。


「絶対にナイわ!例の画像は、施錠して厳重保管してる!」


ボリン候補自らが大力説だw


「でも、画像の存在を知っていれば、盗み出せますょね?誰かがデスクをこじ開けた可能性は十分に考えられます」

「ソンな…オフィスに出入り出来る運動員は大勢いるのょ?」

「では、全員の名簿をお願いします」


怒り立つボリン候補w


「まさか全員の取り調べを?投票まで2週間と言うのに全員を取り調べスルと言うの?コレは立派な選挙妨害だわ!」

「でも、貴女の当選は確実ナンでしょ?」

「え。"夫人"が出馬を決めたの!知らないの?」


ボリン候補がリモコンを操作スルと壁掛けTVの1つが反応。

"娘"とフラン所長を従えて"妻"のロリィが力強く語る。


"私達は、悲しみに負けてはならないのです!家族が見舞われた悲しみを理由に"夫"の秋葉原への情熱を無にするコトは許されません…"


「夫の死は"票"にナルの!同情票が集まり、私は直ぐに並ばれてしまう!」

「ソンなモン?何かスゴく疲れる話だけど」

「ソンなモンなの!あの浮気SMが公になれば、さらに同情が集まって、彼女の人気は加速スルわ!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


今度は昭和通りを下る、ケッテンクラートの後席と前席。


「ミユリさん、ホントに選挙事務所の300人全員に話を聞くつもり?」

「まさか。ソンなコトしません。確かジェリ候補は、口止め料を気にしてたンですょね?」


大丈夫だ。ミユリさんはわかってる。


「YES。選挙資金から捻出してた可能性がアル」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


がっくり肩を落とすフラン・ネスピ選挙事務所長。

手からハラリと落ちるジェリ候補のSM写真画像w


「まさか…強請られてたナンて」

「事務所の選挙資金から口止め料を捻出していた可能性があります」

「"家族"思いの善良な人だと思っていたのに…」


かなりショックを受けた様子だ。


「全く知らなかったわ…」

「選挙資金から払っていたとすれば、情報を遡れば脅迫犯が浮上スル可能性もあります」

「もちろん協力します。データを持ってきましょう」


途中で立ち止まり、僕達を振り返る。


「ムーンライトセレナーダー。彼女は、確かに過ちを犯しました。しかし、その画像が秋葉原に出回れば、彼女の政治家としての功績全てが水の泡になります。もちろん"家族"の精神的苦痛は計り知れない」

「この画像は、殺人事件の証拠です。公表はしません」

「そう願います」


今度は、僕達が呼び止める番だ。


「ただし、この手の画像は、いくら隠そうとしても、いずれパパラッチの手に渡ります。最悪ケースに対応したリスクマネジメントをお願いします」


うなずく選挙事務所長。唇を噛む。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


捜査本部のギャレー。実はSATO司令部にプレゼントしたソフトクリームメーカーが大好評だったのでコチラにも納入。


出来立てのソフトクリームを喜色満面でペロペロ舐めるヲタッキーズのメイド達に万世橋(アキバポリス)の刑事達。

捜査会議では報告されない有力な情報、そして、捜査上のヒラメキなどは、全てココに集約される。


「あれ?ムーンライトセレナーダー、ソフトクリームは嫌いなの?」

「いいえ。何だかイライラして…スピア、選挙資金の出入りは詳しく調べてくれた?」

「YES。帳簿をハッキングしたら、受取人不明のシンガポールのオフショア口座に合計ン千万円が送金されてた」


スピアは捜査会議メンバーではないのでココが唯一の接点。


「でも、地下バンクのメインをハッキングしたら、口座番号が特定出来た。口座名義はブルゥ・リリア」

「げ。あの軍事探偵が脅迫してたのか!」

「怪しいと思ってたのょ。彼女、前歴は?」


若い刑事が…ん?彼のはチョコとバニラのミックスだw


「過去に過剰捜査と脅迫で保護観察処分を受けてるコトがわかりました。シンガポールからは国外追放処分。ICPOのぺルソネノングラータ」←

「銃器課に問い合わせたら、奴は38.2㎐音波銃の許可証を所持。因みに、今回の凶器と同じ㎐です」

「犯人に決定だ!」


みんなでソフトクリームで乾杯w


「甘いぃ。癒されるぅ」

「生き返るわー」

「ねぇ。どーやったらチョコとミックスになるの?」


第4章 謎解きはソフトクリームの後で


捜査本部に出頭して来たブルゥの取り調べは、ムーンライトセレナーダーが担当スル。スーパーヒロイン同士だからねw


「ソレで?脅迫してたのは認めるの?」

「だって!せっかく写真を撮ったのょ?みんな、何で使わナイの?MOTTAINAI」

「違法だからでしょ?」


因みにムーンライトセレナーダーは、上はメイド服、下はバニーガール。ブルゥは、セパレートタイプの迷彩コスプレw


「あのね。セレブとは言え、ヲタクのクセして娘みたいな年齢の女とSMょ?いつ脅迫スルの?今でしょ」

「そして、口止め料をジェリ・フォピが値切って来た。ソレで彼女を襲ったワケね?」

「うーん違うわ」


いかにも惜しい、という顔のブルゥ。


「いいえ、違わナイ。貴女は、彼女を殺し、ついでに警察を欺くベタな芝居を打った」

「あのね、ムーンライトセレナーダー。確かにジェリ候補から連絡があった。全てを忘れるにはいくら必要か、と向こうから聞いて来たの」

「ソレで?」


ココでブルゥは、とても長い溜め息をつく。


「2億円と試しに言ってみた。スルと値切りナシでいきなりステーキ、じゃなかった、イキナリ電話は切れた。ソレで私達は、あの夜会うハズだったの。でも、彼女は現れズじまい」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


マジックミラー越しに取調室を見る隣の部屋。


「どうだい、ラギィ。御意見は?」

「バッカじゃナイの!脅迫したけど相手が現れなかった?幼稚園児でも、もっとマシな言いワケを考えるわ」

「逆にホントかもって思えるだろ?」


すると、ラギィは即決だ。ココが彼女の良いトコロ。


「脅迫罪で逮捕。調書を取る間に2億円の行方を追いましょう。あくまで彼女の証言が事実なら、だけど」

「ジェリ候補は、大金を用意したワケですが、その2億円は今、何処に?」

「お金の出所も気になるわ」


僕も頭をヒネる。


「政治家の習性として、以前にも支援してくれたコトのアル人物を頼ると思うな」


マジックミラーの向こうで、ブルゥ・リリアが"ねぇもう帰るけど?"と監視カメラに向かって、大声で恫喝しているw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


悲しみに沈む群衆を前に、アジテーターが語りかけるw


「ジェリ・フォピの身に起こった不幸は、私達、秋葉原のヲタクにとっての悲劇でした。残された遺族だけでなく、秋葉原全体にとっての不幸でした。しかし、彼女の"妻"はココにいます。そして、立ち上がったのです。卑劣な暴力にジェリの夢を潰させはしない。何者も、ジェリが描いた秋葉原の未来まで奪うコトは出来ない。それではみなさん。ロリィ・フォピ"夫人"をご紹介します!」


低い唸り声のようなドヨメキが起こり、波のように広がる。

胸に手を当てた"夫人"が踏台の上からメッセージを放つ。


「ありがとうございます。本来、今日は"夫"がココでお話しするハズでした。彼女の柔らかな声が響くハズだった。でも、彼女は凶弾に倒れた。元首相のように…」

「あ。ムーンライトセレナーダー、秋葉原D.A.(特別区)の市長選は国選ではナイので、頼りは個人の献金だけです」

「でも、フラン所長。中には気前の良い人もいるのでしょ?」


僕達は、支持者集会の輪の中から事務所長を引っ張り出す。


「でもね、ムーンライトセレナーダー。金額は法律で制限されているのょ」

「だから…その規制がなければ、大金を寄付しそうな支持者は?」

「えっと。貴方はムーンライトセレナーダーのオマケの…テリィたんだっけ?失礼ですが、私はジェリの支持者を裏切るような真似は出来ません。調べたいならHPで公開しているリストを御覧ください。ソレ以上の協力は、私としては出来かねます」


僕達に決然と述べるフラン所長の背後でドッと喚声が湧く。


「私は"夫"の遺志を継ぐ。では、質問をどうぞ。はい、貴女。ソコの蒼いガウチョパンツの…」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その夜遅く、スピアを訪ねてルイナのラボ。


「呼んだ?」

「うん。テリィたんにジィナから伝言」

「おぉ!ジィナ!ジィナ…ジィナだょなw何だって?」


ジィナ?誰?元カノ?そもそもスピアは僕の元カノ会長を名乗るクセして彼女自身がカノジョだったコトすらナイのだw


「明日の朗読会とサイン会、よろしくって。念のために言っておくけど、ジィナは今回の新作SFの担当編集者だから!」

「そうだ!ジィナだ!ジィナだょ。色々細かいンだょな。彼女は、いつも」←

「だから、細かく罰則もキメてる。もし来なかったら、目玉を蜂蜜漬けにして人喰い蟻に食べさせるって!」


人喰い蟻ってどーゆーセンスだょ?ホントに編集者なのか?


「あのさー。どっちがマシかな?目玉に蟻と、パラパラの客の前での朗読。オマケに書評は"ひどい散文で単調な文章はワンパターン"。散文がワンパターンって違和感アルょな?」

「ねぇ"月刊オトナのヲタク"の書評にも目を通すべきだわ。もっとキツイから」

「イジめるなょ。あの自称リベラリスト達は何だって?」


スピアは、咳払いして"朗読"を始める…なかなか上手だw


「"国民的ヲタク、テリィたんの最新作は、上質のSFミステリーに仕上がった。パルプフィクションの頃の良き大衆文学の美点が全て詰まっている。読者は、テリィたんの不完全な世界観に憧れ、主人公に自分を重ねるコトだろう"」

「…最近あのウェブマガジンが不評なのも納得だな。何だょ不完全な世界観って」

「もぉうるさいなー、面倒臭いヲタクね。私の自慢の"元カレ"ナンだから」


僕の首っタマに飛びついて来るスピア。


「事件の方は?解決したの?」

「未だだw…そうだ!もし、スピアが大金が必要になったらどーする?例えば…2億円、必要だとしたら」

「もちろん"元カレ"に頼むわ。その時は、よろしくね!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


今宵も捜査本部は眠らない。真夜中を過ぎた明け方近く、ラギィ警部は、慣れない手つきでソフトクリームを作ってる。


「ラギィ!見せたいモノがある!この家族写真だ!ココに全てが詰まってる!」

「ぎゃ!脅かさないで!せっかくメガ盛りが…ってか何が詰まってるの?大衆文学の美点?」

「あの書評を信じるな!…ってかジェリ議員の初当選の時の家族写真だょ!どーせ仮面家族ナンだろうけど、今よりン才若い"奥様"の満面の笑み」


初々しさが残る"夫"の横で、ヤタラ自信タップリな"妻"とドチラの連れ子だかワカラナイ"娘"の集合写真を示すw


「ジェリ議員の"妻"は裕福な家の出身で、選挙資金は彼女が"家族信託"から出している」

「うーん"妻"に浮気SMのコトは話してナイと踏んでたンだけど…」

「逆だょ!もし、彼女が浮気SMを知ってたら?2億円の口止め料も、実は彼女が出しているとしたら?」


警部の崩れたメガ盛りを片づけに来た若い刑事が割り込む。


「あのぉ"妻"ですけど、先週2億円相当の株を売りに出しています。てっきり、記録的な円安に伴う損切りだと思ってましたが…その売却益を"妻"は事件直前、全額口座から引き出してますけど」

「"妻"は"夫"が脅迫されてるのを知ってたのか?」

「しかも、その"夫"が殺されて、2億円が消えたと言うのに、平然と立候補だと?」


ココでラギィ警部の鋭い一言w


「その崩れたメガ盛り、カップに移してから食べなさい!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「当然、話さないわ。同性婚のハズが擬似BLに走ってたナンて。しかも、SMょ?」

「"夫"の殺害に関係する可能性があるのに…」

「私にとっては"夫"。でも、娘にとっては"父親"なの。ゴシップになれば"娘"が傷つく」


万世橋(アキバポリス)の捜査本部。取調室で対峙する"妻"とラギィ。


「いつ浮気SMを知ったの?」

「私の財産の管理担当者が"夫"が勝手にサインした株の売却を確認して来た。"夫"を追求したトコロ、税金の関係で大金が必要だと"夫"は言い張るの。女のお前には、難しい話だとも…でも、私にはわかった。私の夢や理想の夫婦像より"夫"は自分の中の"萌え"を大切にした…つまり、若い女とのSMに手を出してたのょ!」

「その時ね?貴女が即決したのは」


犯人の心に寄り添うラギィ。"落とし"のテクニックだw


「YES。私は恥をかく位なら脅迫に屈する方がマシだと思った。だから"夫"に脅迫に応じるように言ったの。お金は私が用意スルからと」

「あの夜何が起きたの?」

「わからない。ソレがワカラナイのょ」


激しく首を振る"妻"。


「わかったわ。で、最後の電話で"御主人"は、何と言ったのかしら?」

「2億円の準備が出来たので、脅迫犯に会いに行くと言って出掛けたわ。ソレが"彼"の最後の言葉」

「ねぇココが大事なトコロだけど、出掛ける時に"御主人"は、2億円を持ってたのね?」


淡々と語る"妻"は、初めて怪訝な顔をスル。


「私は、確かに2億円を"夫"に渡したわ…何?なぜ私を疑うの?」

「今朝、御自宅で2億円が見つかったから」

「…わ、私の家で?」


僕は、マジックミラー越しに隣室で取調べを見ていた僕は、取調室に入る。手にした捜査令状のコピーを"妻"に示す。


「今朝、捜査令状が出たの。留守番の家政婦さんは大変協力的で、2億円は簡単に見つかったわ」

「殺される前に"御主人"が持ち出した2億円が、なぜ自宅から見つかるのかな?」

「貴女は、裏切られただけでなく、恥もかかされ、いっそ"御主人"には死んでもらおうと考えたのね?何もかも全部消し去ろうと決断した。そうナンでしょ?」


永遠にも思える沈黙。実際にはホンの数秒なのだろうが…やがて"真実の時間"がフイに訪れる。"妻"は笑っている。


「メディアで良く見るの。夫のスキャンダルの記者会見で、隣に立ち、世間の視線を一身に浴びて立ち尽くす妻達を。私には無理ょ。どんな神経なの?屈辱で潰されそうになりながら立ち尽くす。ダメょ。絶対に我慢出来ない。そんな姿をヲタクにさらすのは」

「だから、殺したのね?」

「違う。私は、殺してない。家にいたわ。娘が一緒にいたの。娘が証人ょ」


ラギィ警部が王手をかける。


「直接的に手を下さなくても、共同謀議は殺人と同罪になるわ。貴女に、その覚悟はアル?」


夫人は助けを求め僕を見る。

僕は、静かに首を横に振る。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


首都高上野線の高架下を捜索スル警官隊。地面に絨毯の角の形をした血痕の跡。コンクリート柱に残る音波銃の旋条痕。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「電話をスルのが私の役目でした。脅迫犯が2億円の受け渡し場所を変えて来たと"彼"に伝えたのです。誰にも見られないような、首都高の高架下でした。準備は、全て"彼女"がしてくれました。私は、電話をスルだけで良かった。心配はナイと言われました。別人の犯行に見せかけられると。絶対に誰にも気づかれないって」

「奥さん。"彼女"とは誰ですか?」

「こんなハズじゃなかった。同志だったの。一緒に"アキバD.A.(特別区)"を変えたかった。ただソレだけ…」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「フラン・ネスピ!殺人容疑で逮捕します!ジェリ・フォピ秋葉原D.A.(特別区)市長選候補の殺害容疑ょ!」

「な、何を馬鹿なコトを!」

「"夫人"が全て自白したわ。手錠を…待て!追って頂戴!」


警官隊を従え、選挙事務所に乗り込んだラギィ警部を見てフランは脱兎の如く逃げ出す!運動員をかき分け裏口へ走る!


「貴方には黙秘する権利がアル…」


全力ダッシュで追いかけつつ、律儀に権利を告げる警官隊、必死の形相のフランが裏口のドアノブに手をかけ開けると…


僕とミユリさん…じゃなくて、ムーンライトセレナーダーw


「STOP!貴女の選挙運動はココで終わり。結果は落選ょ」

「ミユリさん、上手いコトを逝うなぁ。今度、僕の小説で使っても?」

「さっきの続きだっ!貴女の発言は、裁判において不利な証拠となり得る…」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


SATO司令部でミユリさんがレイカ司令官に報告スル。


「フラン・ネスピの事務所で凶器の音波銃が見つかり、全て自白したの。ジェリ・フォピ特別区議を首都高上野線の高架下に呼び出し、犯行に及んだらしいわ」

「フランにとっては、政治が人生の全てだった。ジェリのスキャンダルが明るみに出れば、一生浮き上がるコトが出来ないと思ったみたいだ」

「まさにスキャンダルは死活問題ね。ヲタクも一般人(パンピー)も変わらないわね。"娘"はどーなるの?」


レイカの人間味を感じさせる質問だ。


「郊外に住む親戚に引き取られるって。アキバからは出て逝くコトになるわ。今は施設に」

「そう…結局、絨毯は何だったの?」

「捜査を撹乱するための細工だった。捨てられてるのを見て咄嗟に思いついたらしい」


レイカは、ニコリともせずに報告にうなずくけど、実は僕は彼女が深夜にソフトクリームをなめてたコトを知っているw


「月の裏側に"リアルの裂け目"が開いて第1級非常態勢なの。アキバ周りの事件を、ヲタッキーズが解決してくれて助かったわ。御苦労様でした。お見事ね」


そして、顔色1つ変えズに余計な一言←


「ミユリもね」


僕は絶句。たちまち撫然とした表情になるミユリさんw


「冗談ょ。からかっただけょ」


ココで紫ウィッグのレイカはウィンク。ソコへスマホw


「ミユリ姉様!テリィたんは一緒?代わって!大至急!」

「何だょスピア」

「だから、人喰い蟻に目玉!今、何処にいるの?!」


あ。サイン会だ!スピア、時間を稼げ!


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「…光を失った"大豆ベーダー"の目に、彼女は言葉を失う。差し出された"ベーダー"の手を胸に抱き、最後にもう1度握りしめる。彼女は、自分の心臓の鼓動を感じ、ソレと同時に"ベーダー"の死を悟った。夜の闇が秋葉原に影を落とし、彼女もまた闇に包まれる。"ちょうどいいわ"風が彼女の髪を束ね上げる。コレなら…」


ヨドパシAkibaが開店した頃はワンフロア丸々本屋だった無隣堂は、今や100均より小さくなって絶滅危惧種化してる。


まるで地下鉄売店前で朗読してるみたいだwソコへ…


同じ絶滅危惧種の暗算が得意な売店員みたいなおばさん達(僕のファン?)をかき分けムーンライトセレナーダー登場w


「感激した!でもココで"大豆ベーダー"が死ぬナンて!」

「"スター坊主"シリーズはどーなるの?"新たなる脂肪"の続編は氷の惑星が舞台ってホント?」

「…テリィ様、盛況みたいですね。私がコスプレで来るまでもなかったカナ」


そんなコトはナイ。ムーンライトセレナーダー出没情報は拡散、上り下りのエスカレーターから続々人が集まって来る。


「テリィ様の朗読、素敵でした。少し感動しました」

「うーん何か僕のコト、バカにしてるょね?」

「"ちょうどいいわ。風が彼女の髪を束ね上げた…"風が髪を束ね上げるって何?ソンな便利な風、何処に吹いてるの?」


やっぱりカラカイに来てたのかw


「あのさ。"キレイめスーパーヒロインとキレ者SF作家"路線にケチをつけるのか?今話は、記念すべき通算200作目ナンだぜ?」

「どーですか?イラつくでしょ?」

「ヤッホー、お2人さん!」


ココで僕の首っタマにスピアが抱きついて来て話は余計に…


「どうしちゃったの、素敵じゃない?"所詮ブックバード"で、今週の売上1位だって!ホラ、みんなが買ってくれてる。酷評されて落ち込んでたのがバカみたいだったわ」

「いや、バカそのものだ」

「この調子で"ミュウシリーズ"も売れて欲しい!」


ムーンライトセレナーダー、と逝うか、つまりミユリさんソノモノなんだが、露骨に怪訝な顔をして僕を見る。あわわw


「ミュウ…さん?」

「そーよ!テリィたんの新しい主人公!」

「…テリィ様。少しお話しが」


屠殺場に向かうドナドナ牛の僕に、ついて来ようとしたスピアをヲタッキーズのエアリとマリレが左右から引き留めるw


「何スルの?」

「ダメょ」

「だって、面白そう」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


首都高を見上げる雑居ビルの狭い踊り場。


「ミュウって…彼シャツのセクシー空手メイドですね?」

「いや、違う。鹿児島の執事さんだ。因みに不統一教会とも無関係」←

「絶対に名前を変えてください」


この踊り場では、前シリーズの時から色々あったね。


「嫌だ。僕にも"story teller"としての矜持がアル」

「何が矜持ょ。最近まで意味も知らなかったクセに。ソレに貴方は"writer"。今すぐ名前を変えて」

「ホンキかょ?」


カチューシャの下のヲコ顔。コレが萌えルンだ。


「今宵中に名前を変えて」



おしまい

今回は、海外ドラマによく登場する"市長選"をテーマに、同性婚の特別区市長選候補、その"妻"、腹心の選対事務所長、対立候補、対立候補が雇った軍事探偵、ホテル王、スーパーヒロインのコールガール組織の売れっ子、犯人を追う超天才や相棒のハッカー、防衛組織の司令官、ヲタッキーズ、敏腕警部などが登場しました。


さらに、主人公の新作SFの発売日の風景や作者などもサイドストーリー的に描いてみました。


海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、港区ではオミクロン対応ワクチンの接種が始まった秋葉原に当てはめて展開してみました。


なお、前シリーズは100話で完結しましたが、今シリーズは引き続き連作したいと思います。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ