第一異世界人発見
ワクワクするので割とプロローグ読むの好きなのですが、自分が書くと思ったよりキツイ。
「やっと抜けた!あーもう、とーぶん森には入りたくね〜。」
「うっわ!汗でベタベタだし、足いて〜、風呂入りて〜って、風呂あるのか?」
言葉が止められなかった、森では緊張の所為か一言も喋ってない、喋る相手も居ないのだから当たり前といえば当たり前なのだが、普段普通に出来る事が出来ないのは、これ程疲れる事なのかと感じずにはいられなかった。
ボウボウに生えた草を踏んで倒し、そこに寝転んで独り言を漏らす、不思議と心が落ち着いていく。
道は目の前にある、焦る事は無い。
これからの計画を立てよう、あまりこれまで上手く行った試しは無いけど、無計画に動いていい結果を出すのは、RPGの勇者とそのパーティーと映画の主人公だけだ。
あれは、計画を立ててる所を描写するとプレイヤーが面白くないから殆んど行き当たりばったりに行動するんだ、そう言っていた俊介の言葉を苦笑しつつ思い出す、計画を立てるシーンのあるやつは必ずアクシデントに見舞われる、現実的じゃない、だったか?
上手く行った試しはあまり無いけど、計画を立ておけば迷う事が減るからな、大した計画は立てられねーが、必要な小さな目標をいくつか立ててみるか?それで行こう。
・人を発見する、そして話を聞く事。
・生きて行く基盤?を作る事。(金稼ぎかな)
・有名モンスターとのバトルそして勝利。
こんな所か?情報収集は大事だってよく聞くし、やってみるか!金稼ぎか、やっぱファンタジーの王道!冒険者だろ!?他にはねーよなぁ!思いつかねぇし!
ああ、呼び方が違うかもしれないな、よし!頑張って聞き出そう、テンション上がって来た〜!
ドラゴンは・・・いずれな、オーク・・・、コボルト、いやでもやっぱ、ゴブリンからだよな!
この世界では亜人枠で、町に普通に住んでますなんてオチはねぇよな?そんな誰得設定はノーサンキューだ!エルフは居るよな、種族変更で変えれたし、エルフが居るならドワーフも居るよな、後は獣人系か?
しまった、もっとよく見とけばよかったぁ〜。
しばらく草の上でゴロゴロとのたうち回っていたけど、落ち着いて来た。
よし!この道を左右どちらかに行けば村か町があるはずだ!!
ってすぐ近くに人居るし!?ゴロゴロしてたの見られて無いよな、人の良さそうな鍬を持ったお爺さんだ、レッツ情報収集!
「すみません、ちょっとお聞きしたいのですが?」
「ん?なんば、もういいのけ?話し掛けてもぉ、おめえさなんぞ悶えとったからまっとたんよぉ。」
訛りだろうか聞き取りずらいが理解した、俺には情報収集なんて無理かもしれん。
「はっははははは、まー若いうちは色々あるかんなぁ、気にせんでええよぉ。」
「あ、はい・・・ちょっと色々ありまして。」
見られていた様だ、しかもフォローまで。
「おめえさんここらで見かけへん顔やけどぉ、どっか村から出てきたんかぁ?」
「ええ、そんな所です・・・分かりますか?」
「まあなぁ、ここらの若もんは、冒険者になってひと旗上げるだとかぁ、仕事を探すだとか言って多くの者がカリヤの街に出てくもんだぁ。」
「そうなんですか・・・え?」
聞き流しそうになった、今、この爺さん重要な事言ったよな!
「カリヤの街!にひと旗冒険者で!えーと!」
「落ち着ぃ〜なって、慌てんでもええよ?」
恥ずかしい、勢い込み過ぎた、爺さんはさっきよりも更に人の良さそうな顔で笑っている、俺もつられて少し笑ってしまった。
「ごめ・・・失礼しました、やっと街に行けると思ったら、舞い上がってしまって。」
「うん、気にせんでええし、普通に話しさしたらええよ。」
う、思ったら以上に気を使ってくれるな色々聞いてみるか。
「カリヤの街に行けば冒険者に成れるんですか?」
「そぉりゃおめえ、カリヤの街言うたらここらで一番大きいし、冒険者ギルドも村にはねぇかんなぁ。」
「誰でも成れるんですか?年齢に制限とかは?」
「金さ払えば誰でも登録出来るって聞いとるよ、まあ、あんま若いとはねられるらしいがぁ、おめえさんなら大丈夫だぁ。」
金がかかるのか、この世界に来た時にポケットに入っていたコインで足りるか?神が入れたんだろうし、そのくらいは入ってるか、俺くらいなら大丈夫って事は本当に幼い子供以外はいけそうだな。
左右どっちでもいいか、とりあえず左を指差し聞いてみる。
「カリヤの街はこっちですか?」
「ああ、そうだぁ。」
「ありがとうございます、それじゃあ行ってみます。」
「今から行くのけぇ、今日の内に着けへんぞ?」
足が止まってしまった、森でもあれほど緊張したのだ、夜道など以ての外だ、どうしよう。
「朝早くぅ出れば、1日で街まで着ける、今日はおらぁんち泊まってけ、村にはぁ宿もあるが、こんな所で大事な金ぇさ使うことはねぇかんなぁ。」
俺はこの時ほど真摯に頭を下げた事は無かった、声の震えがばれない様に大きめの声でお礼を言った。
方言や訛りはよく分かりません、内容が分かる範囲で聴いた事のあるものを混ぜてみました、違和感があるかもしれませんが、なにとぞご容赦下さい。




