閑話、神々は見た!
「『影』佐藤カズ○って誰さ、プッチン君がちょくちょくお祈りしてるけどそんな神は神界にはいないよ?そっちの世界に居る神なの?」
「そんな神はいません、断じていません!」
「『影』ちょっとこっち向いて話そうか?プッチン君未だにおパンツスティールなるスキルを得ようと試行錯誤してるんだよ、そんなスキルある訳無いのにね〜。」
このままではプッチン君があまりに不憫だ、神界に届く程強い意識で、真摯に祈りを捧げてるというのに、叶う筈も無い、受け取る佐藤カズ○も居ない祈りを。
「ぎゃはははははははっ!おいおいおい!!おい、『遊戯』これ見ろって、こいつらめっちゃくちゃだぜ!?」
『闘』がヒイヒイ言いながら僕を呼んでる、僕が始めたプロジェクトだ仕方ない乗ってやるか、皆が楽しんでくれてる様で何よりだ、見ても前後関係が分かんないと理解出来ない。
「悪いけど、ここだけ見ても何が楽しいのか分からないよ〜『惚』巻き戻して見せてくれる?あと『闘』の説明じゃどうせ分かんないから、『技』解説してくれると助かるな〜。」
「分かった、私はリアルタイムの方見てるから『技』解説してやって。」
「承知、この場合『遊戯』の言っていたキルカウンタートップツーの2人を同時に見るといい。」
そう言って『技』が2つ映像を並べて見せてくれた、何が変なのか僕には分からない、あえて言うならGハンターの彼がG以外のモンスターと戦っている事だろうか?プッチン君はいつもどうり変だ要するに平常運転だ。
「う〜ん、プッチン君の回復魔法が効き過ぎなとこ?これどうなってるのさ。」
「前にも説明したが例によって、スキルの並行利用だ支援魔法を自らにかけ能力を底上げする、そして怪我人には聖魔法の浄化、支援魔法による肉体の活性化、そして回復魔法この3種を混合させて作った魔法を行使しているのだ。本人の能力やスキルも向上している為、ここまでの効果が出るのだ。」
「待って!待ってよ!?え?支援魔法にそんな効果があったの?僕初耳だよ!?」
「前々から、効果に少し差異がある事は知っていたが、誤差の範囲を出なかったそれ故に確証が無かったのだ、だがこやつは日々村々を周りに銀貨1枚という安値で回復魔法を行使しながら、それらの人々を実験台に最適な割合を導き出したのだ!!」
「ちょっと!ちょっとちょっと!!出したのだ!!じゃないでしょう!?人体実験だよねそれ!?『影』!!?何気配消してるのさ!これが一番人畜無害って、君の世界はどうなってるんだよ!?」
「えー、その件に関しましては、鋭意捜査中でありコメントは差し控えさしていただきます。」
「君の世界とはもう繋がってないよ!?捜査のしようが無いよね?新たな情報なんて入って来ないから!!なんか知ってるなら吐け!!」
「・・・それが、私の持っている情報ですと・・・、プッチン氏は内向的で、奥手、ヘタレ、無職、天然といった情報しか出て来ないのです。なので、人畜無害だと判断するしかないのですが・・・。」
「ふむ、何か起こしそうなのは天然だけだな、『惚』に気に入られてる事からもそちらの才能は十分だな。」
「いやいや、そちらってどちらだよ!天然が才能だなんて聞いた事がないよ!?『悦』も何とか言ってやってよ!」
「嫌よ、私はこのトモエちゃんを見てほっこりしてるんだから、老夫婦の営む食事処で住み込みでお仕事、一生懸命働く姿にお客さんも、癒されてるわ♪どこかの暴走馬車みたいな誰かさんと違って落ち着くわ〜♪」
「また『悦』はずいぶん地味なのに行ったな!」
「『闘』私のトモエちゃんを地味とか言わないで!本人も気にしてるんだから!」
おめえのじゃねえだろ、とか言ってるけどまあいいや。さてさてお2人さんは、どうなっているのやら?普通に露店でお買い物してる?お部屋にこもってる?何処が面白いんだ?
「ねえねえ、『技』これ何処が面白いの?普通でしょ?そういえば、さっきの魔法の説明いやに詳細だったね、どうやったの?」
「ふむ、そうだな、ここは早巻きでいいな、会議のところまで飛ばそう。プッチン本人がペラペラと同業者の魔法使い娘に話していたのだ、比率まで惜し気もなくな。」
何とまあ、大丈夫かね?プッチン君は、秘匿すれば大儲けだろうにね〜。
「お〜、そこそこ形になってるんじゃない?このプレゼン。それともこの魔法がすごいの?確かに珍しいけどね〜、笑う程じゃなく無い?」
「『遊戯』プレゼンはギリギリ妥協点だ、人によっては落とされるレベルだろう。この魔法はあまり珍しくも無い、使い手はそれこそこれまでも星の数程居た。凄い所と言えばそうだな、その使い方と精度は前代未聞なレベルの技術だな。」
というとここじゃ無い?『技』は一体どこに注目したんだ?ましてや『闘』が笑い出す様なネタがどこかにあった?僕見逃した?お〜、この商人やるじゃないか、貴族に意見するなんて、セムって言ったかな?おお〜!やり込めた!やるね〜♪
「ねえねえ、『技』このセムって商人やるね〜、貴族に意見して、若者を身を呈して守った!えらいね〜。」
『闘』が爆笑している、何だろう?奴に笑われるのはそこはかとなくムカツク、しかも馬鹿にされてる?あの『闘』に馬鹿にされてる・・・、ダメだ分からない。
「『技』説明してくれる?」
「このセムという男の話だが嘘は言っていない、それは確かなのだが、真実も語っていない。上手い事人の意識を誘導して勘違いを誘っているのだ!!」
え?何このテンション、最近の『技』は説明する事に生き甲斐でも感じているんだろうか?
「『遊戯』プッチンは昼間何をしていた?」
「え?お買い物?露店の店番しながら楽器弾いたり?治療したり?」
「その通りだ!なのにこのセムという男はあたかも情報収集に明け暮れ、プレゼンの準備に資料に目を通し整理し説得力を得る為に思い悩んで、悩んで、悩み抜いたかの様に言っている!」
熱いな、熱い説明だけど・・・何か変じゃない?
「そう!この男は一切の嘘を口にせず!!まるでプッチンを労っているかの様に言って、この場に居る全ての人間をミスリードして見せたのだ!?」
「え、え?待ってよ!?じゃあ情報収集してないの!?プレゼンの準備は!?」
「いや、しているぞ?商人のセムは商売をしながらお客との世間話としてな、プッチンは移動中に精霊魔法によって情報を集めているな。プレゼンの準備は見える所ではしていないな、頭の中ではどうだか分からんが。だが、注目するべきはさらにその先にある!」
「それ普段と何にも変わんないないよ!!?下手すると数分とか、何も考えて無かったなんて事もあり得るんじゃないの!?」
「聞け!!この商人特別な労を一切かけずに!領主に恩を売って見せたのだ!!そして報酬のほの字も使わずにプッチンの報酬に上乗せが期待出来る!これこそ商人の話術!!上手くいけば良くも悪くも領主に名前を売り込める!これこそ技術!!!見事である!!」
「おう!それもプッチンの奴遊び疲れて寝てるだけなのにな!!良くもこれだけそれっぽく仕上げるもんだ!見ろよ!娘が必死に笑い堪えて、顔隠してんぞ!!ぎゃはははははははははは!!」
「見事じゃないよ!!?詐欺だろそれは!!どーすんだよこの部屋の空気!?うるさいよ『闘』笑ってんじゃないよ!!」
「『遊戯』うるさいのはお前。」
僕が、会議室の心配をしてるのに『惚』が酷い。
「『影』!この親娘プッチン君の影響受け過ぎてない!?」
「まあ〜、プッチンさんですから仕方ないですよ、プッチンさんですから。」
「「「プッチンだからな!」」」
「プッチン君は神界共通語じゃないよ!?」
「『遊戯』うるさい、今いい所、プッチン君が放火してる。」
「「「え?」」」
神の回は現地の人に気づいて欲しく無い所の補足です、やたら皆元気で私も困ってます。




