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プッチン君、再び2

サトシ君視点です。

 その日も朝から、俺たちは森の外を目指して歩いていた。

 いい加減ゴブリンにも慣れてくる、だから余裕を持って倒せるはずだった。

 それなのに・・・。


 何をされたのか分からなかった!?不覚ふかくにも俺はゴブリンに攻撃されて立ち上がれない!

 油汗あぶらあせが止まらない。二人には大丈夫だと言ったが信じてもらえなかった!察してくれたと言うべきか、察されてしまったと言うべきか、彼女が腰をトントン叩いてくれた。


「どうしてもって言うなら回復魔法をかけるけど、どうする?」


 彼女がこう言ってくれたが答えはもちろん『ノー』だ!

 回復魔法は直接患部に触れなければ行使出来ないからだ!そんな事を彼女にさせられない!!この時ジュンヤは声も上げずに笑い転げていた。

 お、覚えてろよジュンヤ!?



 ちなみに俺がゴブリンに食らったのはゴブリンパンチと言う【モンスターマジック】らしい、戦闘中に彼女は急に覚えたらしく戸惑とまどっていた、一応魔法だ。

 拳を中心に上下左右に直径1メートルくらいの範囲はんいで前方30センチにほぼ同時に8発叩き込む魔法らしい。彼女は射程が短いし威力も弱い使えない魔法だと言っていた。


 だが背の低いゴブリン共のパンチは、高さ的に俺の大事な所を直撃した。

 ちくしょう!!




 昨夜は、夜にまでモンスターが出て来て寝つけず、朝になっても眠くてつらい、それでも目をこすりながら歩いていると。無理をせずにお昼寝して行こうかという彼女の提案ていあんに、満場一致まんじょういっち可決かけつした。


「この世界のシステムを簡単に仮定をしてみたんだけど、寝ながらで良いから聞いてくれる。それと気づいた所があったら教えてね♪」


 眠いけど聞いておかねば。


「あの神はスキルは使えば上がる、ステータスは努力すれば上がる、そんな様な事を言っていたわよね?ならば、スキル上げは行使こうし回数又は行使こうし時間だろうと考えたのよ、これは私の魔法が強くなってる事からも、どちらかで間違いないと思うのよ。」


 この短期間にスキルLvを上げてきた!?

 そっか!全てLv1だから上がるのも早い!だから実感出来るのも早いのか!


「ステータスの方だけど、こっちは経験値制では無いみたい。もちろん地道な筋トレとか訓練でも成長するんでしょうけど、そうじゃないと子どもから老後までずっと一緒になっちゃうからね、そんな村人怖いわよね。そこで考えたの、四角社制ゲームソフトに戦闘後に能力がランダムに上がるゲームがあったんだけど、それに近いかもしれないと考えてる・・・わ。」


 何だ?今のとって付けた様な『わ』は?


「俺は記憶に無いですね、サトシはどうだ?」


「四角社のサ◯系のゲームが確かそんなシステムだったな。」

 俺が言うと彼女は嬉しいそうにうなずいた。


「そうそう!それそれ!」


「でも、あのゲームはキャクターによって能力の上がり易さ上がり難さがあったよ。」


「そうです!それもふくめてかのゲームに似ている気がします!間違ってるかもしれませんけどね〜♪」


 ジュンヤは何やら口の中でブツブツと言って、今の話しを咀嚼そしゃくしている様だ。

 真剣な表情で考え込んでいる。


「上がり易い項目こうもくって何ですか?」


初期設定しょきせっていで高い数値の項目こうもくは上がり易いと考えてます♪キャラクターメイキングで設定したステータスの事ですね、私でいえばMPが高いので、これは増えやすいですね。他はなかなか上がりません。」


 そっか彼女はMP多めなのか、覚えておこう。

 俺は魔力や精神を少しだけけずって前衛よりにしたな。恐くて極端きょくたんな事は出来なかったからな!


「そうすると・・・、弱いモンスターばっかり大量に倒したら、一番効率的に強くなれるかもしれませんね。」


「弱いモンスターを倒したって上がらないぞ?」


「そうなのか?」


「まあ、さっき言ったゲームの通りならね。でも最初はその方が効率が良いかもしれないわね!」


「え?あっ!そっか、電球でんきゅうが飛び出して技を覚えるシステムじゃないのか・・・。」


「何?そんなシステムのゲームだったのか?」


 まあ、経験値制のゲームでもそうじゃ無くても、弱いモンスターばっかり倒しても強くはなれないだろ。

 それに可能性の問題だ、ステータスに関しては彼女もあまり自信は無さそうだ。


「そういえば、ステータスは何からこの考えをみちびき出したのですか?」


 そういやそうだ、聞いてない。


「少し納得してもらえるか不安なのですけど、とりあえず聞いてみて下さい。普通なら年齢も近いので同じLvで私たちはスタートですよね?」


 俺たちはうなずいて応える。


「それなのに、私とサトシ君は強くなったと感じているのに対して、ジュンヤ君は感じていない様でした。1人だけ必要経験値が高いとか、初期のLvに差があると仮定するよりも、先程のシステムの方がしっくり来るからですね。あくまでも仮定にすぎません、参考さんこう程度にしておいて下さいね♪」


「俺1人だけ必要経験値が高かったらたまりませんね。」


「でも、ジュンヤ君頭良さそうだし、私よりもLvが高いスタートである可能性は捨て切れないわね♪サトシ君仲間ですね!頑張ろうね!」


「そんな仲間は嬉しくない。」


 何とか微妙な表情で返せたと思う。

 そんな事を話しながら軽く仮眠を取った、途中で1度ゴブリンどもが近くに来たけれど、返りちにしてやった。

 確かに強くなってるな俺たち。




 動き出して直ぐに狼に包囲ほういされた、とはいえもう狼の相手も慣れてきた。

 こいつらは基本()み付き攻撃だ、足を狙ってくるかそれとも首を狙って飛びかかってくるかのどっちかだ、数は8匹これまでで最大の群れだ、だけど落ち着いてやれば出来る事を俺たちはすでに知っている。


「巨木を背にすきを見せないで!先手を取られると面倒くさいから、私が『風』『土』の合わせ技で〝目潰し〟するから!それに合わせて攻撃して!終わったら直ぐに警戒してね!」


「「了解!」」


 俺たちは彼女の指示に従って迎撃げいげき布陣ふじんく、大きな木を背にするだけだけどな!

 不意打ちこそらってないけど、こいつらワン公は意外と厄介やっかいだ!

 群れで連携するのが最大の特徴とくちょうだけど、それだけじゃない!速いくて警戒心けいかいしんも強い!そして少しでもすきを見せると飛び掛ってくる!

 下手に逃げ出しても体力を消耗しょうもうするだけだ、彼女の受け売りだけどな!

 そして無闇に武器を振り回したり追っかけたりしても、ひらりひらりと距離を取られてけられる、彼女の制止せいしも聞かず、昨日既に経験した苦い記憶だ・・・。


 彼女が砂を巻き上げて〝目潰し〟を実行した!ワン公共はなす術も無くキャンキャン言いながら顔を背ける、それを逃さす攻撃を加える!

 目の前の狼の顔がくだけて動きが劇的に悪くなった!止めを刺したい誘惑ゆうわくをグッとこらえて警戒態勢けいかいたいせいに戻る、調子に乗って攻撃してると他の奴がすきをついて飛び掛ってくるからだ。

 これも昨日経験した・・・、めっちゃ驚いたしヒヤッとした。

 その時、怪我をしなかったのは単に運が良かったからだ。


 チラッと左右を見ると、ジュンヤも槍を叩き付けて当てた様だ、ジュンヤの前に居る狼の動きがおかしい。

 ルージュさんもナイフを投げて当てた様だけど、刺さっていない為かあまりダメージは見られない、それに彼女は不服そうだ。

 指揮までとって、魔法で相手に隙を作らせて、その上ダメージまで出されたらこちらの立つがない。


「もう一回先手で!こいつらが引くまで何度でも行くからね!」


「「了解!」」


 さっきの死に損ないでは無く、今度は隣の元気な奴の頭をくだいてやった!こいつは即死だ!!

 結局2回目で残りは逃げ出し、弱った奴に追撃して合計4匹の狼を殺した。

 傷は付けてたけど1匹も殺せなかった彼女がへこんでたけど、気にする事は無いと思う。


 寝る前、休む前には進行方向に必ず目印を付けた、慣れない森の中で方向を見失わない様にする為だ、それでなくても方角すら分かり難いのだから。それからも散々《さんざん》彷徨さまよった。




 もうどれだけモンスターを倒したか分から無い程倒した、3日目も森を歩いていたら道がやっと見えた、そこに声が聞こえてきた人の叫び声だ。


「誰か助けてくれーーーー!!」


 俺たちは走り出した。

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