表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掌編小説集10 (451話~最新話)

バランス

作者: 蹴沢缶九郎

「何を飲んでいるの?」


幼い坊やが祖父の飲んでいる物に興味を示して聞いた。


「コーヒーだよ」


祖父は微笑みながら答えた。


「コーヒーか。僕も飲んでみたいな」


「坊やにはまだ早いと思うけどな」


「飲ませてよ」


坊やにせがまれ、祖父は仕方なく一口、坊やにコーヒーを飲ませてあげた。


「うえ、苦い!!」


坊やは初めて味わうコーヒーの苦さに顔をしかめて舌を出した。


「ははは…、だから言っただろう? そうだ、砂糖を入れたら坊やにも飲めるかもしれないな」


祖父は台所から砂糖の入った透明な瓶とスプーンを持ってくると、坊やに渡して言った。


「さあ、この砂糖をコーヒーに入れて飲んでみなさい。甘くなるはずだよ」


坊やは目を輝かせ、言われた通り瓶の砂糖を何度もスプーンですくい、コーヒーに入れた。


「ああこら、そんなに入れたら…」


祖父が言い終わるのを待たず、コーヒーを飲んだ坊やは、


「うわぁ、甘い!!」


と、またしても顔をしかめた。


「砂糖を入れすぎたんだよ。何事もバランスだな」


祖父は優しく笑った。



ある時、丁度太平洋の真ん中辺りに、日本列島とほぼ同面積の新大陸が出現した。それから程なくして、日本列島が一日と経たず海に沈んだ。

地球の海と陸のバランスが保たれたのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 話がぶっ飛んでニヤリどころじゃなく笑えました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ