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第2話 災害

 少しウトウトしたところで、イヤな夢を見て目が覚めた。これがフラグになろうとは…。


 数年前に起きた「大震災」。あの時は東京本社に勤務していて、ワシも帰宅難民になった。あの時の被災地の映像が夢に出て…。


 ワシはあの大震災で、友人を2人亡くしてる。1人は震災の犠牲に、もう1人は震災後の関連死で…。


 買ってあった缶コーヒーを持ち、すぐ後ろの喫煙室に向かったところで、足元が揺れた。新幹線の走行の振動ではない揺れ。寝ぼけたかなと思いつつ、喫煙室で電子タバコを咥えたら、目の前に真っ赤な柱が見えた。


「ん⁉︎」


 何ということでしょう。窓の外で富士山が噴火しているではありませんか‼︎


 驚いて席に戻ると、周りはまだ騒いでおらず、呑気にスマホで富士山の写真を撮っていた。ワシも同じことをしたが、元嫁とヒトミにSNSで送信。


「ワシ、終わった。ごめん、さよなら」


と書き添えて…。できたことはそれくらい。その後、更に大きな揺れが起こった。直後に車内が傾いた。脱線したのだろう。車内は大パニックとなり、ドアに人が殺到した。これだけの揺れを車外に出たところで助かる見込みはない。末期の酒ならぬコーヒーが、冷めた缶コーヒーとは…。神様、ワシゃアンタに何かしたかい?人生こんな最後になるとは、文句も言いたくなる。


スマホに着信があった。元嫁の方だった。でも、そのあとのことは何も覚えていない…。


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