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第19話 魔物、再び

 剥き身の刀身を元に鞘の型紙を作った。自分で使うこと前提のものだから、凝ったものを作る必要はない。とはいえ、軽くて堅い木で、表面は漆塗りみたいにして、そこそこしっかりしたものにしたい。


 納屋にちょうどいい材料があった。それを使って"拵え"を作っていった。近所に"塗り"の職人いるらしく、作ったモノをマリアが持って行き、作業を頼んでくれた。完成は3日後だそうだ。


 マリアの作業を手伝い、夜な夜なシロと情報交換して、あっという間に3日が過ぎ、"拵え物"が届いた。受け取った柄に刀身の柄の部分を差し込んだ。目釘を入れて、鞘に納めて…。完成した。


 できた短刀は、短いとはいえ、動き方一つでかなり使える。


 まずは軽さ。軽さは動きやすさに直結するため、重要な項目だった。次に強靭さ。しなることで負荷分散がされて、折れにくい。そして最後に切れ味。まぁ、刀としては最も重要な項目だ。先の2つはこの切れ味を支えるものだ。


 さて、本格的な"試し斬り"をしてみないとな。獲物は何がいいかな?と考えてみたものの、妙案が浮かばない。仕方なく丸太を割ることにした。戦斧ではないが、これも試し斬りに一種だろう。


 大した力を入れなくても、簡単に丸太が割れる。あっていう間に薪になる。手応えがほとんどない…。やっぱり他を試そうか?とはいえ、戦える相手・魔物が簡単に出てくるとは限らないしな…。


 裏手の"鎮守の森"で、地響きを伴った何かの重低音が響いた。

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