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第17話 鍛冶仕事を教わりたい

「具体的に作りたいモノってあるの?絵とかがあるとわかりやすいかも」


マリアに問われ、描いてあった絵を見せた。日本刀である。脇差しではなく、太刀、打刀である。


「刀身が反り気味で、張り出しの側に刃があるんだ。片刃でなく両刃だ。こんなモノを打ちたい。直ぐには無理なら短い刀身のものを…」


「これって、アンタの国の剣?随分と細いわね。これじゃ簡単に折れるわよ?」


「いや、打っては折りを繰り返して鍛え上げる。で、同時に焼き入れも繰り返されることで、不純物が減り、金属の強度が増す。だから折れずにしなるんだ」


「ふ〜ん、焼入れだなんて、鍛治仕事を知ってるようじゃない?」


中学生の頃だったか?授業でドライバー作って、その時の工程に"焼入れ"と"焼き鈍し"があったことを覚えてただけ…。鍛治仕事なんて、TVで見たくらいだ。


「マリアの仕事が終わってからでいい。一度打たせてくれないか?ただ、見様見真似だから、おかしなところは指摘して欲しい」


「いいわ、玉鋼用意してあるわ。大きくないから、包丁か短刀くらいね、打てるのは」


「十分だ。できれば鉄だけでなく、ミスリルかダマスカスを少し混ぜて強度を高めたい」


マリアがニヤリと笑う。嘲笑ってるわけではないだろうが、口角の片側が妖しく上がる。色っぽくていいんだが、なんか怖い…。


こうしてワシの"鍛冶屋"としての第一歩が始まった。

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