第14話 不思議なネコ
食事を作りながら、エールを冷やしておいた。食事の後、風呂上がりに飲んでみた。やっぱり冷えたビール(エール)は美味い!タバコも吸いたいから、エールのグラスを手に外に出た。何年振りだろう、夜空見上げたのは。キレイな星空だ。流れ星もいく筋見える。感動的だな。
エールを飲みながら、魔物のことを考えていた。この辺りに出てこなかったモノが出現した。しかも人里にだ。多分だが、熊みたいののエサは、"人間"だ。人を喰らうために人里に現れた。そうとしか思えない。でも何故今なのか?ワシがここに来たことと関係あるのか?
「ニャ〜」
「うわっ、ビックリした!脅かすなよ、ニャンコ…」
ホントに驚いて心拍数が跳ね上がっている。落ち着こうと深呼吸をしたその時、
(マモル?私の声が聞こえますか?)
「誰だ⁉︎」
周りを見回しても子ネコ1匹がいるだけ…。
(私はここですよ、あなたの足元にいますよ、マモル)
足元にまとわりついているのは、さっきの白い子ネコ。
(私はあなたを見守るため、神に遣わされた神使です)
魔物の次は神様とその遣い…。ファンタジーだなぁ。ワシはハードボイルドがいいんだが…。
(固茹でタマゴ?)
「違う!それじゃない!」
なんかネコにおちょくられてる…。
納屋の前の木材に腰かけると、顔の近くまでネコが乗ってきた。毛繕いをしながら、
(あなたを見守り、サポートするために来たのです。どうか信じてそばに居させてください)
いやいや、ワシだって居候だし…。家主のマリアにお伺い立てないと…。するとマリアが母屋から出てきた。
「湯冷めして風邪ひくよ?あら、何この子、どうしたの?」
「なあ、さっきから離れないんだ。飼ってもいいかな?」
「面倒はアンタがみてね。仕事の邪魔にならなきゃいいわよ」
だつてさ、よかったな、神使様。トイレ用意しなきゃ。
(大丈夫です、心配いりません。あなたの前ではしませんし…)
いや、そういう問題じゃなく、飼い猫として振る舞わなきゃ。
(あ、なるほど。そういうことですか)
って、さっきから人の考え読みやがる…。まぁ声に出してマリアに怪しまれるよりはいいか。




