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竜達の愛娘  作者: ao
長めのプロローグ
7/108

突然の訪問②

終わらなかった……。すいませんダラダラ長い気がします(苦笑


いつも読んで頂き心からの感謝を(土下座:誠心誠意)

/基本リューク、時々シュベル?


 その姿が見えなくなると、リュークはベルンへと声をかけた。


「ベルン殿、お伺いしたい事があります」


「どうされたのですか?」


 使者であろうと、ニコリともせず相変わらずの無表情である。


「その、聞いても良いのか悩んだのですが、何故皆様は人の姿などとっていらっしゃるのですか? 

そのような、魔法があることを我らは知りません…もしよろしければご教授願えませんか?」


「あぁ、この姿についてですね」


 ベルンは少し考える素振りを見せた後、カシへと視線を向け頷き合うとリュークへと視線を戻し話し始めた。


「まずは、この姿は我らが王が、竜神アルバス様より賜った魔法にて作り出された魔法です。魔法を賜る際、竜神アルバス様より、人の赤子を預かりました。竜体の我らにとってとても小さい赤子の面倒を見るためには人の姿をとるほかなかったのです」


「――人の赤子ですと!」


「そうです、彼女=ウィスユリア様がここへ預けられたのは、今から7年前になりますね。あの頃は、大変でした」


「なっ!! そっ、そのような冗談を仰いますなぁ~ハハハ」


「いえ、じょうd「ひっ、人の赤子ですって!!! ふざけないでくださいまし!! (わたくし)の夫になるシュベル様が人など育てるはずがありません!」」


 否定しようとした、ベルンの言葉に被せるように、近くに居た紅の竜が怒気を込めて言葉を吐いた。


「リィハ様!」


 リュークの強めの声に、ハっとし居住まいを正すと「申し訳ありません」と謝罪する。だがその目には、アリアリと人への憎しみが見えた。


「申し訳ございません。我ら南もやはり人により数を減らしており……」


「同族が討たれる悲しみや憎しみは我らにも理解できます、ですので今回の事はなかったことにいたしましょう。

ただし、1.ウィリア様に対し見下すような事をしない事、2.出された食べ物を無駄にしない事! です。特に2個目だけは決してなさらないでください」


「もちろんです」


「では、よろしくお願いします」


 世間話さえせずベルンは、シュベルの元へと向かう。微妙な雰囲気の中、南の竜達はただお互いに視線を合わせ、念話を使って話す。

 

 念話は、南が独自に開発したものであり、北に住むシュベル達は使う事ができない。もちろん、魔法:万物知識創造を使えば作る事はできるが、北はそれを必要とはしていなかった……(いや…存在に気付いていればベルンやカシは必要としたかもしれない…)


《リィハ様先程は申し訳ございません、あの場ではあまりにも分が悪いと判断いたしました》


《いいわ! リューク許してあげる。それよりも何故人なんかを――許せない、私の夫になるのよ!! ずっと待ってたのよ!! シュベル様には――不釣合いだわ!》


《確かに、リィハ嬢の言うとおりだな!! 竜王を名乗るくせに人なんぞにかまいおって……》


《落ち着け、アルティ》


《でもよぅ~。リューク! 落ち着こうにも、リィハ嬢を嫁にするって約束をした癖に、その約束すら忘れて人の面倒を見るなんて、俺たち南を馬鹿にしてるとしか思えないぜ!》


《リューク、どうにかしてよ! わたくし嫌よ! 人なんかと一緒に暮らすのは!!》


《まぁ、少し考えてみます。まだこちらも全ての状況を知るわけではありませんし、とにかく、ここで問題は起こさないで下さいよろしいですか?》


 了承の返事を聞いて、リュークはふ~と息を吐いた。


 2時間ほど後、歓迎の宴の準備が整ったと声がかかる。場所は、リューク達が降り立った崖の上にある、だだっ広い更地で、そこに沢山の見たことのない料理や酒が並んでいた。竜体でも食事しやすいよう、客であるリュークたちの前には大きな木の器が用意されている。


 人化した、北の者達がそれぞれの席があり、リューク達の席は、上座の直ぐ傍で王竜シュベルの左隣に用意されていた。それぞれが席に着くと、王竜シュベルが幼い女児を抱かかえその後ろに側近達がつき従うように歩き席に着く。


 女児を降ろし席に着いた王竜シュベルは、杯を手に取り


「皆、今宵はウィリアが沢山の餌を用意してくれた! 心ゆくまで味わうがいい!また、南の方々も初めての味覚を楽しんで頂きたい!では、乾杯としよう~」


 杯を持った手をあげる。すると北の者達も同じように「かんぱ~い」と声をあげ杯を掲げた。南の過酷な環境とは違い、北の食事は彩り豊かな野菜を豊富に使い、見目も美しく香りもとても美味しそうだった。我らは、あれほど苦しんでいると言うのに……!! リュークは、北への嫉妬が湧くのを感じた。


 あまりの豪華さに料理を食べずにいると王竜シュベルは、機嫌良さげにリューク達に視線を向けると、料理を薦める。


「南の方々、お気に召すかはわからぬが、よければ食べてやってくれ」


「ありがとうございます、このように彩り鮮やかな餌は見たことがございません」


「そうであろう!」


 ニッコリと微笑んでドヤ顔を決める、シュベルは、隣に座っている、幼子を自分の膝に乗せ、頭を撫でている。


「この餌は全て、我が娘であるウィリアが考案し作ったのだ」


「……その人族の幼子がでございますか?」


「あぁ、この子は本当に天才でな、魔法を教えれば1度で覚えるし、我らが教える全てを、1度で覚えてしまう。竜体ですら間違う事はないのだ! 賢いだろう?」


「それは、凄いことでございますね」


 リュークは、笑顔を作り、人の赤子を褒めるシュベルに合わせる


「であろう!」


《ちょっと! リュークいい加減私を紹介しなさい!》


《あ~、はい》

 痺れを切らしたらしい、リィハにせっつかれ、幼子の頭を撫でているシュベルにリュークは彼女を紹介する。


「王竜シュベル様、こちらの美しい真紅鱗を持つ方が、我らが長デイハ様のご息女リィハ様でございます」


 ウィリアに視線を向けていた、シュベルはリュークの言葉を聞き、紅の竜へと目を向けた。


「お初にお目もじ叶い大変嬉しく思います。私めは南の長デイハの娘リィハにございます。今後とも末永くよろしくお願い申し上げますわ、旦那様♪」


「??? 我は、王竜シュベル・クリム・ハーナスだ」


「この世界を統べる王の竜に相応しい素敵なお名前ですわ♪」


「そうか……ところで、先程旦那様と言われたか?」


「はい! 私とシュベル様は結婚する事が300年前には決まっておりますもの、ですから旦那様とお呼びしましたわ。それから、私がここに住むようになってからでいいのですが、もう少し塒は広いほうが好みですわ! 後は、色の付いた寝具なども欲しいですわね! それにお付のものを数頭用意していただいて…あぁ、そうそうシュベル様の傍にいるその幼子は別の所で育てればよいと思うのです! 流石に新婚ですから……ふふっ。夜の事なども考えますとその幼子には離れた場所に塒を新しく与えるべきだと思うのですがいかがでしょう? それから――」


 ただの挨拶ひとつで、一人盛り上がるリィハは言葉を募らせる一方でシュベルは眉根を寄せ皺を刻んでいく、北の者達は、冷めた視線をリィハに向けている。先程まで騒がしかった宴の席はリィハの独壇場となっていた……


 慌てて、濃い緑の竜である、シンクアとリュークがリィハを止める。


《リィハ様! ちょっと空気読んで下さいよ!》


《……少し落ち付いて下さい。リィハ様》


「あら、私ったら申し訳ございません……300年待ち望んでいたものでつい、はしゃいでしまいましたわ」

 2人に止められたリィハは、紅潮した頬に恥ずかしそうに両手を添え、素直に謝罪する


「いや、そのすまなかった……余りにも早口だったのでな……。口を挟めなかったのだ」


 引き気味の表情を見せるシュベルに、リュークも取り繕うように言葉をかける。


「誠に申し訳ございません。リィハ様も先程おっしゃっていましたが、300年前の約束をとても楽しみにされていた為このような事に……」


 リュークの言葉に、少し思案するように顎に手をおくシュベルが口を開く。


「ふむ、確かに300年前私は、デイハ殿と約束をしたが……。何故、既に嫁になることになっているのだ?」


 その言葉に、リュークとリィハは同時に間抜け面をすると共に、一言呟くので精一杯だった。


「「え……」」

 

 それと同時に、シュベルの側近くに座っていたジオールが思い出すように、目を眇め


「確かに、300年前の戦いの宴でデイハ殿とシュベル様は、杯を交わしながらデイハ殿に娘に会いシュベル様が気に入ったならば嫁に迎えて欲しいと約束をしていたのぅ」


「ジオールは覚えておったのだな…」


「忘れとったのですかな?」


「ハハハハハハ」


 笑ってごまかしたな!! と側近一同が思った頃、フリーズから回復したリィハ達南の者が口々に訴える


「そんな!! まっ、待って下さい! そんな話私は聞かされておりません! お約束は確かに妻に迎えると父から聞いております! 今一度良く思い出してください」


「俺も、デイハ様より嫁にと聞いたぜ?」


「僕もそう聞きました」


「私もです」


 アルティ・シンクア・リュークも同じように、リィハを嫁に迎えると聞いたと主張する。それはそうだろう、300年前の約束は、今朝リィハ様本人から聞いたのだ……。


 少し思案したシュベルは近くにいたカシを呼び何事か耳打ちする、シュベルから離れたカシは竜体になると南に向けて飛翔した。


「ふむ、あの時デイハ殿はかなり飲んで居られた……。そこで記憶が曖昧になっておられるのではないか?」


「その可能性も捨て切れません…ですが、長は酒を嗜む(たしなむ)事はあっても酒に飲まれる事はありません! それに、リィハ様を妻に迎えるとおっしゃったと聞いております」


「まぁ、確かに気に入れば妻に迎えるとは言ったがな」


「でしたら、300年待たせたのです。妻に迎えるべきではありませんか?」


「気に入ればとつけてあるはずだ! それに、我は時期が来たらと聞いていた。300年後という約束

はしておらんし、我の都合で待たせたわけではない!」


「ですが、お会いになりたかったのでございましょう?ならば妻に娶っても問題ないと思われたのではないのですか?」


「……」


 堂々巡りである、リューク達南の竜は、どうあろうと私にリィハを番にさせたいらしい。しかし、シュベルはリィハと会う以前から番に娶る気など毛頭なかったのだ。


 はぁ……めんどうな!! 私は、大きな溜息をついた。


 大体、しつこいぐらい自慢するデイハ殿のつまらない話に相槌を打っていただけで、何故、妻にする事になるのか? 更に、先程の言葉もそうだ!! 何が塒は広くだ、ウィリアを別の塒に移せと言うその言葉にも怒りが増す――私がいつ結婚すると言ったのだ!! 今はウィリア1人で十分だ。それに、あのメス(リィハ)は、人の事を憎んでいる、きっとウィリアの事を蔑ろにし良くは扱わぬ。


 とりあえず、カシには直ぐに南に飛んでもらったから数日もすれば帰ってくるだろう。それまでウィリアの事を守らねば――そう強く思った。


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