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竜達の愛娘  作者: ao
第一章 ―王都編―
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ウィリアノココロ①

評価・ブックマークをして下さった方ありがとうございます。また、それ以外にこの小説を読んでいただいた方々に心からの感謝を♪お暇なときにでも、感想やレビューなどいただければ幸いです♪


長くなった為…①・②となります。


竜達の愛娘 ―ものおき―


閑話はこちらに置く事にしました。思いついたものや皆さんのご希望があれば欠かせて頂きますので、感想の方に書いて頂ければ幸いです。 https://ncode.syosetu.com/n6489fs/


/シュベル


 南の竜達に出した、牛丼は汁一滴残らずその腹に収められた。見ていて爽快ではあったが、これから先毎回夕食のたびにこの量と北の竜達の分を用意するのは難しいのではないかと……。1人不安になった。

 

 その後、南の竜達にジオールが説明する。内容は簡単なものばかりだ。

1.出されたものは、残さず食べる事

2.調理された食事がでるのは、夕食のみである事

3.夕食以外の食事は己で狩りをして食べる事

4.毎日、夕食の食材(肉)を数名ずつで集めること

5.人化の際必ず、服を着用する事。状態魔法:伸縮を使う事


 ジオールの説明後、南の竜が手を挙げた。それを受け、シュベルはデイハに頷き合図をする。


「ヒオス」


 名を呼ばれた竜は、数歩前に出てくると真っ直ぐ此方を見て聞いてきた


「はじめまして、ヒオスと申します。失礼ながら北では人族の娘を飼っていると伺いました。真実でしょうか?」


 私をはじめ、北の竜達はきっと、同調していた事だろう「またか」と思っているはずだ。


「ひとつ訂正するなら、飼っているのではなく共に暮らしているのだ」


 私は、ハッキリした口調でヒオスに答えた。


 南の竜達がざわつき、デイハを見るとこちらも一気に疲れた顔になるとすまなそうに此方を見た。

前回、リィハ達が訪ねてきた際も同じことがあったばかりだ! 非常に面倒だ……


「人族は敵です。何故共に暮らすなどという馬鹿なことが出来るのですか!!!」


 ヒオスと呼ばれた竜は、頭に血が上りやすいタイプのようだ。そう思い…前にも似たことがあった事を思い出す、シュベルが日本語を理解しているなら、きっとこう言っただろう「デジャビュ感半端ない」と……


 激昂しているヒオスに、私は目を眇めると数段低い声音で冷静に返す。


「お前は、何を勘違いしているのだ? ウィリアは、種族を超えた我らの仲間であり、家族なのだ…人族を憎む気持ちが悪いとは言わん。だがな、お前が見知っている人族とウィリアを同列に扱うことは許さん! 北の竜には不愉快だ。二度と同じような事は言うな……」


 それを聞いていたヒオスは、身体を強張らせ「ヒィ……」と言うと、それ以上何も言わなくなった。


 ヒオスや南の竜達に対してデイハも声を張り上げる。


「聞け!! お前達の腹を満たした料理は全て、人族のウィスユリア様が我らの為に作ってくださったものだ! 嫌われていると分った上で我らの腹を満たしてくれた、我らを傷つけた人族は憎い! だが、ウィスユリア様は我らの仲間を殺したわけでは無いだろう?? 我らは知らねばならんのだ、本当に人族全てが我らを殺してきた奴等と同じなのかを…」


 そう言って、デイハは南の仲間を1人、1人見詰めるように見渡した。


 そんなデイハに北の竜達は、よく言った!と言わんばかりに拍手を送る。南の竜達は、先に進むべき分岐にいるのだろう。上手く我らが導かねばなるまい――そう思いシュベルは1人、その様子を静かに見守っていた。


 その日の夕食は、争奪戦と言っていい程の状態だった。次々消える料理を、ウィリア・アルミス・ルリア・カシリア・シシル・カミア・リンカで作るのだ。絶対的に作り手が足りないのである。しかも、シシル・アルミス・リンカに限って言えば、カレー以外はほぼ作れない!! ウィリアの負担が大きすぎるので、私も、魔法:食品複製を使い、少しでも負担が減るよう協力した。


 いっそのこと、北の者達にこの魔法を使わせるか? そう考えてしまうほど凄まじい勢いだったのだ。


 争奪戦が何とか終わりを向かえ、腹を満たした竜達は各々の塒へと飛んで行った。私はと言うと、魔力を半分程消費していた為、気だるい状態でテーブルに突っ伏していた。そこへ、遠慮気味にアルティとシンクアが声をかけて来た。


「王竜シュベル様」


 声を発するのもダルく感じ視線だけで応えた。


「その、前回の訪問の時の事、本当にすいませんでしたっ!!!!」


 そう言って、ガバっと二人同時に土下座した。2人は人化している、デイハがどんな罰を与えたのかは、二人を見てなんとなく察する事が出来た。毛が無いのだ! 毛がっ……


「え? いまさr――ぁ、まぁあれだ…気にするな。罰はデイハ殿が与えたのだろうし気にしなくていい」


 竜が人化する際、基本鱗の色が髪色になっているという事は、今2人は鱗が無いのだろうか?

 羽を毟られた鳥肉を思い出し笑いたい衝動を必死に抑え、至極、真面目な顔を作る。私の言葉を受け、2人は立ち上がると礼を言った。そんな2人を見ないように頷き立ち上がると、即、空魔法を使い屋敷に向かった。屋敷に着き、その瞬間噴出したのは仕方が無いことだと思う。


 屋敷でウィリアと共に夕食をとり、まったりとリビングで寛ぐ。今日は沢山構ってあげようと、膝の上にウィリアを抱え、本を読む。最近のウィリアのお気に入りは、初代王竜と皇王の話だ。この世界の文字の読み書きは出来るが、私は敢えて気付かぬ振りをして勝手に読み聞かせている。


 本を読み、ウィリアが眠そうにしていたので寝かしつけ、ウトウトしている私に、デイハから思念が届いた。


《シュベル様、人選終わりました》


《そうか、ご苦労だったな!》


《いえ》


《明日、朝食を終えたら会議を開くと他の者にも伝えておいてくれ》


《はい》


 思念でのやり取りを終えベッドに再び沈み込むと、そのまま眠りに就いた。


 次の日、日の出と共に、北の竜達は狩場を知らない南の竜をそれぞれ連れて、食事にでかけていった。私は、ウィリアの作る食事がいいので、ダイニングでコーヒーを頂く。


 今朝は、ドレイクカツサンドとジャイアントボンカツサンド・野菜のスープと果物だ。相変わらず美味しい。まったりと、手作りの食事を味わい、ウィリアを撫で、コーヒーを飲み干し会議に向かった。


 会議室は、塒の中央部に作られた大きな穴の中である。はじめは屋敷に作る計画だったのだが、

「もし、屋敷で暴れられたら、ウィリア様ケガじゃ済みませんよね?」と言うこのカシの一言で、塒に作ることになった。


 北からは、私、ジオール、カシ、ベルンとなった。力の順での決定である。会場に着くと、そこには既にデイハ・リューク・アルティ・ハイネイ・セシルが既に来ていた。


 各々挨拶を交わし、名を告げあうと椅子に座ったのを確認し会議開始前の挨拶をする事になった。


「まず、お前達に伝えておく事がある。私は議事進行はするが決定はしない! これは王竜である私が表立てば、お前達は従うしかないからだ、と理解して貰いたい。またこの場での発言は、上下関係なくここに暮らす、皆の為に行われるものであり個としての意見は却下とする。以上を守る事をここで宣誓して貰いたい」


 私は皆を見回しそう告げると、ジオールからはじまり最後にデイハが宣誓を行った。


 その様子に頷き会議の開始を宣言した。話し合う内容は、叙爵についてである。内容は、既に知っている者も居るが知らぬ者の為にしっかりと詳細を話して聞かせた。


「各々、意見を頼む」


 ベルンが発言する為、手をあげる。私は発言の許可を出す。


「私は、叙爵を受けるべきだと判断いたします。理由といたしましては、やはり我らの住処であるゴーチ連邦を領地として受けられる事、また、爵位を持つ事で他国とも渡り合え、そこで我ら竜の守りをこの国だけではなく他国にも理解して貰える可能性がある事です」


 ベルンの意見は、確かに……と納得できるものだ。だが……。


 ハイネイが手を挙げ、私は許可を出す。


「私は、反対いたします。理由としては叙爵を受けると言う事は、人間に従う事になるのではないかと思うからです。そうなれば我らの自由はなくなるのではないでしょうか?」


 ハイネイの言葉もまた、確かに、と思う。


 デイハ殿と私は沈黙を保ち、互いの意見に耳を傾ける。そうして、受けるべきと言う北と避けるべきと言う南の意見が平行線のまま、長い時間話し合い夕食だとアルミスが呼びに来るまでそれは続いた。


 一旦、夕食を摂りに行き月が中程になる頃また集まることになった。理由は簡単だ……ウィリアとの時間を優先したいからだ!理由を知っている、ベルン・カシ・デイハに微妙な顔をされたがそこは無理矢理(ゴリ押し)通した。


 そして、私・ジオール・ベルン・カシは、屋敷で食事を取る為移動した。料理を作り終えたのか、可愛い笑顔を携えてウィリアが出迎えに来てくれていた。


「お帰りなさい。シュベルお父様、ジオールお爺様、ベルンお兄様、カシ叔父様」


「あぁ、ただいま、ウィリア」


 ウィリアを抱き上げ、ギュッと抱きしめ頬ずりすると彼女を降ろす。皆もそれぞれ、ただいま……と伝えた。


「お腹すいたでしょ? ご飯、用意してあるから手を洗ってダイニングに来てね♪」


 手を振り、彼女はパタパタとダイニングの方へ向かっていった。


 言われた通り、素直に手を洗いダイニングへと向かい。テーブルに並んだ料理を皆で頂く事にした。ストレスが溜まっていたのかジオールがいつもの倍食べていた。キッチンでは追加を取りにきた塒の竜の為、新たな料理が作られていた……。


 各々水浴びの為、風呂に入りその後、リビングに移動し膝の間にウィリアを座らせ、紅茶を飲む……、ほぅっと息を吐き出し――この時間が一番心休まるのだなと……。

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