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竜達の愛娘  作者: ao
第一章 ―王都編―
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行こうと思います

評価・ブックマークをして下さった方ありがとうございます。また、それ以外にこの小説を読んでいただいた方々に心からの感謝を♪総PV1000突破しました。これも読んでくださっている皆様のおかげです、これからますます頑張ります!お暇なときにでも、感想やレビューを頂けると、泣いて喜びます…(笑


少し長めです。

ここから、視点が変る可能性あるので誰視点かは、本文初めに /名前 で入れさせていただきます、

/シュベル


 南の竜達が帰り、いつもの日々に戻った。あれから更に3年の月日が経っていた。相変わらずの生活はとても、楽しく日々魔法も料理も腕を上げている。

 そして、本日ついに人の王に会う為、ウィリアを連れてアルシッドク皇国皇都へ向かう事にしたのだ。


 何故、人の国にいくのかと言えば、これに尽きるだろう。ウィリアの為だ!10歳になったウィリアは人の世界を知らない、特に不満はないようだがやはり学園という場所には行ってみたいと思っているようなのだ! 我ら竜には学園は必要ないが、可愛いウィリアが夢見ているのであれば、我らも愛しいウィリアの夢を叶えてやりたいとそう思ったのだ。


 竜神アルバス様に、供物をささげ、アルシッドク皇国へ向かう事を告げ、皇王に連絡を入れてもらえるよう願った。そのおかげか今回アルシッドク皇国、皇王に面会する事になったので、皇都へ向かう事にしたのだ。


 竜の姿で飛来する訳にはいかず、途中まで飛び村などが見えない位置で降りて、皇都の近くにある街の直ぐ側にある森まで、カシ・ルリアの空魔法を使い、移動させる事にしたのだ。


 通行証なる物も竜神アルバス様より賜り、これを首から下げる限り竜体になることはないとおっしゃっていた。皇都へ行く当初、ウィリアと2人で行くつもりだったのだが、ジオール・アルミス・ベルンから2人で旅行はズルイと言われ2人での旅行は諦めざるを得なかった。


 皇都へ向かうメンバーは、私=シュベル・ウィリア・ジオール・ベルン・アルミス・カシ・ルリアである。


 人の世界に浮かぬ様、様々な物を用意した。馬車や馬から始まり、アルシッドク皇国で使われている金貨や銀貨という通貨、これに関しては、ウィリアが竜神アルバス様に通行証を賜った際に、本当にいいのか? と何度も聞いていた。その慌てようは私達には理解できないものらしい。うぅっ、お父様悲しいよ!! 悲しみは後で、ウィリアに慰めてもらうとして続きを……


 その他に用意したのは、謁見?(皇王に会う事のようだ)用の燕尾服やドレスだった。用意したドレスを着たウィリアはとても、美しかった!お父様眼福でした…


 謁見するのは私とウィリアそれからジオールだけで他は、皇王に興味が無いからと断られた。ならば、衛兵などに怪しまれないようにと、ウィリアがベルンに執事服?(仕える者の衣装らしい)カシには、護衛の鎧や剣などを、アルミス・ルリアにメイド服を作って渡していた。


 そうして多忙を極めるうちに、移動する日となり、今、私達は皇都近くの街の側の森でいそいそと馬車の準備などをしてる。


「さて、そろそろ皆準備できたか?」


 元気良くはーい! と手を上げた可愛いウィリアを撫で撫でしながら、他のメンバーを確認すると皆、大丈夫なようだ。


「比較的この辺に魔獣はあまり出ないと聞いているが、用心するに越した事はないだろ。カシとジオじぃは御者兼護衛を頼む。あまり速度は上げなくていいからな!ウィリアの気分が悪くなる可能性もあるのでな」


「畏まりました。シュベル様」


「このじぃにお任せを!」


 2人は頭を軽く下げた、頼もしい言葉を聞き、頷くと馬車へ乗り込んだ。扉が閉まるとゆっくりと馬車が進む。御車台との会話もできるよう、御車台の直ぐ後ろの窓はウィリアが顔を出せるほど大きめにとってある。ゆっくりと進む景色を嬉しそうに見つめるウィリアを見るだけで、ここに来れてよかったと思う。


 突然ウィリアが、思い出したように魔法:個人箱(アイテムボックス)からバスケットを取り出した。バスケットの中はどうやら、出来立ての食べ物らしく食欲をそそる匂いをさせている。


「シュベルお父様、どうぞ」


「あぁ、ありがとうウィリア、とても美味しそうな匂いだね」


「はい! 御者をしながらでも食べれるように作ったハンバーガーという食べ物です! 沢山ありますからお腹いっぱいになるまで食べて下さいね!」


 そう言って、はにかむウィリアは紙に包まれたままの昼食を渡してきた、


 ハンバーガーと名付けたらしい。楕円形のパンを半分に切り内側をほんのり焼いて、新鮮な野菜と肉汁たっぷりの肉をこれでもかと言うほど挟んである。


 私が食べ出すのを待って、同行したものたちにも渡していく、皆口々に、美味しいと言い、カシやベルンは20個程を平らげた。本当に美味しかった! その後、お茶をのみつつまったり進み、今日とまる予定の宿があるミンスという街へ馬車の旅は夕刻まで続いた。


 無事街に入った私達は、その街並みに感嘆の息を漏らした。未だに人は好きではないが、ミンスという街はとても気に入った、アルシッドク皇国内では、4番目に大きい街らしい。少しだけ人族を見直した。


 街に入り、幾つかの角を曲がった頃、本日の宿である「新月の宿」についた。宿の外観は、赤い屋根に白い壁、外からも中からも入り口は出入りがしやすいよう(スイングドア)になっている。


「では、確認してまいります。確認が取れるまでここでお待ちください」


 そう、言い残し馬車を降り、ベルンが宿へと入っていく数瞬のち、ドアからでてきたベルンは、扉を開け「どうぞ」と一言いうと、御車台にいる2人にも声をかけにいった。


「よし、降りようか?」


「はい!」


「畏まりました」


 それぞれに返事を貰い、馬車を降りる。馬車自体段差が大きいためウィリアの脇に手を入れそのまま、抱き上げ降ろした。その後は、手を繋ぎ、宿の中へと進む。


 カウンターと思しき場所に、恰幅の良い男がいる。その男は、私達を見るなりへその上で掌を合わせ回すように動かし(ゴマすり)ニコニコ顔で


「ようこそ、新月の宿へ、本日ご予約頂きました、ハーナス様ですね?」


「あぁ、そうだ」


 では、まずご説明いたします。と始まったのは、宿の食事や部屋などの使用方法だった。食事は、ウィリアが既に用意しているため不要だ。部屋の使用法だけ聞き鍵を受け取り部屋へと入った。


 予約した部屋は、簡易だが小さなキッチンがついている大きなリビングが一つ、風呂・トイレも1つずつあり、寝室が4つある部屋だった。


 寝室の部屋割りは、私とウィリアが同屋(もちろんウィリアを寝かしつける至福の時間を他の誰かに譲るわけが無い!) アルミス・ルリアが同屋、ベルン・カシが同室、ジオールが個室となった。扉に近い方の部屋を(オス)に割り振っておいた。


 そろそろ、夕食時なのか、宿の下から賑やかな声が聞こえてくる。ソファーに寛ぎ、移動中の気になった点などジオールとカシが話している。


「移動中何度か、魔獣の気配があったな……」


「ジオール様も気付きましたか」


「あぁ、だがあの程度の小物ならば、我らの気配を察し近寄ってはこんだろう」


「ふむ、明日は更に進みますしね。シュベル様やウィリア様が無事に皇都に辿り着けるよう、更に注意深くまいりましょう」


「うむ」


 2人は頷くとお茶を啜った。他のメンバーはと言うと、ここについて直ぐに、塒に戻りベルンは仕事・アルミス・ルリアは子守をしている。


 ウィリアはと言うとソファーに座ることなくキッチンに向かった。彼女はご機嫌なのか、鼻歌交じりに夕食を作っている。しばらくキッチンに佇み曲を聴く。初めて聞くはずのその曲は妙に、心に残る。曲名が気になりウィリアに声をかける。


「ウィリア、その曲は何と言う名なのかな?」


 突然話しかけた私に、振り向き嫌な顔一つせず微笑んでくれた。はぁ~もぅ本当に可愛い。うちの娘!!!


「アメー○ング・○○○○だよ~。確か、神様に感謝した歌だったとおもう」


「そうか!! 神に感謝した歌か、とても素敵な曲だな。まるでウィリアの心を映したみたいだ」


 本心からの言葉を向ければ、ウィリアはポッと頬を染めて顔を隠してしまった。


「ウィリアは本当に照れ屋さんだね! そう言う所もとても可愛らしいと思う。そうだ! 明日、塒に帰った時にその曲をもう1度聞かせて欲しい!ダメかい?」


「うっっ、かっ、帰ったらねっ」


 そんなほんの少しだけ甘めの親子の会話を、横から邪魔者(ベルン)がぶった切る……


「シュベル様、ウィリア様を口説くなら部屋でお願いします。聞いていて、本当に鳥肌が立ちましたよ。それとこちら、先程頼まれた物です」


 手を差し出し、袋をひとつ渡してきた。


「いつの間に」


「先程ですね。皆、戻ってますよ」


「そっ、そうか」


 微妙な雰囲気の中、カシとジオールが声をかけてきた。


「シュベル様、明日の行程の予定を組みたいのですが、今からでもよろしいですか?」


「あぁ、直ぐに行く」


 未だ、照れて顔を隠すウィリアに、「食事楽しみにしてるよ」と言いリビングへと戻った。その後直ぐに予定をくむ、明日朝一で宿を出発し、ヘヘルと言う村をへて進めるだけ進み、塒へ帰る。明後日は朝一番で塒を出て、昼頃に皇都へと到着できるようにした。


 皇と見える(まみえる)は、5日後の予定で、着いたその日は休み、もう1日で皇都をウィリアと散策(デート)できるよう予定を組んだ。


 予定を組み終えると同時に、アルミス・ルリア・ウィリアが食事を運び皆で食べる事になった。本日の夕食のメニューは、お好み焼きと言う食べ物だ、何が入っているのかわからなかったが、とても美味だった!


 夕食を終え、お茶をしながら予定を皆に伝え、その後は自由とした。各々風呂に入ったり酒を飲んだり好きに過ごしていた。


 ある程度時間が経ち、ソファーでうとうとするウィリアを抱えベッドに寝かし、空魔法で塒に戻った。


 最近と言うか、ウィリアが料理を始めてからというもの、塒に残る者達にも皆で夕食をとるという習慣ができ、諍いなどがなくなり良い方に纏まって来ている為、今その習慣を無くすのは良くないと言う事で、魔法:万物知識創造で、作った魔法:食品複製(イミテーションフード)(一度食べたものを再度作り出す事のできる魔法である)を使い夕食に食べたお好み焼きを大量に作り出し食わせ、皆が満足したのち宿に戻る。


 魔法:食品複製(イミテーションフード)は魔力消費効率がかなり悪い。その為か魔力を大量に消費した、魔力が少なくなると魔力を回復しようと睡魔に襲われる事になる。その日は、そのまま眠りについた。


 目覚めると、既に日が昇り始め、慌ててウィリアの寝ていたベッドを見るともう既に起きているらしく、リビングへと直行する。


 私の姿を見つけると皆が、朝の挨拶をしてくる。それに返し、洗面台へ顔を洗いに行き、リビングでソファーに座った。


「シュベルお父様、おはようございます」


「あぁ。おはよう、ウィリア」


「朝食、運んでも平気ですか?」


「あぁ、頼む」


「はい」


 今日の朝食は、軽めで、細長いパン1本丸ごとである。縦に切り込みが入りそれに合わせて野菜や肉などが詰められている。それと、スープがついていた。昨日食べたハンバーガーも良かったが、パンの噛み応えに弾力があり私的にはこちらの方が好みだった。


 朝食を終え、宿を後にするとまた長い馬車の旅である。昼を少し回った頃、ヘヘルを過ぎた。日が沈み進めるところまで進んで、近くの森へと入った。本日は空魔法を使い塒へと戻る。


 塒はすでに、日が完全に沈んでいたが。皆は既に、広場に集まっていた。幸いにも今日は、皆大好きカレーの日である。カレーだけはウィリア以外でも作れるため、この日だけは、ウィリアが夕食を作る必要はない。


 広場は既に暗いため、魔法:灯玉(ライト)を使い明るくする。せっかく塒に帰ってきたのでウィリアに歌を聞かせて欲しいと頼んだ。


「ウィリア、この間宿で歌ってた歌聞かせて!」


「え~! 恥ずかしいよぉ」


 照れつつも、ウィリアは嫌と言わない。


「だめかい?」


 そう問いかければ、「ちょっとだけだよ~!」と返ってきた。その顔も非常に可愛らしい!!


 曲を歌うのに、準備が必要らしく、魔法:万物知識創造で、大小の黒い物を出し、小さい方に座った。(大きい方はピアノ、小さい方は椅子)


「シュベルお父様のお願いだから頑張って歌うね!上手くできないかもしれないけど……」


 少し緊張した面持ちで、黒い物(ピアノ)へ腕を伸ばし、指を動かすと美しい音色が鳴る、今までに聞いた事のない音だが、とても美しいと思った。もちろんウィリアの美声も素晴らしいものだった!


 周りの者達も初めて聞いた音の美しさに、話す事を止め聞き惚れているようだった。その後、ジオールや皆のアンコールに答え楽しい曲や物悲しい曲など何曲も歌う内に、カレーができあがり皆で、カレーを食べまた曲を聴き、その日は就寝となった。


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