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半妖の戦士 第一部    作者: 葉月秋子
7/20

7 岩の中の人2

7


 チシャはあわてて、林の中に駆け戻った。


 さっき見つけた、スカ瓜の茂み。


 スカ瓜は、繊維が多くて食べられない瓜だけど、熟して乾いたものは、中がスカスカな空洞になる。

 

 それを五、六個集めて水場に駆け戻り、水に入れてぎゅっと押しつぶすと。

 水を吸って、ぱん、と膨らむのだ。


 岩の隙間から、力なく伸ばされていた手に、それを一つのせる。



「はい、水だよ!

 これ、絞って飲んで!」




 ・・・・・・・・・・・・



 何度も、何度も。



 差し出される手に水の滴る瓜を乗せ、どれくらい繰り返したか。



 ふっ、と手が出てこなくなった。


「も、もういいの?

 大丈夫?」


「・・・・・・・・・」


 だ、大丈夫かな・・・



 そういえば、すっごく喉が渇いた家畜にいきなりいっぱい水を飲ませると、死んじゃうって聞いたことがあったような・・・


 や、やっぱり人を呼んで・・・



 ・・・


 ・・・もう手が出てないのに、岩の中に人がいるなんて、誰がチシャのいう事を信じてくれるだろう・・・




 ちらばったスカ瓜と水の跡がなければ、チシャだって夢を見ていたんじゃないかと思う・・・


 そんなことを考えて、呆然としていると。




 いきなり、凄い音がして、崖の一部が崩れた。



「ひゃあーっ!!」


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