表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半妖の戦士 第一部    作者: 葉月秋子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/23

21 雨

21




 翌日からは雨になった。


 商人とお役人が乗る上等な馬車が一台。チシャと羆が乗る荷馬車が一台。

 それぞれの御者と、四人の護衛。

 だんだん雨脚が強くなる。



 やっとたどり着いた河のほとりの宿場町では、上流で三日も続いた豪雨のために河は増水。

「橋が流されちまったんだ。水がひくまで河は渡れん」

 旅人たちは皆、足止めをくらっていた。


 雨合羽を着た町役人が商人たちに近づく。


「ハットフィールドから来たお役人てのはいるかね。

 魔道便で伝言が届いとるぞ」


 承認して受け取った役人は顔色を変えた。


「なにっ、監査がはいるだと!」


 

 

 宿場町は泊り客であふれ、臨時に建てられた仮設の大テントの中は、人足として集められたむさい男たちの人いきれと湿気がこもって、空気も悪くなっていた。


 その中でも、特に騒がしい一角。


「どうだい、そこの強そうなおっちゃん。銅貨一枚で勝負しないか。

 兄ちゃんに勝てたら銅貨十枚だ!

 よし、始めるよ、いいかい、それ!」


 チシャは元気だ。


 伸びすぎた髪はまとめて布できっちり包み、ほっそりした四肢に大きすぎる上着をまとって腰ひもを結んだだけの姿は中性的で、女の子にはちょっと見えない。


「それいけ、はげ!」

「うすのろなんかのしちまえ!」


 はやし立てる人々の見守る中、筋骨隆々の禿親父と、無表情な金髪の青年との勝負が始まる。

 自信満々で始めた親父は、しばらく青筋を立ててぶるぶると腕を振るわせていたが、じりじりとその手は下がり、ばったりと甲が机についた。



「腕相撲一本勝負、兄ちゃんの勝ち!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ