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半妖の戦士 第一部    作者: 葉月秋子


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18/23

18 代役

18


 

「羆さんは働けないよっ!

 人の言う事なんかきかないよっ!」


「じゃがお前の命令はきくじゃろ。

 だからお前も一緒じゃ」


「私も?」


(かあさんは、奉公に出ろって・・・)


「ああ、あの商人がお前を雇った。

 お前込みで、このうすのろを運んでくださるのだ。

 支度金は既に払ってあるぞ。半分は酒でな。

 もう手ぇつけてしまっているだろうが」


 お前に返せるか?と言われて、チシャは怯んだ。

 かあさんに酒なんか渡したらどうなるか、よくわかっててやったんだ。こいつら。


「ずるいっ!ひきょうだっ!ひきょうものっ!」


「おい、村長さんになんて口を利く!」



 村長の取り巻きの一人が、チシャを突き飛ばした。


 突き飛ばされた小さな身体は、後ろからぽすん、と受け止められる。


「う・・・うわっ!」


 チシャの頭越しに頭二つ分も大きな男に見返されて、取り巻きは青くなった。


 


「ええい、村長の決定だ!

 いちいち文句をつけるな!」


 うるさいガキだと、村長は手を振ってチシャを追い払おうとする。


 林業で成り立っているこの村の、働き手は今ぎりぎりの数だ。

 ベテランの木こりたちを、賦役だと引き抜かれてはやっていけん。


 この得体の知れんでかぶつと、子供一人で代わりになるなら御の字じゃ。



 あの商人と役人が、何かこそこそ話しておった。

 賦役人足以外に、なんか使い道があるんだろうが。

 もう儂の知った事じゃないわい。


 今回の賦役達成済みの札を握って、うまくやったと村長は嘯くのだった。




 

 


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