表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半妖の戦士 第一部    作者: 葉月秋子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/23

11 羆と呼ばれる男2

11



「はい、(バルー)さん、かぼちゃ」


 呼ばれた大男はゆっくりと顔を上げ、差し出された椀を受け取る。


 刻んだかぼちゃに、少量の塩を入れて煮込んだだけの夕餉の椀。


 昨日もかぼちゃ、今日もかぼちゃ。

 明日のご飯も、やっぱりかぼちゃ。


 今年はかぼちゃが豊作だった。


 村長の家では家畜の飼料にもするかぼちゃが、チシャの家では主食である。


 中身が半分になった鍋をもう一度火にかけ、粗朶を一枝も無駄にしないように柔らかく煮直して、少し潰して食べやすくする。


「かあさん、夕食だよ」


 奥の寝床に声をかけるが、母は起き上がる気配もない。


「またかぼちゃかい、まったくいやになる。

 街にいた頃は、朝晩パンが出たもんだ。祝日にはバターとジャムつきで、肉入りスープといっしょにさ。

 毎日こんな家畜の餌を食べる暮らしになるなんて・・・」


 しばらく前に腰を痛めた母親は、足も弱って寝たり起きたり。

 愚痴だけが毎日増えていく。  


 落ち穂を拾い、かぼちゃを運び、粗朶を拾って食事を作るのは、みんなチシャの仕事になった。


 ブツブツ言いながらやっと起き出したのを確かめて、チシャは炉端に戻り、少し冷めてしまった自分の椀を取り上げる。


 そして


「あれっ、熊さん、食べないの?

 冷めるとさすがに不味いよ、これ」


 と、チシャが匙をふると、羆もゆっくりと食べ始めた。



 ・・・・・・・・・


 うーん、やっぱり不味いわ、これ・・・


 塩が足りない、肉っけ、脂っけが欲しい・・・


 食べられるだけましだけど、熊さんもこの大きな体で、これっぽっちじゃ足りないだろうし。


「明日、棘モグラでも狩りに行こうか・・・」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ