理想的な堕落。
夜明け。
鳥の声。
セミの声。
君の声。
午前11時。
小学生がはしゃぐ声。
君のキス。
チャーハンの焦げる音。
時計がカチ、カチ、たてる音。
蒸し暑くなった掛け布団。
干されている洗濯物。
自転車のベル。
電話の呼び鈴、君の声。
テレビの子供番組。
相変わらずセミの声。
赤かオレンジかわからない窓の外の明るさ。
味噌を炒める匂いと、炊飯器のピー。
呆れたような楽しそうな君の声。
君のキス。
ありあまる時間と
身にあまる幸せ。
明日はどこか、デートにでも誘おうか。