セツメイ
…あっ?!こんにちは、こんばんは!なんやかんやで前話回想をやっている藤崎夏美です!なっちゃんです!このお話のヒロインなのに扱い酷くないですか?!…あ、酷くないですか。ま、まあ気を取り直して今回も引き続き、カイト君のナイフさんの設定を聞きm((殴
…説明を聞きましょう!
「…計画を終了させる方法?」
確かにナイフはそう言った。…計画?
カイトはどうも腑に落ちなかった。計画と言うからには目的があるはずだが…。
「はい。この計画の完了には条件があります。それは、“執行人”を三人にすることです。つまり、これは殺人ゲームです」
「…なあ、その計画ーー」
「次は個々の、我々が持ち合わせている能力と、貴方に現れる能力の説明をしましょう」
ナイフはカイトを再び無視すると、機械的に語り出した。
「……」
「まず、先ほど申した通り、我々“執行人”は貴方を含め、東京都に十人います。持ち合わせている共通の能力は透明化。そして、我々は互いに強力な電波のようなものを発しているため、互いに互いの位置がわかります。ただし、ナイフを持たなければ、この電波は発することはありません」
「…ってことは」
「つまり、…何か言いました?」
「…」
「続けます」
カイトは無言で頷いたが、ナイフが目を持っていない事を思い出すと、短く「ん」とだけ言った。
「…、つまり、我々は常に互いの位置を知ることができるわけではありません。更に言うと、位置が分かるのは私であって貴方ではありません」
ナイフは「ここまではいいですか?」とだけ言うと、カイトの返事を待たずに続ける。
「次は貴方に現れる能力についてです。…我々を握り、“執行人”と登録された人間は、個々それぞれランダムに能力が付与されます。すなわち、誰に何の能力が付与されたのかは分かりません。そして貴方に付与された能力はーーー」
この後、ナイフはカイトの能力について説明し、使い方も教えた。そして。
「この学園都市に、一人“執行人”がいる、と言ったんだ。それが、お前だよ。藤崎夏美…」
カイトはナツミをじっと見つめながら口を閉じた。
「…で、でも何で!私だと特定できたんですか?!」
涙目のままのナツミはせめてもの反抗を試みる。
「俺を誰だと思ってんだよ。…この学園のことは。いや、この学園都市のことは全て分かるんだぜ?」
カイトはにまっと不敵な笑みを浮かべ、白い歯を見せる。
「ま、まさかっ?!そうやって女子のあんなシーンやこんなシーンを見てるnーー」
「見るカァァァァア!!誰がいつそんなこと言ったよ!!誰がそんな低俗なことに手を染めたよ!?」
「…ひっ!?う、うわぁぁぁあん!!こわいよ〜!」
「泣くなら言うなよ!!バカなの?!」
「ひっぐ…、ご、ごめんなさいぃぃぃいー!」
「うわっ、何こいつ。めんどくせぇ!!……、ま、まあ、ともかく!」
カイトはポケットから綺麗に畳まれたハンカチを差し出すと、顔を拭くように促した。
「…あ、ありがとうございます。ぐすん…」
「おう…、とりあえず、な。俺はこのゲームを終わりにしたいんだ。だから、もう一度言うよ。…俺と手を組め。情報を共有しよう」
何やら不穏な空気が…m(__)m