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スピーカー

作者: 鳴海ゆら

キィィィィィンッッ


スピーカーが揺れている。

それは、その音とスピーカーが共鳴しているからである。

共鳴することにより、ある周波数になると、

そのスピーカーは動く性質を持っていた。


そのスピーカーは只のスピーカーではない。

そしてその音も只の音ではない。

この世界も普通ではない。


音が普通ではないのである。


キィィィィィンッッ


その音は再び鳴り響いた。

2度目の音で、あたりは真っ暗になる。

スピーカーから流れる音はキーンという音だけだった。

その音が4回鳴ったとき、この星は滅びると言われている。


このスピーカーが誰によって何のために作られたかは、大体予想がつくだろう。

このスピーカーを発明した人は、家族によって追放された。

そんな物騒なものを作るな、と。

しかしその人物はそのスピーカーが手放せなかった。

そのスピーカーはその人物の友人に受け渡され、発明した人は、自害した。


キィィィィィンッッ


3度目が鳴った。この世界もあと少しで終りを迎えるだろう。

このスピーカーが鳴り出した時に、この記録を撮り始めている。

故に、3回目であることは確実である。


3度目のスピーカー音で、嵐が起こり始めた。

嵐はすぐ終わったが、スピーカー音はいっこうにする気配を見せない。

・・・・・と


なぜか突然、そのスピーカーは音を立てて崩れ落ちた。

発明家の計算に狂いはないはずである。

管理もしっかりとされていた。

考えられる理由は、この星は滅びずに済む、ということである。

それにしても、このスピーカーは、なにひとつ役に立たなかったような気がする。


そのときだった。

地面が大きく揺れて、この星は大きな音を立てた。まるで、星全体が鳴っているかのように。


 キィィィィィィィィィィィィィィンッッ



立っていられなくなるくらいに揺れている。地面もひび割れてきている。

そして、この星は―――――――――


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