目覚めたら。
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豪奢なベットの周りには、何人かの人々が集まっている。
ざわざわ
「大丈夫なんですか!?ラリアの容体は!?」
「今のところ容体は安定していますから、もう少ししたら目覚めることでしょう。」
「リアナ、落ち着く。大丈夫だ、私たちの子供なんだから。」
「そうね。でも、でも、もう一週間も目を覚まさないのよ!?熱が下がったからと言ってそんなっ」
「王妃様、ラリア様がまだ眠っております。」
「ああ、ごめんなさい。心配でつい…。」
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んー。うるさいなー。こっちは、久しぶりの睡眠だっていうのに。
もう、だれよ!
りあは、ゆっくりと目を開けた。
「ラリア!気が付いたのね!」
美しい金髪に、青い瞳の、いかにも外国人風の美人が私の顔を覗き込んでいた。
その手は、隣の男性の腕に添えられている。
「ラリア!もう大丈夫かい?」
流れるような銀髪に、吸い込まれるような緑の瞳をしたこれまた美形の男性が妻?だと思われる女性と同じように、私の顔を覗き込んでいた。
その手は、隣の女性の腰にまわされていた。
…。絶世の美男美女だー。うわー。こんなに綺麗な人たちっているんだー。
漫画や小説にしかいないだろ!って感じの顔だ。ってなに言ってんだろ。
…。リア充め!爆発しろ!
え、てかいや、誰?
……。
え、どうしよう!どうしよう!どうしよう!
ハローとか言った方がいいのかな!?
え、なんか私の言葉待ってる風なんだダダケレドどどどどーーー!!
やばいやばいテンションが(笑)
しばらく、ぼーっとしていたが、私の中に、大量のこの体の記憶?だと思われるものが、大量に流れ込んできた。
この体の名前はラリア・ミレイア。ミレイア王国の第三王女。歳は5才。まだまだ、小さな女の子だ。
性格は、前世の私と同じような性格である。というか、私そのもの?
一言で言うと、あざとい。
外面は完璧だ。曇りなしだ。
私は、本当に親しい友人には外面を脱ぎ捨てて接するのだが、よく友人に「あんた、顔と中身違いすぎでしょ(笑)しかも腹黒いし(笑)ちょっと病院行って腹見てもらってきてよ(笑)ぱかって!(笑)」と言われていた。
今思い出しても失礼な!(笑)ってなんだ!(笑)って!あいつ、今思い出しても腹立つな!いっつもいっつも、人のこと馬鹿にしやがって!!てか(笑)多すぎだろ!!
私は自分に正直なだけだ!そして、考えてしゃべっているだけだ!ちょっと心の中で毒を吐いているだけだ!ん?多い?いや、多くない!
そしてわたしは腹黒などでは断じてない!
前に、担任の先生の声マネをしていて笑っていたら、「お前腹黒いってレベルじゃなくてもう黒光りしているよな。」とかちょっと疲れきった顔で言われたりしたけれどあれは私に対して、疲れていたわけではないよね!ちょっと昨日夜中まで連ドラ溜め込んでたの一気に見っちゃったわ―的な疲れた顔だよね?ね?
やばい、ちょっと話が脱線してしまった。
とりあえず、この世界でのお父さんとお母さんに返事しなきゃ!
「お父様、お母様。おはようございます。なんだか体が少し気だるくて少し記憶が曖昧なのですが…。」
少し、私今体調悪いですよー的な感じで言ってみた。
ちなみに上目ずかいだ。どやっ!
私がベットから起き上がって、彼女たちが立ち上がっている状態なので自然とだけれどな!
「そうね。実はラリアはもうちょうど一週間も高熱で寝込んでいたのよ。記憶が混乱するのも無理はないわ。」
「そうだな。ほらもう横になりなさい。」
「ありがとうございます。お母様、お父様。」
「陛下、グラウディア王国からの使者が謁見をしたいと仰っております。謁見の間へ。」――――
「わかった。すぐに向かう。ラリアすまない。またお見舞いに来るよ。行くぞ。」
「ごめんなさい。ラリア。また来るわ。」
そういって、二人は出て行った。
一人になった。
さっきまで、人が来ていたから、考えないようにしていたけれど、…私は死んだってことだよね?
しかも、転生?までしてるし。
そっかー。なんか実感わかないな―。
いやでも、夢のお姫様ライフだし!
こっちの両親は美形だし?
お金持ちライフだし?
悪いことじゃないのかも!
でも、今までの友達や家族には会えないってことか。
いやー、神様も酷いねー。
前世の記憶なんて消しておいてくれればいいのに。
小説とかじゃチートだなんだっていうけど、わたしはそんなの欲しいわけじゃないのに。
ラリアは、声を押し殺してふとんの中でうずくまりながら一人で泣いた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。