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いじめやんといて 41

あれ?これ手紙やん。


ほんまや、見てもええやろか。


息子の章吾が見るんやもん、ええんとちゃう。


そやなぁ…………


ああ、その手紙だけは私も見てないわ。


坂崎 章一朗 様

オヤジ宛や…………



坂崎 章一朗 様

本当に勝手して、ごめんなさい。

正直もっといつまでも章一朗さんのそばにいたかった。

私の命は、もうあまり長くはないそうです。

白血病、それが私の病気の名前です。

章吾を生んでしばらくしてお医者さんから告げられました。

お芝居の中では、何度か目にした事のある病名ですよね。

それが、現実に自分の病名として告げられるとは思ってもみませんでした


あなたの、縁談の話し聞いてしまいました。

こんな身体の私といるより、ずっと幸せになれる

その人と結婚したら、章一朗さんは、きっともっと大きな仕事ができる。


強がりでもなんでもなくて、本当に心からそう思います。

今の私が章一朗さんにできるのは、いなくなる事だけ。

あなたを、真っ白なままその人に届ける事だけです。


夢を、将来の夢を話す章一朗さんが好きでした。

大きな背中が好きでした。


私を見る時の、柔らかい目が好きでした。

美味しいもの食べて、嬉しそうに笑う笑顔が好きでした。

私がすねた時に、困った顔してる章一朗さんが好きでした。

お酒に酔って、赤い顔で私の横で寝てる章一朗さんが好きでした。

ケンカしたあとで、ゴメンて謝る章一朗さんが好きでした。


私は、紀子は、章一朗さんの全てが大好きでした


ごめんなさい、勝手にいなくなる私を許して下さい。

そして、忘れて下さい。


章吾は連れて行きます。

この子だけは、何があっても守ってみせますから

安心してください。


こんな私と出会ってくれて、本当にありがとう。

幸せな時間をくれて、ありがとう。


どこにいても、章一朗さんの幸せを、お仕事の成功を祈っています。


古村 紀子






これは、紀子の………


そうです、迷いましたが俺が持ってるより宛名の本人に届けよと。


こんな、こんな気持ちで私の事を……


たしかに、お渡ししましたから。


待って、待ってくれるか。

やっぱり、私のところには……


すいませんが、俺は今でも母親に守られているような気がしてます。

自分が亡くなった後も、俺が寂しないように

仲間を、兄弟以上の友達を与えてくれました。

だから、俺は1人でやっていけます。

心配せんといて下さい。


わ、わかった………


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