いじめやんといて 2
章吾目線の始まりです。
残念会やて…
そりゃあ、実力の世界て事はわかってる。
でも、あんな理由やなんて。
代表「こんどの舞台の主役は、シャープな獣の目付きが必要なんや。
章吾の顔立ちでは、ムリやと思う。」
そんな事あるかい。
どうせ、あいつの親のチケット売上が目当てなんやろ。
ほんのチョイ役でも、100枚単位でお買い上げや。
主役となったら、全席買い占めよるんとちゃうか。
ほら、章吾飲め。
まあ、あんまり気い落とさんとな。
明良兄ちゃん、ありがと。
謙一もありがとな。
礼なんか言わんでもええ。
章吾の事は、俺らが一番知っとる。
なんせ、古いつきあいやもんなぁ。
うん。
よっしゃ!
この後は、どっかお姉ちゃんのおる店行こ。
謙一、どっか知ってるか?
いや、この辺あんまり知らんけど……
そや、うちの会社の者がよう行く店が確かこの辺や。
レイニータウンとか言う店や!
ほなそこ行こ。
知らん店入って、ボラれてもかなんし。
そやな、しょうもない店行って、また明良兄ちゃんが暴れたらあかんしな。
あほ!
人を、やからみたいに言うな。
あっ!
ここや、レイニータウン。
ほら、章吾しっかり歩きや。
謙一、お前飲ませ過ぎや。
兄ちゃんかて、飲め飲め言うてたやん。
そらまあ、そやけど。章吾行くで、ほらこの店やて。
いらっしゃいませぇ。
おお、お姉さんいっぱいおるやん♪
良かったなぁ、章吾。
んぁ……眠たい‥
………翔子です。
あぁ??
誰や、人の名前気安う呼ぶ女は?
翔子‥章吾……ややこし。
ZZZZZ……
大通りまで出てタクシー拾おか。
章吾、ちょっとは酔い醒めたか?
う、うん……
俺、もうちょっと‥‥
一人で酔い覚ましてから、帰るわ。
兄ちゃんも謙一も、今日仕事やろ。
気にせんと、先に帰って。
そらええけど、お前大丈夫か?
うん。
もうちょっと、風にあたりたい。
ほんならな。
あんまり、ウロウロせんときや。
分かった。今日はありがとう。
おい!兄ちゃん、ちょっと金貸してや。
はあ!?
なんやお前ら。
カツアゲするんやったら、相手よう見てしいや。
そやし、今日の俺はメッチャ機嫌悪いで。
おぉ〜怖ぁ〜〜。
ああん!
バキィ!!!
お、お前らぁ……
へっ、えっらそうに言うからや。
おい、はよ財布パクらんかい!
かぁっ!シケとんのう。
おっ、免許入ってるわ。
どれ、見してみ。
ん〜〜しょうご?
うわっ!!こらあかん!
どっかで見た思たら、こいつ明良さんとこの章吾や。
どないしましたん?
アホ!
こんなんバレたら、お前も俺も半殺しやぞ。
逃げよ。はよ逃げよ。
さ、財布返しとけよ。
う〜ん、あいたたぁ。
あいつら、クソっ!
顔は忘れんからなぁ。
今度見つけたら、覚えとけよ…
ん?なんかええ匂い。
誰やぁ??