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いじめやんといて 16

おう、章吾来たか。


お待たせ。

お!明良兄ちゃんどないしたん?

今日はまたバリッと決めて。

兄ちゃんがスーツやなんてめずらしい。


そやろ、孫にも衣装とか言うやつやろ。


謙一、それ褒めてへんで。


えっ!そうなん?


お前ら、なに漫才やっとんねん。


そやかて、兄ちゃんだけスーツで決めて。

ははぁん。

また自分一人もてよと思てんなぁ。


アホ、それやったらなんもスーツ着んでも大丈夫や!


うわ!えらい自信や!


そんなんと、ちゃうわい。

今日は銀行に用事があったんや。


銀行?


襲たんか?


ホンマに、謙一だけは…

新しい店買うのに、手持ち資金だけでは足らんから

銀行に融資の申し込みに行ったんや。


ええ〜っ!?

兄ちゃん、また店出すん!


そうや、今度でちょうど30軒目や。

貸し店舗が20軒と、買うた店が今度の店で10軒目やから、今回は梅田の駅前にしよ思てなぁ。

ちょっと高いけど、ええ店見つけたんや。


ふ〜ん。そらすごいわ。

青年実業家とか言うやつやなぁ。


おだてても、なんもでえへんぞ。


あかんかぁ。


まあ、今日は俺のおごりや。

どうせ後で、明菜ちゃんとこも行くんやろ。


ありゃ〜!

こらまた、ごちそうさんです。


まあ、銀行からもええ返事もらえそうやしな。


そら、いま波に乗ってる兄ちゃんとこに金貸さんで、どこにかすねん。

なあ、章吾。


ホンマに、現金なやつやで。

そらそうと、章吾もおめでとさん。


あ、ありがとう。


なんせ、主役やもんなぁ!


まあ、ラッキーなだけや。


なに言うてんねん、運も実力のうちや。


そやから謙一、それ褒めてへんて。


あら、これもか?


ほんで、準主役のはずが、なんで主役になったんや?


なんか、脚本の先生が急に台本書き換えてな。

この主役は、俺にしかできんて言うてくれたらしいわ。


ふ〜ん。章吾、先生脅したんとちゃうやろな?


アホ言うな。

なんで俺がそんな事。


冗談やがな。

やっと章吾の実力が認められて、俺も嬉しいわ。


最初から、そない言うたれや。


ごめん、兄ちゃん。


俺に謝ってもしゃあないな。


ごめんな、章吾。


ええて。

わかってるって。


ほな、乾杯や!


おう!!!




兄ちゃん、そのアタッシュケースえらい大事そうにかかえてるけど。

何が入ってんのん?

もしかして、札束か?


なんで札束持ち歩かなあかんねん。

けど、まあそれに近いかなぁ。


えっ!な、なんなん?


買うた店の権利書や。

9軒分全部や。今の俺の全財産やなぁ。


そうか!

そら、手から離されへんはずや。


まあな。


あ〜あ、もうお腹いっぱいやぁ。


ウソつけ、謙一。

はよ明菜ちゃんとこ行きたいだけやろ。

まだ、なんぼも食べてへんやんか。


お前かて、はよ翔子さんに会いたいくせに。

はよ会うて、章吾くんおめでと♪とか言うて欲しいんやろ。


やかましわい!

それはもう昨日に…

あっ!!


な〜んや、昨日も会うてたんかい。

や、ねんて明良兄ちゃん。


すねるなや、謙一。


別に、すねてへんけど…

章吾ばっかり、ええなぁと思て。


お前は、どないやねん明菜ちゃんと?


特に進展なし!言うやっちゃ。

店でしか会うてくれへんし……


わかった、わかった。

ほな、レイニー行こか!


うん、はよ行こ♪




あれ?

おかしいなあ?看板消えてるし。

ドアは開くわ。

こんばん‥は〜


ああっ!?

謙ちゃ〜〜ん!!


明菜ちゃん!?

うわっ、どないしたんや店の中!!!


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