いじめやんといて 12
いらっしゃいませぇ〜♪
おお!章吾!!
やっと来たか、お前遅すぎ。
謙一、なに言うてんねん。
バイト終わって劇団で練習したら、いっつもこの時間やん。
章吾、こいつらか?
えっ?
お前に怪我させたんは、こいつらか?
あっ!こいつら!!
(でも、なんかもうボロボロやん。)
翔子さんから聞いて、お前に怪我させたやつ探したら
こいつらが、浮かんだんや。
う〜ん、夜やったからようわからん。
ふ〜ん…
こいつらは、白状してんけどなぁ。
そら、こんだけ痛めつけたら、やってなかっても‥‥
(これ以上は、明良兄ちゃんにさせられん。)
そうか、ほんなら証拠不十分で釈放か?
うん、そやなぁ。
おい!お前ら!
「「は、はい。」」
帰ってええで。
章吾が許したるて
ええ?俺は何も‥
わかってるって。
お前の顔見たらわかる。
その代わり兄ちゃんら、今度はないからな。
は、はい。すいませんでしたぁ!
さあ、気分直して、飲もか。
今日は俺、自分の金で飲むから、カウンターや。
章吾!
俺に恥かかすんか?
そうやないけどぉ‥
ほな、今日はボックスや。
明日は俺ら外したるから、章吾一人でおいでな♪
わかったな、謙一。
は〜〜い。
ほら、翔子さんも明菜ちゃんも、後の二人もおいで。
かんぱ〜〜い。
明良さんって、お仕事なにしてはるのん?
明良兄ちゃんはなぁ、社長さんや!
ええ〜っ!?
すっご〜い。まだ若いのにぃ。
そんなええもんやない、ただのタコ焼き屋のオヤジや。
ただのタコ焼き屋って、従業員80人もおるやんか。
元ごんたくればっかりな。
どういう事なん?
明良兄ちゃんはな、粉もんがブームになる前に
自分で焼ける店始めてん。
お好み焼きはあるけど、タコ焼きは初めてやねん。
ほんで、1つの店が軌道にのったら、若い者にまかせて
今は、38店舗目や。な!
従業員はみんな、若い頃ヤンチャしとったやつばっかりや。
ふ〜〜ん、なんかすごいなぁ。
謙一、お前はうちの宣伝部長か!
だって、ホンマの事やん。
ほんで、謙ちゃんは?
ああ、謙ちゃんはただのサラリーマンや。
明菜ちゃん、ただの‥はないやろぅ。
だって、ただの‥平やろ?
ま、まあなぁ。
俺は明良兄ちゃんみたいな商才も、章吾みたいな男前も
何にもないからなぁ。
ほんでも謙一が、一番安定してるやん。
まっ、そこだけが取り柄かな♪
明菜ちゃん、きっつう〜〜ぅ。
まあ、謙ちゃんにはうちがおるからええやん。
えっホンマに!?
うん。お店の中だけなぁ♪
なんやそれ…
あれぇ〜♪
なぁんか、翔子姉さんと章吾くん、さっきから〜
なんやのん!
いえ、なんでもぉ〜♪
そう言えば、章吾くん。
姉さんの家、見つかったん?
えっ………
そんなん、見つかる訳ないやんなぁ。
章吾くん。
ほ、ほんまや。
あんな、団地の名前だけでわかるかいな。
30棟もあるのに。
えっ?なんで知ってるん?30棟って
ほら、明菜ちゃん、謙一さんのグラス空よ。
ホンマや!ゴメン。
さあ、歌でも歌おか!
ほな、うち明良さんとデュエット!
あかんで涼子ちゃん。明良さんはうちと歌うねんから。
ええ〜っ!?
ともちゃん、ずる〜〜い。
ほな、かわりばんこなぁ。
お前ら、あかんで明良兄ちゃんには怖〜〜い嫁がおるねんで
アホ!まだ結婚してへんわい。
それは、そやけど明良兄ちゃんが頭上がらんのは……
謙一……
あっ、まずい、明良兄ちゃんが不良の目になった!!
アホ。
ホンマや、明良兄ちゃんはずっと不良やで、なあ?
章吾、お前まで!!
翔子さん、助けて。
えっ、うちか?
うちは知らんでぇ♪
そんな、殺生なぁ。