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作者:
掲載日:2026/04/03

結構古い団地に住んでいる、15階に住んでいるのだが、エレベーターに当然乗る。

誰も乗っていないのに必ず八階のボタンが光っている、一階から乗る時も、かごは動いていないのに、八階が光っている。


ある日の夜中、突然甘いものが食べたくなって、コンビニに行くことにした。

エレベーターはまた八階が光っている。


八階に何かあるのかと、好奇心で八階まで覗いてみた。

十五階、十四階と数えていると、八階に差し掛かる頃、血にまみれた足と濡れたコンクリートが見えた。

一瞬のことで驚いてしまったが、何かを見たいと期待しすぎたせいだろうと、そのままコンビニに向かった。

道路を歩いていると、そう遠くない距離から、ぺたぺた、ぺたぺた。

と足音がついてくる、なにかに濡れた足の音。


コンビニまでずっとついてきたが、絶対に振り返ってはいけないと、本能が叫んでいた。

我慢しながら買い物をする、店内でもぺたぺた、ぺたぺた。

とずっと後をついてくる、振り返りたい気持ちと戦いながら、もうどうでも良くなったスイーツをかごに入れ、セルフレジに向かう。

店内には誰もいない、足音も止まっている。

会計を済ませて後ろを振り返らないように、棚を迂回して店を出る。

ぺたぺた、ぺたぺた。


そのまま団地に着いた、エレベーターは八階が光っていない。

ぞっとして振り返りそうになったが、ぐっと我慢をして八階と、十五階を押した。

真後ろに生臭い呼気が聴こえる。

はあーっ、はあーっ。

左の隅に体を移動させる、エレベーターが八階で止まった。

足音が遠ざかる。

ぺたぺた、ぺたぺた。


無事に十五階に着いた。

家に入ると起きていた母親に、

「この団地誰かが八階で死んだとか、飛び降りたとかそういうのないの?」

と聞くと「ここに住んで大分経つけど、そんな話聞いたことないよ」

と言われた。

さっき起こった話をすると、案の定

「気のせいじゃないの?」

と言われただけだった。


次の日八階で降りてみた。

通路を進んでいき左側の真ん中まで進んだ時、突然外を見たくなった。

胸より高い位置にある柵から身を乗り出して下を見る。

しばらくすると、どごおおおおおん!!!

という音と共に意識が消えた。

最後に耳元で「ふたああり」

ふふふふふふふ。








ここまで読んでいただきありがとうございます。

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