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32話 戦術ゼロの怪物

指令室の扉が、きぃ――と鈍く響きながら開いた。

冷たい夜気と共に、血の匂いが流れ込む。


そこに立っていたのは、剣を片手に持った一人の影。

黒髪を乱し、瞳に深い闇を宿した青年――勇者トガリだった。


「ここにいたか」

低い声が、鋼のように張り詰めていた。


廊下には、魔王軍の近衛兵たちが転がっている。

鎧ごと両断された者もいれば、ただ跡形もなく消えた者もいる。

血よりも“欠落”の痕跡が目を引いた。


「お前らの兵は“壁”になりすらしなかったぞ」


トガリの手にある剣が、ぎらりと光を放つ。

その刃は物質ではなく、

まるで世界の理そのものを切り裂くような、

異質な存在感を放っていた。



魔王エルナンデスは椅子から立ち上がり、冷ややかに言う。


「……概念武装。“死”か」


「そうだ」トガリは笑った。


「触れたものは命を絶たれる。

 生き物でも、城でも、大地でも、存在の因果ごと断ち切れる」



オレは反射的に一歩前に出る。

「テメェ……何を企んでやがる」


「復讐だよ、そこにいる

魔王に人間牧場に送られてからオレは

インポになっちまった」


そうか……そいつは可哀想になぁ


オレはバッと魔王の顔を見る。


魔王がバツが悪そうに答える。


「ああ、捕らえた時に

やらせろ、やらせろとうるさかったのでな

望み通りに人間牧場に送ってったのだ。」


えげつねぇな。先輩


「まあ、同情はするが。

悪いが魔王とは休戦条約を

結んだばかりでお前に暴れられると

迷惑なんだよ」



「ふざけんじゃねぇよ!!!!

テメェらの都合を俺様に押し付けんじゃねぇ」


トガリが激昂する。


まあ、仕方ない。

少し静かになってもらおう。



オレは魔力を弓の形に

なぞらえて集中させる。


「そっか、じゃあ

死んでくれ」


オレは魔力の矢を

思いっきりトガリに向けて放つ。


不意を突かれたトガリは

思い切り受けた様に

見えた。



しかしトガリにあたる直前に

オレの放った魔法の矢は

たち消えた。


「なっ……?ああ…!!?」


「概念武装は何も武器だけ

ではない」


魔王がオレに静かに告げる。


「鎧の様に纏う事も可能の様だ。

無の概念を鎧にした状態では

我々の攻撃は通じない」


「おい、冗談じゃねよ!!!」



だとしたらアイツ…


無敵じゃねぇか!!!!!


「おい!!!!王様!!!

いきなり攻撃してくるなんてどういう

神経してんだよ!!!!」


トガリは何やら喚いているが

オレの耳には入ってこなかった。


眼前にいるトガリは

どうやら本当にやばい能力を

持っているらしく


全く勝ち筋が見えなかった。


こんな奴どうやって

捕らえたんだよ。


そうだ!!!!


「反魔法陣は設置して

ないのか!!!?」


以前、勇者を捕まえた時に

使用したという反魔法陣。


周到な先輩の事だ。

勇者が来るかもしれないのであれば

絶対用意しているはず!!!!


「ある……が

恐らく効果がない。

………まあいい」


魔王は反魔法陣を

発動させる。


光が現れ

効果が表れようとした


その瞬間にトガリは地面に

剣を地面に叩きつける。


すると反魔法陣はその力を成さず

みるみるその光を

失ってしまう。


「そいつは

もう対応済みだぜ。」


その姿を見てこれは正面から戦っても

勝ち目はないだろうと

直感した。



オレは魔王とアイコンタクトを取り

目で上を見る合図を送った。


魔王が頷いた。


長年一緒に訓練してきたのだ

目の動きだけで大体の意図を

把握が可能だった。



「なんなんだよ

お前ら!!!!

問答無用かよ!!!!」



トガリは襲いかかってくるものの

その太刀筋は雑だ。


足さばきがいい加減な為、簡単に

距離が取れる。


避けるのはそんなに苦ではない。


ただし当たればそれは能力により

致命傷となるだろう。


外に倒れている

兵士達の様に。



オレは咄嗟に、魔力をかき集めて竜巻を発生させた。


轟音と共に風が渦を巻き、机の上の書類も、壁に掛けられた旗も、すべて宙に舞い上がる。

一瞬で視界が白く乱れ、室内は混沌に包まれた。





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