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24話 おわりの国 ――王と魔王、宿命の刃

戦場


最前線ではジグムントが、なお優勢を保っていた。

すでに何万という兵を切り伏せながら、彼自身はいまだ一太刀も浴びていない。


だが――それでもアンナ元帥の堅牢な指揮を崩せないのも事実だった。


ジグムントはふと空を仰ぐ。

先ほどまで自分たちを悩ませていたザムザの部隊の影が、

どこにも見えない。


(何故だ……ザムザの部隊はどこへ消えた?)


そこへ、魔王直属の護衛兵が前線に現れはじめた。

全てを悟ったジグムントは、奥歯をギリリと噛みしめる。


「バカモノ共がぁああああああ!!

 何故お止めしなかった! 何のための護衛だぁあああ!!」


「……また悪い癖が出おったか!」


追い詰められたとき、己の命を囮に使う――魔王の悪癖。


何度諫めても、エルナンデスは改めない。


魔王が死んでは意味がない。

この老人は、ただそのために剣を振るってきたのだ。


「エルナンデス様ぁあああああああああああ!!」


ジグムントは指揮を放棄し、魔王のもとへ駆けようとする。


――しかし、アンナ元帥がその進路を塞いだ。


「困るな、ジグムント将軍。

ここは通せん」


アンナはザムザを信じることにした。


無茶でも、理屈に合わなくても、あの男は作戦を成功させてきた。


その直感に賭ける――そう決めていた。


アンナはジグムントの足止めに、数多の兵士を配置する。


「押し通るぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」


ジグムントは意に介さず、王国兵の首を次々と刎ねながら魔王のもとへ迫る。




ザムザは部隊を密かに魔王の近くへ移動させていた。

普段なら飛ばないほどの高度――太陽に重なるその位置から、奇襲を仕掛ける。


オレはありったけの魔力を弓へと変換し、風の矢を引き絞る。

狙うはただ一人――魔王。


その刹那、魔王がこちらを振り向いた。






魔王は知っていた。

自ら防御を薄くすれば、ザムザが急襲してくることを。

あのメイビスの時の成功体験がある。

たとえ罠を疑っても、奴はこの好機を逃さぬ――。


だからこそ、誘ったのだ。

空を自在に飛び回るザムザを討つには、この手しかない。


「この瞬間こそ、我が宿命!!!!!」


魔王は炎の魔力を槍に顕現させ、上空へと放つ。


風の矢と炎の槍が空中でぶつかり、轟音とともに霧散した。


それが――

王と魔王の戦いのゴングだった。 


王と魔王がお互いの

存在をあらためて確認する。


ザムザの部隊は魔王に向かい

次々と魔法を仕掛けるが

魔王は全く意に介さない。



ーーーー次の瞬間



ザムザ達は部隊ごと

地面へと落ちていった。


何が起こったのか

分からなかった。


風の魔法を使い

立て直そうとするが

発動する事が無い。



なんでだ?魔法が使えない?


ザムザ達はちょうど

魔王のいるその場所に

墜落した。



目の前には魔王がいた。


オレは受け身を取るが

衝撃を流しきれない。



他の部隊の人間も同様の

ようだ。



地面には複雑な文様の魔法陣が

描かれていた。


それらの文様は地面の下から

光を放っているようだ。



「反魔法陣、我が種族固有の能力だ。

準備するのに時間がかかる上

効果範囲も魔法陣内と限定はされる。

比較的回避のしやすい罠だ。」



「発動させれば

一帯の魔法は使えなくなる。」


「もっとも、我らも魔法が

使えんがな……」




「お前が魔法を使わせると上空に

逃げられる。

その為、手を尽くさせてもらった。」


「部下に任せると取り逃がす可能性がある。

ザムザよ、お前は危険だ。

余が一番それを理解している。

その存在もその知性もな




魔王が剣を抜き

耳を裂く金属音を奏でる。


煌めく装飾を

施された業物である。


その剣の切っ先を

ザムザに向かい

突き立てる。


濃厚な死の匂いがした。



「降伏しろ。

受け身を取ったようだが

その体で戦えまい」



「ヤダね」


オレは震える

足を何とか持ち直して

立ち上がる。



ふざけんなよ

目の前のコイツを

倒せばオレの勝ちだ。



王国の人間の顔が

脳裏に浮かぶ。



アンナ元帥や


オレを守って死んでいった

コンラッド。


そして

ユリシアの笑顔。


自分の為だけで

戦ってるわけでもないんでね



オレは剣を抜き

魔王と対峙する。



「ボロボロだろうが

何だろうが関係ない。」


「目の前の魔王をぶっ飛ばす!!!!」


「そんでもって勝つ!!!!」


「死ぬほど分かりやすい

オレの答えだ!!!!!!!」


オレはズバッと魔王に

震える人指し指を突きつける。


魔王は少し笑うと

刹那、戦士の顔を見せた。

その瞳にかすかな敬意がよぎった。


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