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14話 王と影、共に歩む

朝、結婚式が終わってから数日後

オレはユリシアから

反乱の報告書を渡された。



オレは報告書に目を通しながら

私室でユリシアと朝食を

取っていた。



魔王軍の侵攻と同時に

反乱を起こす計画。


もし、それでも仮に

魔王軍の侵攻が失敗した場合


内政官、

政治機関と国家内重要施設を

掌握して国王を脅迫



民衆を扇動して

国王の権威を失墜させた上で

幽閉し貴族から国王を

輩出する計画。



それらの計画に対する

目標人員の確保と

物資の準備に関しては

既に達成していたという事だった。



つまり、もしあのままオレが

貴族の反乱計画を放置していた場合

オレは詰んでいたという事だ。


思わず冷や汗をかく。


オレは報告書をパサリと置き、

朝食を終え、茶を飲んでいる

ユリシアに尋ねる。


「ユリシア、お前、

この計画全部知ってたのかよ」


「そうだ、ワタシが貴様に

結婚をせまったのは

その計画を潰す為だ。

もはや猶予はなかったからな」



「というか、その事はワタシの婚約状に

書いておいたぞ?

貴様読んでいないだろ?」


「うっ……」


そうだったのか……知らなかった。


ユリシアがカップをコトリと置いた

置き続ける。


「言っておくが民衆への扇動や

国家の重要施設の掌握は

既に始まっていたぞ?

お前が気づかぬ内にな」


おいおい、マジかよ……


「だから、ワタシはまず、

その牽制の為に貴様に接触し

その後、結婚式を使い反乱を誘発して

貴族共の出鼻を完璧にくじいたのだ」


「いいか?搦め手、謀略というものは

気付いてさえいればなんてことは無いものだ。

気付かないという事が問題なのだ。」




『ふふふふふ♡

凄まじい手腕ね

彼女の方が王に向いてるかもね?』


そうかも、しれないな。

オレはここまでできない。


王宮の外では人のざわめきなどの

生活の音が溢れている。


それに紛れて陰謀が少しずつ

進行していたなどと

オレには想像できない事だった。


疑問に思う事があった。


ユリシアの強引さは知っているが

それにしても親身になって動いてくれていた。


ユリシアに対してそこまでしてくれる程の事を

オレはユリシアに対してした覚えはない。



「けど、なんでここまでしてくれるんだ?

家の再興だけが目的ではないだろう?」


わざわざ王宮に押しかけてまでの

結婚問答、ユリシア自身の味方になっても

おかしくない貴族達への切り捨て。


一個人がここまでするのは

生半可の事ではない、


「ふむ、端的に言うと貴族の務めを

果たす事だな。」



「民あっての国であり貴族であり王なのだ。

それを守りもせず、壊そうとするのは

ワタシの決めた美学に反する」


ユリシアは少しため息をついた。


「ワタシはな、父に幼少期から抑圧されていた。

父はワタシを政治のコマとして使った。

もし、失敗すればワタシは殺されていただろう。」


「正直、恨みしかない。

父は謀略や搦め手の師でもあるが

手取り足取り教えたわけではない」


「お前がえげつないと評するワタシの手腕は

全て、父からの実体験を経て盗み取ったものだ」


「はじめ、父が斬られたと聞いて耳を疑ったぞ。

ワタシは父を斬った

どんな男か知りたいと思った。


「ワタシは父という巨大な鎖があり、

自由に動けなかった。

しかしその鎖を貴様が文字通り切った」



「だから、動く事が出来た。

それだけだ…」




そうだったのか…


ユリシアの顔が珍しく苦悶の表情を浮かべていた。

自分の父親に対して苦々しい思いがあるのだろう。


しかし、ユリシアを動けなくするほどとは

あのワルイという宰相はどれだけ大物だったんだ。


深く考えずにワルイを討ったが、

今思えば最大の偉業だったのかもしれない。



「貴様と私は本来、表裏一体だと思う」


「それが光か闇かの違いだ」


「そうか……」


そうなのかもな、オレは思う


得意分野も考え方もオレとユリシアは正反対だ。


しかし、目指す方向としては一緒。


支え合う事のできる頼りになる

パートナーだ。



「さて、貴族の思惑を潰したという事は

魔王軍の思惑も潰したという事だ。」


「そうなるな」



「そろそろ次が来るぞ

心しておけよ」



オレはユリシアの言葉にゴクリと

喉を鳴らした。



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