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8話 本番に向けて!

「うわーちこくだ!!」

 昨日は夜も練習していたから、つい起きるのが遅くなってしまった。


 いそげいそげ。

『これも良い運動ね』

 ポジティブな言葉にわたしはうんとうなずいた。



 よし。今日も学校をがんばって、ダンスのレッスンをするんだ。



「で、あるからして。」

 いつもより、スラスラとノートが書ける、難しい問題がわかる。なんか勉強ができる気がする。

 心がずっとソワソワする。


 眠い時はレシアが起こしてくれて頑張れる。この調子ならテストも良い点取れるかも?お母さんにがんばっているよって伝えたい。



 やる気がある日の、学校はいつもより早く終わった気がする。

「よし、ダンスをがんばるぞ。ひらけ、夢のかけら!!」


 本は私の気持ちと一緒のように嬉しそうに飛び上がった。気づくと、いつものようにレシアと妖精達がいる。



 ん?


 なんかステージがいつもよりキラキラしているような。

「元気ねツイ。今日は新しいステージを作ってみたのどう?」


「うわあ」

 まるで、ピンクの世界みたい。

 ハートやリボンがステージにちりばめられている。


「すっごくかわいい!!」

「でしょー、すっごくがんばったの。ねぇみんな。」


 そういうと、周りの光りは明りがついたり、消えたりしておどっているようにヒラヒラと動いていく。



「どう?気分あがった?」

「うん、すっごく!! ここでおどりたい!!」

「えぇ。もちろんよ」


 そういうと、わたしの手をひいてステージに登らせてくれた。

「じゃあ今日は歌っておどる練習よ。タイミングをしっかり取るわよ!そして?」

「想いも大事!」

「そう!」



「~~~♪」

 ここでターン!


 あっ

 少し遅い。


「大丈夫よ。切りかえさえできれば取り返せるわ。いい?次のことを見失わない。」


 そうだ。


 ここで

「――!」

 ジャンプ!!


「良い感じ!!」

 なんかいつもより身体が軽い。



「次は~だよ」

「良い感じ」

 妖精の声が聞こえてくる。

 周りに飛んで、まるでわたしに力を貸しているみたい。


「一旦、これでおわり。」

 そういうと音が止まった。

 レシアは満足そうに手を叩いてくれた。


「最初なのに、とても良かったわ。」

「ありがとう。」

「じゃあ、細かいところを見ていきましょう。」


 レシアが指を鳴らすと、さっきできなかった音楽のパートが流れてきた。


「ここの切り替えね。これの後は、足をこうして」

 しっかり覚えてくれている。

 わたしのおどりを見てくれて、もっと良くしようとしてくれているんだ。


「ありがとうレシア。」

「どういたしまして。わたしね、いますっごく嬉しいの。あなたがかがやいているから」


「へへへ。ありがとう。」

「じゃあ、もう一回歌とダンスを全部やってみましょう。」


「うん」



「~~~♪」

 ステップ!!


「――!」

 一回叩く


「――!」

 ジャンプ!!


「すっごくいいわ!!」

 レシアの歓声と共に音楽が鳴りおわった。


 あれ?私、もうほとんどおどれている。

 こんなにおどれるなんて。


 レシアはわたしを抱きしめて、頭をなでてくれた。

「ナイスよ!!」


「えへへ。てれるよ」

「いいのよ照れて。」


 本当に楽しい。


 知らないわたしに出会っているみたい。

 こんなわたしがいるなんて。

 パチパチパチ


 レシアは嬉しそうにわたしに手を叩いてくれた。


「はい、ツイも自分に拍手」

「自分に拍手?」

 自分に拍手するの?


 人にしたことはあるけど、自分に拍手なんて初めて言われた。

「そうよ。拍手は誰かにするものだけじゃなくて自分にもしてあげてもいいと思うの。

 だってツイは今日頑張ったでしょ?」


「うん。」

「じゃあ自分に拍手」


 レシアに言われ、手を叩いてみる。

 パチパチパチ


 少し不思議な気分だけど、なんか頑張ったって気になる。


 自分をほめるってできるんだ。



「よし、良い感じだったわ。じゃあ明日はリハーサルよ」

「リハーサルか。えっ、もう明後日が本番なの!?」


「いける?」

 レシアはにやっとしながら聞いてきた。

 わたしの答えは決まっているって分かっているみたい。



「もちろん!!やってみる」

「えぇ、がんばりましょう!!」


 怖いけど、がんばりたい。

 成功させたら、もっと新しいわたしに出会える気がする。


「~~~♪」

 ステップ!

「――!」

 ジャンプ!


 家でも少しだけ練習した。

 あまり疲れちゃだめだけど、絶対に成功させたい。


 本番が楽しみ!


『すっごくかがやいている。あなたに会えて良かったわ』

『わたしも。だって、レシアがいなかったらこんな気持ち知らなかった。』

『そう?』

『うん。』

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