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4−1 自らの力
程よく湿気を含んだ空気が冷たくて気持ち良い。
ボクはその足で書庫へ向かった。
書庫と言っても、小さな図書室のようなものだ。
ドアも何もない空洞に入ると、壁一面の本棚が目に入る。
本棚により掛かるように少年が眠っている。
冷え切った肉球で顔を軽く叩いてやると驚いた様子で目を開いた。
「なんだ、ノクターか……」
と言ってまた眠ろうとする。
呑気な御主人様だな、と思いアルディスを呼びに戻った。
淡い青色の猫が、机代わりの樽に飛び乗った。
「また、彼は書庫で寝ているのか?」
そう問いかけると頷くように下を向いた。
「わかった、行こうか。」
そう言って彼女を抱きかかえ、書庫へ向かう。
だが書庫に入る直前、聞いたことのない音がした。
もしや彼が? と思い急ぎ足で書庫に向かうと、黒いローブを纏った人間が倒れていた。
書庫の奥には、怯えた目でその人間を見つめる零音くんがいた。
更新が遅くなりすみません。
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