3−1 新たな出会い
道中で見つけた洞窟の奥深くに進んでいくと、美しい結晶が壁一面に埋め込まれた部屋にたどり着いた。
満天の星空をそのまま散りばめたような数多の結晶に零音は息を飲んだ。
「ノクター、これは一体……」
零音が驚きながら言葉を漏らすと、ノクターは優雅に部屋を見回しました。彼の両目に結晶が映り、神秘的な輝きを放っていた。
その時、部屋の奥から不気味な人物が姿を現した。
零音は警戒し、姿勢を低くとった。
「大丈夫だよ、取って食ったりしないから」
そう言ってから、フードを取って零音を見つめた。
「ようこそ、零音くん。君がここへたどり着くのを待っていたよ。」
零音は少しの間考え、こう言った。
「あなたと会ったことがある気がするのですが。」
「あぁ、そうだよ。もうずっと前、まだセレスティアが田舎町だった頃にね。」
セレスティアが田舎町?そう言いそうになって零音は口をつぐんだ。
どこよりも発展した都会が田舎町だった頃なんて、相当前に違いない。
「一旦この話題は置いておこうか、これは自分で調べることだ。」
そう言うと咳払いをし、零音に向き直った。
「私達は、セレスティアの謎に深く関わっている。そして、私達の計画に必要なのは君だよ。零音くん。」
恐怖と好奇心を天秤にかけ、零音はその人物の言う”計画”に賛同することを決めた。
ノクターは、その一部始終を何も言わず見つめていた。
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