1−2 星夜の調べ
零音は手がかりを求めて街を歩き回った。彼の歩みにはどこか音楽的なリズムが宿り、まるで都市自体が彼に合わせて響いているかのようだった。セレスティアの人々は彼の姿に気づきながらも、彼が持つ謎めいたエネルギーに引き込まれていた。
零音が訪れた場所ごとに、彼の脳裏には違った音楽の断片が現れた。それはまるで星座が宇宙に散らばるように、零音の中で織り交ぜられていく。
夜になると、零音はセレスティアで一番高いビルまで足を運び、星々の輝きを眺めた。すると、彼の中の音楽が一層強くなり、その音の中に言葉やイメージが浮かび上がってきた。
最初は小さく聞き取れなかった声がだんだん聞こえてきた。
「ミューズの使いよ……過去を知れ……全てを治める素質が……そなたにはある…」
彼は星のような光が散りばめられた夜空を見つめ、そっとため息をつく。
その時、何か柔らかいものが足元にすり寄ってきた。
「猫……?」
淡い毛並みをそっと撫でると、ふわふわと温かかった。
「僕と一緒に来てくれる?」
そう問いかけると、返事をするように可愛らしく鳴いた。
猫は優雅に足元を回りながら、再び鳴き声を発した。零音は深呼吸をし、彼の中に流れる音楽が新たなエネルギーとなって躍動しているのを感じた。彼は自らの手がかりを求める旅が、ただの迷子ではなく、宇宙の力と繋がっていることを理解し始めた。
「一緒に来てくれるんだね。ありがとう。」零音が微笑むと、謎の猫は彼の肩に飛び乗り、新たな冒険の道を共に歩もうとした。
猫は優雅に耳を傾け、まるで彼に共鳴するような仕草を見せた。そして、星々が煌めくセレスティアの夜空の下、零音と猫は未知の旅路に踏み出すのだった。彼らは街の中で音楽の謎を解き明かし、セレスティアに秘められた力の源を見つけ出すために冒険を続けた。
その冒険の中で、零音と猫は新たな仲間や挑戦に出会い、セレスティアの奥深い秘密に迫っていくことになるだろう。そして、星々の調べが彼らを導く先には、未知の可能性と驚きが待ち受けていることだろう。
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