アイスクリーム
翌日、サージュとイーシャは町の教会に行った。
教会はいろんなところから人々が訪れているようで、人であふれていた。
サージュとイーシャも祈りを捧げる。
その時だった。
紫色の長い髪をした女性が目に入った。
「あれは……」
「? どうしたの、サージュ?」
「リエンテ!?」
「え? リエンテさん?」
「リエンテ!」
「? あなたは……まあ、サージュさん! イーシャさんも!」
「ここでリエンテに会えるとは、思わなかったよ!」
サージュは祭壇の前にいたリエンテに近づいた。
「サージュさん、イーシャさん! お久しぶりですね! 村に帰ったんじゃなかったのですか?」
「ああ、自分のルーツを探す旅をしていたんだ」
「そうですか。それでご自分のルーツは何か見つかったのですか?」
「ああ。どうやら俺はこの国の王子だったようだ。今は王族待遇で王城に滞在しているよ」
「それはまあ……サージュさんは王族に加わるつもりですか?」
「いや、俺は王族にはなりたくない。それに俺が生きた16年は冒険者のものであって、王族のものじゃない。でもうれしいよ、リエンテとこうしてまた会えて」
「ねえ、リエンテさん。このままマリーノの町を見てみない?」
「ええ、いいですよ。また三人で旅してみましょう!」
三人はマリーノを観光することにした。
マリーノは「アイスクリーム」が人気らしい。
三人はそろってアイス屋でアイスクリームを食べることにした。
「いらっしゃいませ!」
エプロン風の制服を着た女性店員が愛想よく迎えてくれる。
この店の名前は「ドルチェ」だった。
サージュは店の中にゆっくりと入っていった。
「すいません、アイスクリームを食べたいのですが、何かおすすめはありますか?」
「そうですね。標準と言ったらバニラアイスになりますが?」
「バニラ?」
サージュはアイスクリームのケースをのぞいてみた。
「こちらの白いものがバニラになります」
「わかりました。そのバニラを三人分ください」
「かしこまりました」
店員はコーンにバニラアイスをくっつける。
「はい、一人150ソリッド(Soliddo)になります」
「わかりました。サージュは三人分450ソリッドを支払った。
店内にはイートインコーナーがあって店内で食べることができた。
サージュは席に着いた。
「さて、いただくとしようか」
サージュはバニラアイスにかぶりつく。
「く!? 冷たーい!」
イーシャやリエンテもアイスクリームに口をつける。
「確かに冷たいわね」
「そうですね。でも甘くとろけるようなクリーミーな味がありますよ」
「これは少しずつ食べていったほうがいいな。でも、おいしい!」
サージュたちはコーンまで含めておいしくアイスクリームをいただいた。