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海の子供たち   作者: Siberius
竜との邂逅編
5/65

マンドラゴラ

ヴェノーザは商業によって発展した町である。

北から南の街道と、東から西への街道がちょうど交差する地点に位置していた。

ゆえに人が集まり、交易が盛んだった。

サージュとイーシャそしてピエットはヴェノーザに到着した。

「ヴェノーザについたな」

「へえ、ここは商業の町なのね」

「さすがですね。見てください。店がたくさんありますよ」

「じゃあ、ピエット、ここで別れようか」

「はい、ではお二人に幸あらんことを」

ピエットは一人で町に入っていった。

「…………はあ……」

サージュが大きなため息をはいた。

「やっと別れられたわね」

とにかく旅のあいだピエットは自分の武勇伝を――それも妖しかったが、ひたすら語っていた。

サージュとイーシャは道中、耳を防ぎたかった。

ピエットは疲れる、頭痛の種であった。

サージュは厄介ごとがなくなって元気を取りもどした。

「今日は宿に行こう」

「そうね。私も疲れたわ」

二人は宿にチェックインした。

サージュの部屋にて。

「そろそろおカネがなくなってきたな。明日は冒険者協会に行こうと思う」

「そこで、仕事を紹介してもらって、報酬をもらうのね」

「ああ、そういうことだ。もう、眠くなってきたから俺は寝るよ」

「おやすみ、イーシャ」

「おやすみ、サージュ」



翌日、二人は冒険者協会を訪れた。

「何か、仕事を探しているんですが」

「そうですね。ことらが協会で今現在出されている仕事になります」

受付嬢が答えた。

「私にも見せて」

二人が見ているのは主にモンスター退治のリストであった。

ふとサージュの目に入ったのは。

「森の中のモンスター退治、600デナリオン?」

「マンドラゴラ?」

「その件でしたら、町の東にある森の中にマンドラゴラが寄生していまして、それを退治する仕事でございます」

サージュはこの依頼を受けることにした。

「じゃあ、この依頼を引き受けます」

そう言うと、サージュとイーシャは町の東にある森へと行った。

森の中でサージュとイーシャは林道を歩き、木々から木漏れ日の光を受ける。

「この森の中にマンドラゴラがいるのか」

サージュは辺りを見わたした。

「なんだか気持ちいいわね。いい森だわ。こんなところにマンドラゴラがいるなんて信じられない」

「話によると、林道を歩いていて襲われたケースもあるらしいから、気は抜かないほうがいい」

「そうね」

ふと、森の中の木々が茂ったところから、ツタ状の触手が現れた。

触手は背後からイーシャをからめとった。

「きゃああああああ!?」

「イーシャ!」

サージュはとっさに振り返った。

触手はイーシャにからみつき、森の外れへと姿を消していった。

サージュは剣を抜いてイーシャの後を追った。

だんだん暗くなっていく。

サージュは森の外れの奥で、寄生しているマンドラゴラを見つけた。

マンドラゴラはその触手でイーシャを捕まえていた。

「これが、マンドラゴラか……」

「うっ、サージュ……」

「イーシャ、今助ける!」

マンドラゴラの触手がサージュに伸びる。

「そうはいくか!」

サージュは触手を剣で斬り裂いた。

しかし、マンドラゴラの触手は多く、サージュはそのうちの一本に足をからめとられた。

「くっ!?」

サージュは剣で触手を斬った。

マンドラゴラは女性の上半身に、茎のような体を持ち、多くの触手を備えていた。

マンドラゴラは奇声を発した。

サージュの頭は傷んだ。

「なんだ、これ!? 頭が割れそうだ!」

サージュはイーシャをからめていた触手を斬った。

ドスンとイーシャが地面に落下した。

「痛い!」

「イーシャ、大丈夫か?」

サージュはイーシャに近寄った。

「ええ」

イーシャはからまれていた触手をほどいた。

「イーシャ、炎の魔法を使ってくれ!」

「わかったわ! 火炎噴!」

イーシャはワンドを取り出し、マンドラゴラに向けて炎の魔法「火炎噴」を放った。

炎が地面から噴出した。

マンドラゴラは大きな絶叫を上げた。

「効いている。炎が弱点だ!」

サージュはマンドラゴラの体に剣を打ちつけた。

「サージュ、下がって!」

「ああ!」

「炎の槍よ。双連・火炎槍!」

イーシャはワンドの先端から炎の槍を二本撃ちだした。

炎がマンドラゴラに当たり、燃え盛った。

マンドラゴラは炎上した。

マンドラゴラから動きが消えた。

どうやら、マンドラゴラは死んだらしい。

「ふう、やったな。イーシャ!」

「サージュが援護してくれたからよ!」

二人はマンドラゴラを退治した。

二人はヴェノーザの冒険者協会に戻ると、報酬の600デナリオン受け取った。

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