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海の子供たち   作者: Siberius
竜との邂逅編
16/65

イシャールの塔

サージュとイーシャはトリデントの宿に泊まった。

トリデントの中では戦後処理が行われていた。

戦争が終結したため、トリデントでは海上貿易と海運業が再び活発になり始めた。

サージュはベッドから降りて立ち上がると、部屋の窓に近づいた。

窓を開けて、陽光と新鮮な空気を味わう。

ドアがノックされた。

「サージュ、起きてる?」

「ああ」

イーシャがサージュの部屋にやってきた。

「サージュ、おはよう」

「おはよう」

イーシャはサージュの近くまで歩いてきた。

「イシャールが言っていたことが俺には気になるんだ」

「次の舞台?」

「そう、その次の舞台って何なのか、それはどこなのか?」

サージュは考え込んだ。

「まずは朝ごはんにしましょう? 今はわからないんだから、考えても仕方ないわ」

「……そうだな」

サージュとイーシャは朝食を取ることにした。

二人は朝食を終えると宿の外に出た。

「とりあえず、今後の予定としては、トリデントからターレント(Taarento)へ向かおうと思っている」

「ターレントに? じゃあ、海を渡るのね?」

「そうだ。トリデントの都からターレント行きの船が出ている。それに乗ろう」

「あれ? ねえ、サージュあれを見て!」

イーシャが指示した方向に塔が建っていた。

「あれは!?」

塔は小高い森の中に建っていた。

塔全体から魔力があふれていた。

「あんなところに塔なんてなかったはずだわ」

「あれは……イシャールの塔だ!」

「あれが?」

サージュは塔を凝視した。

サージュは手を握りしめた。

「あそこから、イシャールの存在を感じる」

「何か、邪悪な魔力を感じるわね。危険だわ」

「行こう、あの塔に」

サージュとイーシャはイシャールの塔に向かった。



二人は森を上へと歩き、イシャールの塔を目指した。

二人は塔の前で立ち止まった。

塔には入口らしきものが見当たらなかった。

「入口がないな」

「そうねうの。どうやって入るのかしら?」

塔の前をよく注意すると、魔法陣が描かれていた。

「見て、サージュ。魔法陣があるわ」

「本当だ。罠には見えないが……入ってみよう」

二人は魔法陣の中に足を踏み入れた。

「緊張するな」

「きゃっ!?」

「これは……」

すると魔法陣から足場が出て、二人を上へと運んでいった。

「上に上がっているわ」

「これで上に行くのか」

二人は足場に運ばれて、塔の上へと向かって行った。

「この塔の中はどうなってるんだろう?」

しばらくすると二人は塔の上に到着した。

「降りよう」

二人は魔法陣から降りて塔の上に立った。

「あそこに階段があるわ。あれが入口かしら?」

サージュは塔の上で不審なものを見つけた。

それは赤く染まっている部分だった。

赤い部分に近づいてみる。

サージュはしゃがんで触れた。

「これは……血だ」

「血? こんなところにどうして血が?」

「わからない。何か流血ざたでもあったんだろうか……?」

サージュは血に染まった部分を険しく見つめた。

「イシャール……ここでいったい何があったんだ?」

サージュはしばらくそこにとどまった。

「考えても無意味よ。塔の中に入りましょう」

「そうだな」

サージュは立ち上がり階段へと向かった。

「ここから、中に入れそうね」

イーシャは階段を見おろした。

二人は階段を降りて塔の中に入った。

塔の中に入ると、廊下に出くわした。

二人は中を歩いていく。

「行き止まりだ」

「どうしたのかしら?」

「どうやって先に進むんだ?」

二人は迷った。

するとその時扉が開いた。

「! あいたわよ」

「何だろう? この箱型のものは?」

二人は警戒した。

二人が身構えたのはエレベーターであった。

「中に入れるみたいだ。入れば下に行けるのか?」

「どうするの、サージュ?」

二人はエレベーターを見つめていたがやがて足を踏み出した。

「入ってみよう」

二人はエレベーターの中に入った。

扉は自動で閉まった。

エレベーターは動き出し、下方へと進んだ。

二人にとってエレベーターは初めての体験だった。

「何か浮かんでいるような気がする」

「なんだか、怖いわ。落ちないかしら?」

二人の不安を無視して、エレベーターは下の階へと向かった。

「確かに、下に向かっているようだ」

「どこまで行くのかしら?」

エレベーターがゆっくりと停止した。

また自動で、扉が開いた。

「出よう」

二人はエレベーターから外に出た。

二人の前には怪物がいた。

ライオンのような顔にヤギの顔がついた化け物が待ち構えていた。

「キマイラだ!」

「戦うしかなさそうね!」

二人は戦いに備えて武器を構えた。

キマイラは侵入者をその目でとらえた。

「俺が前に出る! イーシャは後ろから援護してくれ!」

「わかったわ!」

サージュはキマイラの前に立った。

キマイラも立ち上がり、大きな姿勢を示した。

威風堂々たる体躯たいくをしていた。

キマイラの咆哮が響き渡る。

キマイラは獲物を見る目でサージュを見た。

キマイラはサージュに向かって跳びかかった。

サージュはくるりと回避した。

キマイラの鋭い牙が光った。

キマイラは再度サージュに向かいなおった。

徐々に近づいてくる。

サージュはキマイラを引き付けた。

キマイラは口から炎の息をはいた。

サージュは水のバリアを張り、炎の息を防いだ。

「雷よ! 落雷!」

イーシャが雷の魔法を唱えた。

雷がキマイラを打ちつける。

「今よ、サージュ!」

サージュはキマイラがひるんだ隙に剣で斬りつけた。

キマイラはうめき声を上げた。

キマイラはヤギの口が紫色の息をはいた。

これは毒の息だ。

サージュは毒の息を横にそれてかわした。

キマイラはサージュに執拗に跳びかかった。

鋭い牙でサージュにかみつこうとする。

サージュは水を剣に収束した。

そしてキマイラを水の斬撃で吹き飛ばした。

キマイラは地すべりを起こして倒れこんだ。

すかさず、イーシャが魔法で追い打ちする。

「水の槍よ! 水泡槍!」

イーシャはワンドから水の槍をキマイラに発射した。

イーシャの魔法はキマイラに直撃した。

キマイラはゆっくり起き上がった。

キマイラは駆け出し、サージュに接近してきた。

キマイラがサージュにかみつこうとする。

サージュは足を使って巧みにかわした。

キマイラは前足の鋭い爪で攻撃してきた。

サージュはそれをかわし、剣でヤギの口を突き刺した。

キマイラは大きく叫んだ。

サージュはヤギの頭を潰した。

「水よ! 水泡弾!」

イーシャは水の魔法を唱えた。

水の弾をキマイラに命中させる。

水の弾ははじけ飛び、大きな衝撃を起こした。

サージュはその隙を見逃さなかった。

剣でキマイラに斬りつける。

キマイラは口に炎をともした。

キマイラは口から炎の息をはいた。

サージュは横によけた。

キマイラは突進してきた。

サージュは大きく跳びのいた。

サージュはキマイラに水の刃の剣「水波斬」で攻撃した。

キマイラは悲鳴を上げた。

キマイラは動かなくなり、息絶えた。

キマイラの体は赤い粒子と化して消滅した。

「倒したな」

「やったわね!」

部屋から魔法陣が出現した。

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