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女は美し、私は笑い  作者: 直野
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コンタクト

シュミレーション機能が私の中に備わっている

『会話』


相手があげた写真や呟いたコメントにいいねを押すことが 僕と彼女の二人だけのコンタクトだ

いいねを押すということは僕たちの中で 未だにあなたのことを愛していますと伝えるということだ


僕も彼女もシャイな性格だから 言葉にするのは恥ずかしくてできない

それでも 僕は彼女に 彼女は僕に 何とかして伝えたかったから

最初はアイコンタクト 次は握手 その次は手紙

他にもあったけれど どれも難しかったり 恥ずかしかったり 時間がかかったりした

だから二人で悩みに悩んで思いついたのが難しくも恥ずかしくも時間がかかったりもしないこれだった


僕は小指を立てた右手の写真を 彼女は小指を立てた左手の写真を

朝起きたらあげて 相手の小指が立てられた手の写真にいいねを押す


これが僕たちの会話だ




『幻滅』


オンラインゲームの世界では流暢に喋れるくせに 学校では君と目さえ合わせない僕に

君は心配して 呆れて 幻滅してしまうだろう


君に伝えたいことがあると連絡してきたくせに いざその時となるとふざけた物言いで告白する僕に

君は落胆して 失望して 幻滅してしまうだろう


君が死ぬときは一緒に死んでやると言い張ったくせに 屋上から下を見下ろして怖気づく僕に

君はがっかりして 消沈して それから羨んでいた




『言葉』


言葉とは怖いものだ


どんなに笑顔で言っていることも 絶対に冗談と分かっている言葉も 


その言葉が自分を否定したり嫌悪していたりすると


その人が怖くなってしまう 死んでしまいたくなる


言葉とは恐ろしいものだ


どんなに不安そうな顔で言っていることも 信憑性が無いような言葉でも


その言葉が自分を信じていたり助けてくれる言葉なら


頭がその人で埋まってしまう こんな詩を書けなくなってしまう

一度も会っていなくて毎日会っている

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