神様
結局は僕が一方的に理想を押し付けていたんだ
『お誘い』
いつも落ち着いた彼が落ち着きを無くしていた
それだけでいい それだけで私はお誘いを受ける
意地でも目を合わせない彼が私の目だけを見つめていた
それだけでいい それだけで私は彼を幸せにしたい
恥ずかしがって一度も言わなかった「愛してる」を言ってくれた
それだけでいい それだけで私は死んでもいい
『彼女は』
僕が心中をお願いしても顔色変えず むしろ喜んだ顔で了承してくれた君
彼女は僕の神様だった
僕が身投げしようと言ったら いっぱいお話したいから飛び降りにしよと提案してくれた君
彼女は僕の神様だった
僕が下をみてその高さに震えていると 大丈夫だよと手を握ってくれた君
彼女は僕の神様だった
僕がやっと終わりだと安心して笑っていると 涙を流していた君
彼女は神様なんかじゃなかった
『ごめんね』
僕のわがままで君は涙を流したのに 僕は車椅子に乗りながらこの世にこびりついています
本当にごめんね 君を泣かせてしまったのに
本当にごめんね 君を遠いところ行かせてしまったのに
みんなに怒られてごめん
みんなに心配されてごめん
みんなに優しくされてごめん
あと数十年後に会ったら あと数年後に会ったら あと数日後に会ったら
謝って 謝って 謝り終えて
もう一度 次は涙流させません
お誘いさせてください
ごめんねと謝ると罪が軽くなりそうで嫌だ