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女は美し、私は笑い  作者: 直野
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悲劇

眼球はビー玉で代用できる

『被害妄想』


横にいる 隣にいる 

彼女と目を合わせるには

自分の顔が美しいと信じ 自分が汚くないと信じ

自分が嫌われてないと自己暗示をかけないといけない

彼女との過去を全て忘れないといけない

明日なんてないと願わなければいけない

もう二度と会わないと誓わなければいけない

横にいる 隣にいる

彼女と目を合わせるには




『食』


あいつはお腹いっぱいのはずだ

本を読んでいるあの子も バスケ部のあいつも

みんなみんな食っている

それなのに彼女さへ食べてしまうなんて許せない

あいつは食べすぎだ あいつは強欲だ

あぁ どうして私は食えない

あいつのように強欲になればいいのか

あいつのように格好悪い男になればいいのか

あいつのように あんな奴のようになってしまえばいいのか

そうすれば

本を読んでるあの子も バスケ部のあいつも

彼女ですらも

私に振り向いてくれるのか




『老化』


あの素晴らしい美貌をもっていた彼女が 今では

肉を垂らし額には何本もの皺 肌にはシミが出来ていて髪は白くなっている

悲劇だ

私の憧れを返せ 私の青春を返せ 私の情熱を返せ

神よ 

どうしてお前はこんな酷い罰を彼女に与える?

彼女が何をしたというんだ

こんなの罪を犯した悪人への拷問だ

なんで なんで彼女がこんな姿にならなければならない?

神よ 

お前を恨む

お前を憎む 

お前の体中に脂ののった脂肪を垂らし 顔面に二度と消えぬ皺を書き 茶色く濁ったシミの化身にしてやる


私の顔が 

私の髪が

私の体が

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