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女は美し、私は笑い  作者: 直野
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命咲いて

『230万の命』

230万人の命を並べ

息を「ふぅー」っと吹きかければ

たんぽぽの綿毛飛ぶように いのちいのちが飛びますが

たんぽぽの綿毛見えないように いのちいのちは見えません

たんぽぽの綿毛白いけど いのちいのちは多彩色

大人たんぽぽ黄色いな 老人たんぽぽ真っ白い

子供たんぽぽ色ないが 子供たんぽぽ無限大

カラフル 花びら 舞っていく

カラフル 花びら 散っていく




『線香花火』


僕は線香花火

「散り菊よ落ちて」と母さんが願ってる

「散り菊よ消えろ」と父さんが願っている

僕が落ちたら父さんが絶望する 

母さんの幸福は 父さんの不幸らしい

僕が消えたら母さんが絶望する

父さんからみた安心は 母さんの絶望らしい


僕は生まれたい


何度も消えてしまいそうになった そのたび母さんは深呼吸をした

消えてしまうかもしれない 母さんは僕の散り菊を無理やり揺らした

散り菊は人工的に落とされた

母さんは泣いていた 「うわんうわん」と喜んだ

父さんも泣いていた「うわあうわあ」と悲しんだ




『食堂』


「ローストヘッド一つ」


「へーい」


カルシウムたっぷり強火で脂肪をたっぷりと垂らたフライパン

デイジーの花茎をぐるりぐるりと捻ります

オカダンゴムシを親指と人差し指の先でぶちゃりと潰します

蟇蛙蟾蜍の四本脚を一本脚にタンタンタンと切り分けます

鶯のむねとハツをじゅーじゅーじゅーじゅーと焼き上げます

お顔に詰め込みます

美人のローストヘッドの完成






命踏まれ

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