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女は美し、私は笑い  作者: 直野
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消えた

お前は消えたんだ

『わからない』


虚無だ 虚無だ 何もない

唯一の話し相手のあいつはもういない

何故だ 何故だ わからない

きっと俺にはわからない

いまの俺にはわからない

いつの俺でもわからない



『消えた』


君は消えた

僕のまえから消えた

彼女と同じ方法で消えた


同じだった なにもかもが同じだった

知っていた なにもかもを知っていた

繰り返された なにもかもが繰り返された

 

君は消えた 

僕のまえから消えた

僕が愛した彼女と同じ消え方だった



『待っている』


待っている 布団をどかして待っている 

待っている ベーコンパン食べ待っている

待っている バスの右手前待っている

待っている 上履き履いて待っている

待っている 方程式解き待っている

待っている チャイムと共に待っている

待っている 揚げパン頬張り待っている

待っている 上履き脱いで待っている

待っている バスの右奥待っている

待っている カレーライス食べ待っている

待っている 布団の中で待っている





いや、私が消えたのだろう

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