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女は美し、私は笑い  作者: 直野
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世界

世界は回ってる

『回る』


地球が回る 景色が回る 周りが回る

老人だって 若者だって 男だって 女だって 誰だって回っている 

止まっているのは僕だけだ


地球が止まった 景色が止まった 周りが回った

売れないバンドだって 売れてるアイドルだって 千年に一度の美少女だって 醜い顔をした芸人だって

誰だって回っている

動いているのは心だけだ



『見ている』


俺がどんなところに行ったって 誰かが俺を見ている

電車の中で揺られていても 会社で書類をまとめていても 家でテレビを見ていたって

スマホなんていう薄い板を通して 俺を見ている

見るな 見るなと叫んでみるが誰も耳を貸してくれない

嫌だ 嫌だと泣いたってむしろネタにされるだけだ 


きっと死ぬときでさえ俺は誰かに見られてる

電車へ飛び込んだって 会社の屋上から落ちたって 家で首を吊ったって

スマホなんていう薄い板を通して俺は見られてる

見るな 見るなと警官が叫んでいるがマスコミと近所のやつらは耳を貸さな 

嫌だ 嫌だと母が泣いたってむしろネタにされるだけだ



『よる、あさ』

夜が嫌いです

明日のことばかりが頭に浮かんで泣いてしまう

自らの意思に反して仰向けになって いつの間にか目を閉じている夜が嫌いです


朝が嫌いです

自分が傷つくと分かりながら起きてしまう 

自らの意思で腰をあげて 当たり前に目的の場所へ足を運ぶ朝が嫌いです




僕だけ止まってる

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