みそかごとだらけの学校
「すみません!遅れました」
一人の男の先生は職員室に急ぐように入って来た。
「横山、教える方なんだから授業に遅れたら生徒の迷惑だぞ」
と教頭先生はその先生に注意した。
彼は俺達の担任である白井を紹介した横山先生だ。横山先生は英語、生物の2つが担当教科である。
「横山先生、遅いな。」
俺達と同じ教室の人達は待ちくたびれていた。
「あの人、遅れること多いよね。蓮!」
「たしかにな……」
横山先生は廊下を走って、急いで俺達の教室に入った。
「みんなごめん、先生は時間割表見間違えてね」
『寝坊したなんて、腹を裂かれても言いたくない……』
──見間違えた、わけでは絶対ないだろう。だってホームルームのとき、横山先生居なかったし。
横山先生担当授業の生物の時間中。
「ミトコンドリアのこの部分、なんて言うか知ってる人!」
「はい」
ふづきはすぐに手をあげた。
「ふづき、答えは?」
「マトリックス!」
「生物が得意ではない、黒羽志この部分は?」
先生は細胞の中にあるミトコンドリアの皮みたいな部分をチョークでなぞった。ちなみに答えは外膜である。いきなり指名されて俺は焦った。
「カトリシ!」
「マトリ!」
結局、俺は正解を答えられず。白井に正解を教えて貰った。
──俺のもう一つのみそかごとは生物、英語のテストの点数が絶望的だということだ。いつも友達にうその点数を教えていることだ。
俺は昼休みに食堂へ向かった。
「ふづき、白井お前達も食堂か……」
食堂にはふづきと白井がいた。食堂は人で賑わっていた。
「たまには食堂で好きな食べ物たべたいからね」
「白井、食堂の方に卵使ってない料理聞きなよ。」
白井が心配なのか俺は白井にそう伝えた。食堂の方はおばさんなイメージがあると思うが若くて接しやすい女性だ。
「生姜焼き定食でおねがいします。」
俺はこの食堂二番人気、豚の生姜焼き定食を頼んだ。
俺は白井とふづきに遅れて同じテーブルへ向かった。
「おお、白井とふづきの頼んだメニューも美味しそうだな」
ふづきはチャーハンを白井はチキンライスを食べていた。
「白井、チキンライスってあるんだな」
「特別につくって貰ったんだ。」
「オムライスの卵の部分、抜いてもらってその代わりウインナーを付けてもらったんだな。」
「そうだよ!」
初めて俺はフランクフルトを食べていたときの笑顔の白井を超える白井の笑顔をみた。
「ここのカニクリームコロッケ、美味しい。」
ふづきはいつも通り笑顔いっぱいだった。
──ここのカニクリームコロッケ、冷凍食品というみそかごとあるんだよな。がっつり手作りって書いてあるけど。
そう、この食堂は冷凍食品をひそかに使っているみそかごとがある。ちなみに俺がなぜ知っているのかは俺が初めてこの食堂に行った二年前だ。
「すみません、カニクリームコロッケ定食を」
「あ!」
電子レンジから手作りのはずの美味しそうなカニクリームコロッケが出てきた。俺はあぜんとした。
「ここのカニクリームコロッケ手作りって聞いたんだけど!」
「無料で提供するから冷凍食品だということは君との秘密だよ」
「もしかして……スーパーに売っているやつですか?」
「うんそうだよ僕」
俺はあまりの衝撃で転びそうになった。
「スーパーのなの!よくバレないな」
というわけで自分はこの食堂のみそかごとを知っている。